ODBリーダーのカスタマイズ

HyperView ODBリーダーは、Load ModelパネルのReader Optionsダイアログを使用してカスタマイズできます。

Reader Optionsダイアログでは、バックグラウンドで一部の環境変数が作成されます。このような変数がすでに設定されている場合は、ダイアログを開いたときにその変数が読み取られます。

Auto-upgrade older ODB Files
Abaqus ODB APIで、旧バージョンのODBファイルを読み取るには、まず最新フォーマットにアップグレードする必要があります。この自動アップグレードオプションでは、インポート時にこのファイルを自動的にアップグレードするかどうかを指定します。
FALSE(デフォルト)
自動アップグレードは行われません。Abaqus ODB Upgradeツールを使用して、手動でアップグレードします。
TRUE
HyperViewは、インポート時にファイルを自動的にアップグレードします。一時ファイルが作成され、ユーザーフォルダーに保存されます。ただしこのファイルは、HyperViewが閉じられるときに自動的に削除されます。
Cache Data
このオプションを有効にすると、ODBリーダーはHyperViewにデータをキャッシュするようリクエストします。ほとんどの場合、HyperViewはそのリクエストに応えます。これにより、同じデータが複数回リクエストされた場合、パフォーマンスが向上します。
例:
  • ”S- Global Stress - VonMises”をプロットしてから、”Simple Averaging”(キャッシュされたデータを使用)を有効にし、”S-Global Stress-P1(Major)”(キャッシュされたデータを使用)をコンター表示する。
Delay Closing ODB Files
HyperViewは、新しいファイルが読み込まれるまで、メモリからファイルを解放しません。これにより、同じファイルを繰り返し開閉する操作のパフォーマンスが向上します。ただしその結果、部分的に完成したODBファイルでは問題が発生する可能性があります。部分的に完成したODBファイルを再び読み込もうとすると、そのファイルで新しい結果が表示されない場合があります。このオプションでは、この“閉じる操作の遅延”機能を制御します。
TRUE
ODBリーダーは、新しいファイルが読み込まれるまでファイルを閉じる操作を遅らせます。このオプションは、同じデータが含まれた同じファイルを繰り返し開閉する場合に使用します。
FALSE(デフォルト)
ODBリーダーは、ファイルを閉じる操作を遅らせません。ファイルが閉じられるとすぐにメモリを解放します。このオプションは、新しいデータが含まれた同じファイルを読み込む場合に使用します。
Element Result Position
このオプションでは、ODBファイルから要素結果がどのように読み取られるのかを指定します。次の4つの値を指定できます:
ALL(デフォルト)
外挿コーナー(POSITION = NODES)結果と積分点(POSITION = INTEGRATION POINTS)結果の両方を読み取ります。
AUTO
Abaqus Standard解析の外挿コーナー(NODES Supporting_Results_at_Position_CENTROIDAL)結果と、Explicit解析の積分点結果を読み取ります。
EXTRAPOLATE
外挿コーナー(POSITION = NODES)結果のみを読み取ります。
INT.POINTS
積分点(POSITION = INTEGRATION POINTS)結果のみを読み取ります。
Optimize Reading Data Types
このオプションは、ODB結果ファイル内のステップとインクリメントが多いため、この結果ファイルのポスト処理が遅くなってきており、ステップの切り替えにかかる時間が許容できなくなっている場合に推奨されます。
TRUE
結果は、ユーザーによって選択されたステップ / インクリメントをプロットするため、オンデマンドでのみ読み取られます。
FALSE
このパラメータが設定されている場合、HyperViewはファイル全体を読み取り、ステップとインクリメントに関する情報を収集します。
Read Data Types from All Frames
このオプションでは、すべてのフレームからデータタイプを結合するかどうかを指定します。
TRUE
すべてのフレームからデータタイプを取り込みます。
FALSE
すべてのフレームからデータタイプを取り込みません。
Import sets from ODB
ODB結果ファイルに含まれているセットにアクセスする場合、次の5つのオプションから選択できます:
  • None
  • Error and Warning sets
  • Instance sets
  • Assembly sets
  • All
このオプションは、解析時に警告またはエラーメッセージでDATファイルからのセットが示されている場合に特に役立ちます。また、入力デックでユーザーによって定義された節点と要素のセットにもアクセスできます。
Group contact results
このオプションでは、インポート時にHyperViewで接触結果をグループ化するかどうかを指定できます。
TRUE
標準解析の場合は、各種接触ペアの接触結果は、結果リスト内で1つの項目にグループ化されます。SPOS/SNEGの値がサーフェス定義に存在する場合、SPOSとSNEGの結果グループが作成されます。これがデフォルト値です。
FALSE
接触定義ごとに、別個の接触結果が結果リストに追加されます。
Support Gasket Element
このオプションは、ODB結果ファイル内のステップとインクリメントが多いため、この結果ファイルのポスト処理が遅く、ステップの切り替えにかかる時間が許容できない場合に推奨されます。
TRUE
GK3D12MとGK3D18Nの両方について、欠落している中間節点が作成され、結果が読み取られます。
FALSE
このパラメータが設定されている場合、HyperViewはガスケット要素の中間節点を作成しません。
Support cylinder surface elements
このオプションは、ODB結果ファイルが円筒サーフェス要素と円筒ソリッド要素で構成されている(特に対称モデルで)場合に推奨されます。
TRUE
SFMCL6、SFMCL9、CCL9、CCL9H、CCL12、CCL12H、CCL18、CCL18H、CCL24、CCL24H、CCL24R、CCL24RHという要素タイプがサポートされます。
FALSE
上記の円筒サーフェスおよびソリッド要素はサポートされません。
Rescan empty subcases with no datatypes
このオプションでは、ODBファイルのポスト処理時に、データタイプなしのサブケースを再スキャンする必要があるかどうかを制御します。FALSEに設定すると、ファイルの再スキャンが回避され、パフォーマンスが向上する可能性があります。
TRUE
ユーザーのリクエストに応じて、データタイプなしのサブケースが再スキャンされます。
FALSE(デフォルト)
データタイプなしのサブケースは1回だけスキャンされます。
Support element face results
このオプションでは、要素フェイス結果のサポートを設定します。デフォルトのオプションはFALSEです。この場合、要素フェイス結果が含まれたODBファイルをインポートしても、要素フェイス結果は表示されません。
Use one component for distributed coupling
すべてのカップリング拘束を単一のコンポーネントに追加することで、パフォーマンスの問題を回避します。
Optimize files with section points
複数の断面ポイントが含まれたモデルを最適化し、結果出力を高速化します。
Prefer UT-Spatial displacement as default animation source if available
アニメーションソースとしてUT-Spatial変位を有効にします。Abaqusには、変位出力のバリエーションがいくつかあります。
Support extended invariants
フィールド出力から直接得ることができないテンソルインバリアントのサポートを有効にします。
Default ODB version
このオプションを使用して、サポートされているAbaqusリリースのいずれかをデフォルトのODBバージョンとして設定します。デフォルトバージョンの設定は、最も多用されているAbaqusバージョンが提供されている最新のリーダーと異なる場合に役立ちます。メニューバーまたはWindowsのスタートメニューからAbaqus ODBのアップグレードオプションを使用している場合、これは、ODBファイルのアップグレード先のバージョンになります。