曲面標準グリッド路面

曲面標準グリッド(CRG)路面の考え方は、基準の設定、路面の分割、路面情報の保存をグリッドポイント単位で実現することにあります。この様子を、以下の図の標準グリッドに示します。標準グリッドは曲げることができないので、曲面標準グリッドが考え出されました。曲面標準グリッドは、中央基準線(太線)と、それと平行で一定距離離れた複数の線で構成されています。

CRGファイルには、基準曲線が定義されています。したがって、この基準線上でのポイントを指定する必要があります。これらのポイントをつなぐことによって基準曲線が作成されます。これらのポイントのほか、各ポイントにおけるヘディング角phiが必要です。

基準曲線上の各ポイントは、増分値uの倍数となる位置に指定します。 v 増分とu増分を組み合わせることで、グリッドのどこでも長さ方向と幅方向への移動が容易になります。


図 1. CRG

CRGファイルの定義

Z-ARRAY
z(nu, nv) グリッドポイントにおける高さの値(NaNとすることもできます)
U-AXIS (REFERENCE LINE)
ubeg 開始位置の座標(デフォルトは0.00m)
uend 終了位置の座標
V-AXIS (ORTHOGONAL TO REFERENCE LINE)
vmin、vmax 路面の右側路肩と左側路肩でのv値(等間隔のv軸)
v(nv) 路面の右側路肩と左側路肩でのv値(可変間隔のv軸)
PHI (HEADING ANGLE)
p 基準直線のphi
p(nu-1) phi 基準線のポイント間の値。これらのポイント間の距離は(uend-ubeg)/(nu-1)です。
R0 (REFERENCE LINE ORIGIN)
(x0, y0) 慣性座標(デフォルトは(0, 0))

CRGファイルのサンプルについては路面データファイルのサンプルをご参照ください。

CRGの最新の開発状況についてはOpenCRGをご参照ください。

使用方法

ダイアログボックスで.crgファイルを参照することで、その.crgファイルをAuto Tire自動車用エンティティに直接提供できます。


図 2.

摩擦などの他の情報をCRG路面に追加する場合は、.rdfを使用して.crgファイルを指定する必要があります。

この場合は、次のように.rdfファイルで.crgファイルを参照します。ROAD_TYPE項で.crgを指定します。パラメータのブロックで、.crg路面ファイルへのパスを指定する必要があります。この指定は相対パスでも絶対パスでもかまいません。
$---------------------------------------------------MODEL
[MODEL]
PROPERTY_FILE_FORMAT    = 'USER'
FUNCTION_NAME = 'mbdtire::ROAD_ALTAIR'
METHOD             	= '2D'
ROAD_TYPE           = 'crg'
$------------------------------------------------------------PARAMETERS
[PARAMETERS]
 MU                      = 1.0
 CRG_ROADFILE            = '.\CRG.crg'

路面は、CD、CTI Tire、MF_SWIFT Tire、FIALA Tireでもサポートされています。CD Tireでは、crgファイルのパスを直接指定する必要があります。他のすべてのタイヤでは、crgファイルのパスをrdfファイルで指定する必要があります。