Phase 2: 設計の微調整(寸法最適化)

2番目の設計フェーズでは、寸法最適化を実施し、Phase 1からの最適化されたプライバンドルの板厚を微調整します。

最適化設計が設計要件に見あうことを確実にするため、追加の性能条件を、問題の定式化に組み込みます。これらの新規条件は、繊維ひずみ、マトリックスひずみ、および質量です。

修正された最適化セットアップは次のとおり:
設計変数
Phase 1からの寸法入力デックで定義済みのプライ板厚
目的関数
全質量の最小化
制約条件
繊維ひずみ < 9000 με (microstrain)
マトリックスひずみ < 7000 με (microstrain)

先に適用された製造性制約条件は保存され、DCOMPカードに移されています。

データベースの保存

  1. メニューバーFile > Save As > Modelをクリックします。
  2. Save Asダイアログでファイル名欄にoht_opti_ph2.hmと入力し、自身の作業ディレクトリに保存します。

最適化のセットアップ

寸法設計変数の編集

  1. Optimization panelからsizeパネルをクリックします。
  2. reviewをクリックします。
  3. autoplyを選択します。
  4. initial value=欄に0.04と入力します。
    これは、4つのプライの板厚です。
  5. Upper bound=欄に0.2と入力します。
  6. Lower bound=欄に0.0と入力します。
  7. updateをクリックし、設計変数を更新します。
  8. 上記の手順を繰り返し、各寸法設計変数についてそれぞれの境界と開始値を更新します。
    注: DESVARは、それらが関係する設計変数プロパティの関連付け(DVPREL)として同じID番号を有しています。これらのID番号はまた、これより前の最適化で作成されたプライを参照し、そのため、相互参照が容易に行われます。

各プライの製造可能な板厚と初期値の編集

  1. ModelブラウザのPliesフォルダーで、すべてのプライを選択します。

    os3400_ph2_select_all_plies
    図 1.
  2. エンティティエディターで、プライを編集します。
    1. TMANUFに0.01と入力します。
    2. Thicknessに0.04と入力します。
    これは、すべてのプライの値を同時に変更します。

積層板計算タイプの更新

  1. ModelブラウザのLaminatesフォルダーでlaminateを右クリックし、コンテキストメニューからEditを選択します。
  2. Laminate Editダイアログボックスで、Laminate optionをSymmetric smearにセットします。
  3. Updateをクリックし、ダイアログを抜けます。
このオプションは、積層板の挙動を定義します。ここでは、積層板の挙動の定義にSMEAR理論が用いられます。すなわち、A-マトリックスは積層順序と無関係であるため正確に計算され、D-マトリックスはAT2/12として計算され、最後にB-マトリックスは0にセットされます。SMEAR理論へSymmetricオプションを追加することで、1度に2つのプライ vs. 1度に1つのプライを追加 / 削除することによって、対称性積層板が出力されることが確実になります。

既存の応答、制約条件、目的関数の削除

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからOptimization > Response > Deleteを選択します。
    HyperMeshから、削除を確認するメッセージが出力されます。
  2. 操作を継続するにはYesをクリックします。
HyperMeshで応答が削除されると、それらの応答に依存するすべての制約条件と目的関数が削除されます。

寸法最適化の応答の作成

寸法最適化のために、体積、固有振動数、および複合材ひずみの応答を生成します。

  1. Analysisページからパネルoptimizationをクリックします。
  2. responsesパネルをクリックします。
  3. 繊維の機械ひずみ応答を作成します。
    1. response=欄にfiber_eと入力します。
    2. response typeをcomposite strainに設定します。
    3. コンポーネントをmechanicalに設定します。
    4. エンティティセレクターをpliesに設定し、プライセレクターを使ってモデル内のプライをすべて選択します。
    5. responseコンポーネントをnormal 1にセットします。
    6. all pliesを選択します。
    7. createをクリックします。

    os3400_ph2_fiber_e_response
    図 2. 繊維の機械ひずみ応答
  4. マトリックスの機械ひずみ応答を作成します。
    1. response=欄にmatrix_eと入力します。
    2. response typeをcomposite strainに設定します。
    3. コンポーネントをmechanicalに設定します。
    4. エンティティセレクターをpliesに設定し、プライセレクターを使ってモデル内のプライをすべて選択します。
    5. responseコンポーネントをnormal 2にセットします。
    6. all pliesを選択します。
    7. createをクリックします。

    os3400_ph2_matrix_e_response
    図 3. マトリックスの機械ひずみ応答
  5. mass応答を作成します。
    1. response=欄にmassと入力します。
    2. response typeをmassに設定します。
    3. typeをtotalにセットします。
    4. createをクリックします。
  6. returnをクリックし、Optimization panelに戻ります。

設計制約条件の作成

  1. dconstraintsパネルをクリックします。
  2. constraints=欄にfiber_eと入力します。
  3. response =をクリックしfiber_eを選択します。
  4. upper boundの横のボックスにチェックマークを入れ、0.009と入力します。
  5. 荷重ステップセレクターを使って、nx_stepを選択します。
  6. createをクリックします。
  7. 荷重nx_stepについて応答matrix_eの制約条件matrix_eをupper bound0.007で作成します。
  8. returnをクリックし、Optimization panelに戻ります。

目的関数の定義

  1. objectiveパネルをクリックします。
  2. minが選択されていることを確認します。
  3. response=をクリックし、massを選択します。
  4. createをクリックします。
  5. returnを2回クリックし、Optimization panelを終了します。

複合材寸法設計変数の編集

  1. optimizationパネルからcomposite sizeパネルをクリックします。
  2. createサブパネルを選択します。
  3. reviewをクリックします。
  4. フリー寸法設計変数を選択します。
    このDESVARは、オリジナルの最適化から保存された製造制約条件を擁する寸法最適化として、先の最適化から持ち越されています。
  5. parametersサブパネルを選択します。
  6. laminate thicknessの下で、minimimum thickness offをminimum thicknessに切り替え、0.04と入力します。
  7. editをクリックします。
  8. 製造性制約条件の確認
    1. PLYPCTは、0度と90度のプライが0.2と0.7の間にセットされていることを確認します。
    2. BALANCEが45度と-45度のプライにセットされていることを確認します。
    3. PLYDRPは尚もTOTALでPDMAXが0.33にセットされていることを確認します。
  9. returnをクリックし、これらのパラメータを保持します。
  10. updateをクリックします。
  11. returnを2回クリックし、Analysisページに戻ります。

出力リクエストの定義

1つ前のフェーズで定義された複合材ひずみおよび応力についての出力コントロールが自動的に引き継がれます。OUTPUT,SZTOSH (シャッフル用寸法最適化)で、積層材の積み重ねの最適化入力デックを書き出します。
  1. Analysisページからパネルcontrol cardsをクリックします。
  2. Card Imageダイアログで、OUTPUTをクリックします。
  3. 最後のKEYWORDをSZTOSHに設定します。
  4. FINAL FREQをYESに設定します。
  5. returnをクリックします。

最適化の実行

  1. AnalysisページからOptiStructをクリックします。
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてoht_opti_ph2と入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをoptimizationにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックして最適化を実行します。
    ジョブが完了すると、ウィンドウ内に次のようなメッセージが現れます:
    OPTIMIZATION HAS CONVERGED.
    FEASIBLE DESIGN (ALL CONSTRAINTS SATISFIED).
    エラーがある場合、OptiStructはエラーメッセージも出します。エラーに関する詳細は、テキストエディタでファイル oht_opti_ph2.outを開いて確認することができます。このファイルは同じディレクトリ内に.femファイルとして書き出されます。
  9. Closeをクリックします。
ディレクトリ内に作成されるデフォルトのファイルは以下の通り:
oht_opti_ph2.out
ファイルのセットアップ、最適化のセットアップの情報、 実行に必要なRAMとディスクスペースの見積もり、それぞれの最適化の反復情報、計算時間の情報を含むOptiStruct出力ファイル。oht_opti_ph2.femファイルの処理を行う際にフラグが立つワーニングおよびエラーに関しては、このファイルを確認すること。
oht_opti_ph2_des.h3d
最適化結果を含むHyperViewバイナリ結果ファイル。
oht_opti_ph2_s#.h3d
線形静解析からの結果を含むHyperViewバイナリ結果ファイル。
oht_opti_ph2_shuffling.*.fem
積層順最適化の入力デック。前のステージからのDESVARカードとDVPRELカードは削除され、空のDSHUFFLEカードが導入されます。* の記号は、最終反復計算番号を表します。
oht_opti_ph2_shuffling.*.inc
積層順最適化のデータが含まれたASCIIインクルードファイル。

結果の表示

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. oht_opti_ph2_des.h3dの結果を含むページに進みます。
  3. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  4. Result typeをPly Thicknesses (s)に設定します。
  5. プロットオプションを選択します。

    os3400_ph1_contour_panel_settings
    図 4. プライ板厚のコンタープロット
  6. Resultsブラウザから、最終反復計算を選択します。
  7. Applyをクリックします。
phase-2寸法最適化後の要素板厚コンタープロット(最終反復計算)が表示されます。

os3400_ph2_sizing_results
図 5.