フロント内部ジャウンスバンパー
フロントサスペンションまたはリアサスペンションのショックアブソーバー(ストラット)の内部にあるジャウンスバンパーをシミュレートするには、内部jounce bumperシステムを使用します。このシステムでは、バンパーのフォース、リクエスト、およびグラフィックスを作成します。フォースは、ストラットロッドまたはショックロッドと、ストラットチューブまたはショックチューブとの間に作用します。バンパーは、XYZ座標ではなく、ストラット / ショックに沿った長さを使用して方向が指定されます。jounce bumperのフォース対たわみ特性は、jounce bumperシステムでカーブによって定義します。Assembly Wizardを使用して構築したモデルでは、jounce bumperシステムは、サスペンションシステムの子となります。
- システム内のフォース要素では、式を使用して、先端が接触点に到達したときにjounce bumperのオンとオフを切り替えます。
- jounce bumperのカーブでは、デフォルトで線形外挿がオンになっています。シミュレーションが確実に行われるようにするには、フォースとたわみのカーブの値がシミュレーションで現れるフォースとたわみより大きくなるようにしてください。
- システムでは、算出されたポイント配置を使用して、グラフィックスおよびフォース配置を定義します。そのフォース式では、ポイントに基づくマーカーを使用します。
- jounce bumperのフォース対たわみカーブは、バンパーが接触点に触れたときに0.0になり、接触後はフォースが正の値、たわみも正の値のペアになります。
- このグラフィックスは、jounce bumperのフォースが発生すると同時に、jounce bumperのグラフィック(円錐で表現されている部分)が接触面のグラフィック(平坦な丸いプレート)を通過し始めるように定義されます。
- jounce bumperのフォースは“接触点”に作用し、ストラット(ショック)の軸方向に、ストラットロッド / ショックロッドとストラットチューブ / ショックチューブのボディとの間で作用する作用 / 反作用フォースとなります。
- 減衰は無視されますが、追加することは可能です。
カーブ
システムには1つのカーブが含まれています(Jounce Bumper 1)。jounce bumperのフォース対変位の挙動を、このカーブで定義します。カーブ上の0,0のポイントは、バンパーが接触サーフェスに最初に接触するポイントです。データは、必ず正象限である必要があり、必ずX方向とY方向の両方に増加する必要があります。
データセット
- Rod upper to bumper tip (mm)
- jounce bumper先端のPointPairの座標を決定します。
- Tip to contact dist. (mm) - clearance to be set manually in the curve x offset
- jounce bumperの接触点のPointPairの座標を決定します。
- Shock length (mm)
- “ジャウンスバンパーの先端”および“ジャウンスバンパーの接触点”のPointPair座標を決定するパラメトリックな値です。
形式は次のとおりです:
sqrt((p_rod.l.x-p_tube.l.x)^2+(p_rod.l.y-p_tube.l.y)^2+(p_rod.l.z-p_tube.l.z)^2)
フォース
Forms
グラフィックス
マーカー
フロント内部jounce bumperシステムでは、XZ平面を中心として対称な2つのマーカーが使用されています(フォース方向参照マーカーと変位参照マーカー)。
マーカー | 位置の説明 | 使用法 |
---|---|---|
Force Direction Reference | 原点は、ストラットロッド上部またはショック上部ブッシュとなります。 Z軸は、ジャウンスバンパーの接触点を指します。 ストラットチューブ(下部ストラット)またはショックチューブ(下部ショック)に結合されます。 |
jounce bumperのフォースは、このマーカーのZ軸方向に作用します。 jounce bumperフォースリクエストでは、この参照フレームにあるフォースがレポートされます。 |
Displacement Reference | 原点は、ジャウンスバンパーの先端となります。 Z軸は、ストラットロッド上部またはショック上部ブッシュを指します。 ストラットロッド(上部ストラット)またはショックロッド(上部ショック)に結合されます。 |
jounce bumper変位リクエストは、この座標系で測定されます。 jounce bumperのフォース式では、フォースを計算するために方程式でこのマーカーが使用されます。 |
Outputs
- Left Jounce Bumper Displacement
- 車両の左側でのjounce bumperの変位です。バンパー先端に相対するバンパー接点の変位、およびバンパー接触点に相対する接触部先端の変位がレポートされます。リクエストは両方とも、変位マーカー参照フレーム内にあります。
- Right Jounce Bumper Displacement
- サスペンションの右側でのjounce bumperの変位です。バンパー接触点に相対する接触部先端がレポートされます。リクエストは両方とも、変位マーカー参照フレーム内にあります。
- Left Jounce Bumper Force
- サスペンションの左側でのjounce bumperのフォースです。バンパーが動作しているとき、ボディが離れる方向にフォースが作用します。フォースは、フォース要素の両方のパートについてレポートされ、それらのフォースは同じ大きさで反対方向となります。
- Right Jounce Bumper Force
- サスペンションの右側でのjounce bumperのフォースです。バンパーが動作しているとき、ボディが離れる方向にフォースが作用します。フォースは、フォース要素の両方のパートについてレポートされ、それらのフォースは同じ大きさで反対方向となります。
ポイント
- 座標
- 式(前方左)
- X
- p_rod.l.x+(p_tube.l.x-p_rod.l.x)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*ds_jnc_bmp.end_to_tip.value
- Y
- p_rod.l.y+(p_tube.l.y-p_rod.l.y)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*ds_jnc_bmp.end_to_tip.value
- Z
- p_rod.l.z+(p_tube.l.z-p_rod.l.z)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*ds_jnc_bmp.end_to_tip.value
- 式
- モデルでの対応ポイント
- p_rod.l.x
- Upper Rod Attachment Point – LeftのX座標
- p_tube.l.x
- Lower Tube Attachment Point – LeftのX座標
- p_rod.l.y
- Upper Rod Attachment Point – LeftのY座標
- p_tube.l.y
- Lower Tube Attachment Point – LeftのY座標
- p_rod.l.z
- Upper Rod Attachment Point – LeftのZ座標
- p_tube.l.z
- Lower Tube Attachment Point – LeftのZ座標
- ds_jnc_bmp.shock_len.value
- データセット内で定義されている合計ショック長値
- ds_jnc_bmp.end_to_tip.value
- データセット内で定義されている、ショックロッド上部からバンパー先端までの距離
- Coordinate
- 式(前方左)
- X
- p_rod.l.x+(p_tube.l.x-p_rod.l.x)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*(ds_jnc_bmp.end_to_tip.value+ds_jnc_bmp.tip_to_cont.value)
- Y
- p_rod.l.y+(p_tube.l.y-p_rod.l.y)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*(ds_jnc_bmp.end_to_tip.value+ds_jnc_bmp.tip_to_cont.value)
- Z
- p_rod.l.z+(p_tube.l.z-p_rod.l.z)/ds_jnc_bmp.shock_len.value*(ds_jnc_bmp.end_to_tip.value+ds_jnc_bmp.tip_to_cont.value)
- 式
- モデルでの対応ポイント
- p_rod.l.x
- Upper Rod Attachment Point – LeftのX座標
- p_tube.l.x
- Lower Tube Attachment Point – LeftのX座標
- p_rod.l.y
- Upper Rod Attachment Point – LeftのY座標
- p_tube.l.y
- Lower Tube Attachment Point – LeftのY座標
- p_rod.l.z
- Upper Rod Attachment Point – LeftのZ座標
- p_tube.l.z
- Lower Tube Attachment Point – LeftのZ座標
- ds_jnc_bmp.shock_len.value
- データセット内で定義されている合計ショック長値
- ds_jnc_bmp.end_to_tip.value
- データセット内で定義されている、ショックロッド上部からバンパー先端までの距離
- ds_jnc_bmp.tip_to_cont.value
- データセット内で定義されている、バンパー先端からバンパー接触点までの距離
類似サスペンション
リア内部ジャウンスバンパー
フロント内部リバウンドバンパー
リア内部リバウンドバンパー