ANSYSインターフェース
ANSYSインターフェースの概要。
- ANSYS ASCIIデータベースを読み取る。
- HyperWorks内でANSYS ASCIIデータベースを作成および編集する。
- 作成されたANSYSカードをプレビューおよび編集する。
- ANSYSの要素、荷重、プロパティの概要を表示する。
- ANSYS ASCIIデータベースを出力する。
- ANSYSバイナリ結果ファイルをHyperWorksバイナリ結果ファイル(HyperWorksに読み込んでポスト処理可能)に変換する。
- HyperWorksのデフォルトANSYS出力を変更するためのマクロコマンドを割り当てる。
HyperWorksでは、ANSYSがカードイメージコードとして扱われます。
HyperWorksは、バージョン2019 R2以前のANSYSを使用した静的構造解析、熱解析、モーダル解析でANSYS要素タイプをサポートしています。2019 R2以前のANSYSの結果(.rst、.rmg、.rth)ファイルは、HyperViewに読み込まれます。HyperWorksは、8.1以前のバージョンのANSYSからの.rst、.rmg、.rthファイルを読み込むことができます。8.1より後のバージョンの結果ファイルを読み込むには、HyperViewを使用してください。警告とエラーメッセージは、ansys.msgファイルに書き込まれます。認識されない行は、*.hmxファイルに書き込まれます。これらのファイルは、HyperWorksの起動ディレクトリに作成されます。
ANSYSインターフェースは、ANSYSユーザープロファイルを読み込むと使用できるようになります。
インポートとエクスポート動作
Generalpは、Real IDを持ち、ANSYSの入力デックにリアルセットがない要素に対して作成されます。
有効な要素タイプに対して、要素 blockDで参照されるsectionIDがある場合、未定義の section が生成されます。
すべての旧バージョンのデックおよびANSYSで作成されたデックには、直接プロパティ割り当てが優先されます。
接触要素は、それに関連するベース要素がない場合、コンポーネントとしてインポートされません。
インポート動作において、"Convert Contact Elements"が削除されました。
- インポート
-
- HMコメントによるインポート
HMコメントは、コンポーネント、プロパティ、材料に対応しています。
- プロパティによるインポート
モデル内のプロパティごとに1つのコンポーネントが作成されます。
- 材料によるインポート
モデル内の材料1つにつき、1つのコンポーネントが作成されます。
- コンポーネント単位のインポート
インポート時にすべての要素が1つのコンポーネントにまとめられます。
- HMコメントによるインポート
- エクスポート
- プロパティ、セクション、コンポーネント用の新しいコメント:
一般的な機能
サポートされている要素タイプのSectionとRealのサポート。
以前のリリースの古いhmファイルの読み込み。
コンポーネント上のHM_COMPカードイメージの削除。
プロパティのみを参照するコンポーネント。
RBE3要素
ANSYSでは、メイン節点に適用している力 / モーメントがRBE3カードによって複数のスレーブ節点に分散されます。ここでは、各スレーブ節点のジオメトリと重み係数が考慮されます。
HyperWorksでは、RBE3は、複数の1D要素で構成した要素です。これらの1D要素は、1つの従属(メイン)節点と1つ以上の独立(スレーブ)節点間で定義されます。RBE3カードは、RBE3パネル(1Dページ)を使用して作成します。
- HyperWorksでRBE3要素を作成すると、メイン節点だけではなく、スレーブ節点にもDOFが定義されます。ただし、スレーブ節点のDOFはサポートされないため、エクスポートされません。
- HyperWorksでRBE3要素を作成すると、メイン節点に適用している重み係数値が、デフォルトですべてのスレーブ節点にも適用されます。RBE3パネルのUpdateサブパネルを使用すると、各スレーブ節点の重み係数を個別に変更できます。マスター節点の重み係数は、ANSYSに適用できないのでエクスポートされません。
- 他のスレーブテンプレート(Nastranなど)を使用してHyperWorksで作成したRBE3要素は、テンプレートの用語に従ってエクスポートされます。
RBE3要素向けにエクスポートするパラメータ配列
RBE3要素ごとに2つのパラメータ配列がエクスポートされます。そのうちの1つにはスレーブ節点ID、もう1つにはスレーブ節点の重みがそれぞれ記述されています。これらの配列は、エクスポートされたファイルの先頭に配置されています。
RBE3, Main_ID, DOF, SLAVE#, WEIGHT#
ここで、Main_ID
- マスター節点のID
DOF
- RBE3パネルで、IDが#のRBE3要素に対して有効(オン)にした自由度。DOFは次のようにエクスポートされます。
- U
- uxがオンの場合
- UY
- uyがオンの場合
- UZ
- uzがオンの場合
- ROTX
- rotxがオンの場合
- ROTY
- rotyがオンの場合
- ROTZ
- rotzがオンの場合
- UXYZ
- ux、uy、およびuzがオンの場合
- RXYZ
- rotx、roty、およびrotzがオンの場合
- ALL
- すべてがオンの場合
SLAVE#
- SLAVE節点ID配列の名前
WEIGHT#
- 重み係数配列の名前
ここで、#はRBE3要素IDです。
エクスポート先は、CP要素またはCERIG要素です。
RBE3に対するFE入力トランスレーターのサポート
- エクスポートしたファイルのインポート
- ANSYSでは、RBE3は要素ではなく、RBE3コマンドで作成します。ANSYSでは、これらのRBE3がRBE3カードとしてではなく、一連の拘束方程式(CE)としてエクスポートされます。HyperWorksのFE入力トランスレーターでは、CE方程式がRBE3要素としてではなく、CE方程式としてのみインポートされます。
- エクスポートしたHyperWorksファイルのインポート
- HyperWorksでは、RBE3カードを使用してRBE3要素が書き出されるので、H_ FE入力トランスレーターでは、エクスポートしたHyperWorksのRBE3カードがRBE3要素としてインポートされます。
ヒント
HyperWorksでANSYSを扱うためのヒント
- HyperWorksで行った操作は、以下のオプションを使ってコンパクトなHyperWorksバイナリファイルとして保存することもできます。保存する場合、 オプションを使用します。
- ボルトシミュレーション設定ファイルは、ANSYSのプロファイルに用意されています。Boltパネルでは、汎用ボルト、1枚または2枚のワッシャー付きボルト、スパイダーオプションとクリップ付きボルトを作成できます。
- Mass Calcパネル(Toolページ)を使用して、有限要素モデルの質量を決定します。Importタブでansys.tplテンプレートファイルを選択します。質量計算は、1、2、3、4、5、8、10、13、16、18、20、21、23、24、25、28、31、32、33、41、42、43、44、45、46、51、53、54、55、57、58、60、61、62、63、64、67、69、70、71、75、77、78、80、82、83、87、90、91、92、93、95、96、97、98、99、107、116、117、118、119、120、121、143、145、147、148、150、152、153、154、157、162、163、164、173、174、180、181、182、183、185、186、187、191の各要素番号の要素でサポートされています。
- HyperWorksでの各操作によってASCIIコマンドが生成され、command.cmfファイルに追加されます。HyperWorksで作業中にコンピューターがシャットダウンした場合に、このファイルが役に立ちます。このファイルをコマンド機能で読み込めば、以前の作業を復元することができます。 をクリックします。このファイルに必要なディスクスペースが大きすぎる場合は、このファイルを削除してもかまいません。
command.cmfファイルを使用して、頻繁に実行するHyperWorks操作を保存することもできます。形状プロパティと材料プロパティの同じセットを扱う場合は、鋼板、フォームソリッド、アルミニウムロッドなどのコレクターの作成を一連のコマンドファイルに記録しておき、必要に応じて読み取ることができます。
- ANSYSテンプレートは、Compositesパネルに関連付けられています。SHELL99などの積層要素にこのパネルを使用すると、以下の操作が可能です:2つの方法で指定する要素方向:
- By Systemで要素に座標系を割り当てる(要素にESYSを設定)。
- By Vectorで要素平面にベクトルを投影する。定義したベクトルとX軸が平行な座標系が作成され、ESYSとして要素に割り当てられます。
- このテンプレートでは、By System AxisオプションとBy Angleオプションは使用できません。
- 要素方向の可視化
- レイヤー単位でのプライ方向の可視化。要素方向を基準としてRカードに定義した角度を可視化します。
- MASS21要素のKEYOPT3とBEAM23要素のKEYOPT6を変更する場合は、コンポーネントだけでなく、プロパティコレクターも必ず変更します。
- プロパティコレクターの作成中にcard imageボタンをクリックすると、リストの最後に GENERAL カードが表示されます。このカードを使用すると、どの要素にも使用されていないプロパティをカード編集できます。
- 二次(3節点)ライン要素(BEAM189やSURF153など)のANSYSの連続性はEnd-node-I、End-node-J、Mid-node-Kの順序です。ただし、HyperWorksでbarパネルとbar3サブパネルを使用してbar3要素を作成する場合は、End-node-I、Mid-node-K、End-node-Jの順序で節点A、節点B、および節点Cを選択します。ANSYSテンプレートでは、ANSYSの連続性を使用してbar3要素がエクスポートされます。
- HyperWorksを使用して、以下の方法により、ローカル座標系(ANSYSのNROTATカード)で荷重を適用します。
- ForcesパネルとMomentsパネルでLocal Systemオプションを使用して、ローカル座標系で荷重を適用できます。
- SystemsパネルのAssignサブパネルでSet Analysisオプションを使用して、座標系に節点を割り当てることができます。その節点に適用した荷重は、ANSYSデックからのエクスポートとそこへのインポートの後でも正しく表示されます。
BEAM要素に対する圧力荷重
HyperWorksでは、バー要素とロッド要素に対する圧力荷重をサポートしています。つまり、ANSYSのビーム要素に適用した圧力荷重 [SFBEAM] をインポートできます。
- BEAM3、BEAM4、BEAM23、BEAM44の各要素に適用した圧力荷重をインポートする。インポートの制限については後述します。
- Pressureパネルを使用してビーム要素にSFBEAM荷重を適用する。
- ANSYSソルバーデックのSFBEAM荷重としてHyperWorksのビーム要素に適用した圧力荷重をエクスポートする。エクスポート機能の詳細については後述します。
圧力荷重のインポート
SFBEAM,ELEM,LKEY,Lab,R5.0,DIOFFST,DJOFFST
ELEM
- 要素ID。Labは必ずpres(pressure)です。
LKEY
- ビーム上で圧力荷重の適用先とするフェイスを指定する荷重キー番号。
制約
- 現在のところ、HyperWorksのANSYSインターフェースではBEAM要素ごとに以下のLKEY値をサポートしています。これらのLKEYを持つSFBEAM荷重をインポートできます。
表 1. 要素タイプ サポートされているLKEY BEAM3 1, 3, 4 BEAM4 1, 2, 4, 5 BEAM23 1, 3, 4 BEAM24 1, 2, 4, 5 BEAM44 1, 2, 4, 5 BEAM54 1, 3, 4 BEAM188 1, 2, 4, 5 BEAM189 1, 2, 4, 5 - HyperWorksでは、節点Iと節点Jにおける圧力値のオフセット値を定義するDIOFFSTとDJOFFSTがサポートされていません。
- HyperWorksでは、ビームの長さ方向の位置によって異なる圧力荷重を適用するSFLOADがサポートされません。一定値の圧力荷重のみをインポートできます。
BEAM要素に適用する圧力
- HyperWorksでは、bar2要素、bar3要素、およびロッド要素に圧力荷重を適用できます。サポートされているBEAM要素タイプに適用している圧力荷重のみをエクスポートできます。
- 方向に関するオプションを選択していない場合は、‘要素のy方向’にデフォルトで圧力が適用されます。Pressure Loadパネルに用意されているオプションを使用して荷重の方向を指定できます。
- ANSYSソルバーでは、要素に対する圧力を、LKEYで指定した特定のフェイスにのみ適用できます。言い換えると、BEAM要素に対する圧力を要素座標系で適用できます。この点を踏まえて圧力の方向を決定します。
- ビームの長さ方向の位置によって異なる圧力荷重は、それがANSYSソルバーで認められていても適用できません。
- 節点Iと節点Jにおける荷重オフセットはサポートされていません。
BEAM要素に対する圧力荷重のエクスポート
- ビームに対する圧力はSFBEAMカードとしてエクスポートされます。
- BEAM3、BEAM4、BEAM23、BEAM44、BEAM54、BEAM188、BEAM189の各要素に適用している圧力のみがエクスポートされます。
- 特定の方向に適用している圧力は、その方向に対応する要素座標系に解決され、エクスポートの際に関連するLKEYが割り当てられます。デックをHyperWorksにインポートすると、解決された荷重が表示されます。