Abaqusの結果のContourパネル

HyperViewのContourパネルには、FEA結果に適用するコンターオプションがあります。

Applyをクリックすると、Contourパネルの以下のオプションがモデルに適用されます。
Result type
コンターの計算に使用する結果タイプとそれに対応する成分タイプを選択します。
Result typeにある最初のドロップダウンメニューで、使用可能な結果タイプのいずれかを選択します。このオプションは、その時点で読み込まれている結果ファイルによって異なります。各結果タイプの後ろには、それが属するカテゴリーを表わす文字が表示されています。“IP”というサフィックス付きの結果タイプ名は、積分点結果であることを示します。“IP”サフィックスがない結果タイプ名は、要素コーナー節点に外挿された結果であることを示します。グローバル要素結果はグローバル座標系を基準にしており、“Global”というプリフィックスが付けられています。グローバル結果の詳細については、テンソル結果をご参照ください。
(t)
応力テンソルやひずみテンソルなどのテンソルタイプの結果であることを示します。
(v)
変位、速度、加速度などのベクトルタイプの結果であることを示します。
(s)
スカラータイプの結果であることを示します。成分とインバリアントは、ODBファイルから直接読み取られます。
(c)
複素結果であることを示します。
Result typeセクションの2番目のドロップダウンメニューでは、データの成分タイプを選択できます。使用可能な成分のリストは、選択した結果タイプに基づきます。
S-Stress components (s)
Mises、Max Principal、Mid Principal、Min Principal、Tresca、Press、Inv3、S11、S22、S33、S12、S13、またはS23
S-Stress components IP (s)
Mises、Max Principal、Mid Principal、Min Principal、Tresca、Press、Inv3、S11、S22、S33、S12、S13、またはS23
S-Global-stress components (t)
vonMises、P1 (major)、P2 (mid)、P3 (minor)、Pressure、MaxShear、Intensity、In-plane P1 (major)、In-plane P2 (minor)、XX、YY、ZZ、XY、YZ、またはXZ
S-Global-stress components IP (t)
vonMises、P1 (major)、P2 (mid)、P3 (minor)、Pressure、MaxShear、Intensity、In-plane P1 (major)、In-plane P2 (minor)、XX、YY、ZZ、XY、YZ、またはXZ
Displacement (v)
Mag、X、Y、またはZ
UR-Rotational displacement (v)
Mag、X、Y、またはZ
Entity with layers
Entity with layersオプションでは、指定した要素の層やシェルの板厚方向の断面ポイントのコンターを表示できます。コンターは、モデル内に定義されているすべての層に適用されます。質量要素やソリッド要素など、層の定義がなされていない要素の場合でも、どの層が選択されているかにかかわらず、コンターは表示されます。
層がどのように表示されるかをコントロールするオプションには、以下のものがあります:
Max
各エンティティについての層の最大値を表示します(最大引張応力または最小圧縮応力)。
Min
各エンティティについての層の最小値を表示します。
Extreme
各エンティティについての層の最大絶対値を表示します。
Section Point 1 (SNEG, bottom)
シェル要素のレイヤー1の結果。
Section Point 5 (SPOS, top)
シェル要素のレイヤー5の結果。
注: Section Point 1 (bottom)とSection Point 5 (top)はデフォルトで常に定義されます。HyperViewは、ODBファイルで定義されているすべての層をサポートします。
例:
  • Element 1 Lower = -20, Upper = 10
  • Element 2 Lower = -5, Upper = 30
  • Lower layer:
  • Legend Max = -5, Min = -20
  • Upper layer:
  • Legend Max = 30, Min = 10
  • Min layer:
  • Legend Max = -5, Min = -20
  • Max layer:
  • Legend Max = 30, Min = 10
  • Extreme layer:
  • Legend Max = 30, Min = -20
Use corner data
コーナーデータが存在すると、Use corner dataオプションが有効になります。このオプションをアクティブにすると、各要素に存在するコーナー結果がHyperViewによって補間されることにより、カラーバンドが表示されます。隣接する要素の境界では結果分布の非連続性を確認することができます。
Abaqus ODBリーダーは、POSITION=INTEGRATION POINTS(デフォルト)、NODES、およびCENTROIDALでの要素結果をサポートしています。ODBファイルは、AVERAGED AT NODESをサポートしていません。Abaqus ODBは、出力リクエスト内の位置パラメータ設定にかかわらず、常に積分点の結果を提供します。
HyperViewは、Display corner dataオプションに関して、以下のようにこれらの結果をサポートしています:
“IP”サフィックスなし
例:S-Stress components (s)
  • Display corner data onがオンの場合、積分点結果は要素コーナーに外挿されます。これは、AbaqusでのPOSITION=NODESと同等です。
  • Display corner data offがオフの場合、積分点結果は要素のベース結果として平均化されます。これは、AbaqusでのPOSITION=CENTROIDALと同等です。
”IP”サフィックスあり
  • Display corner data onがオンの場合、積分点結果は最も近い要素コーナーに表示されます。
  • Display corner data offがオフの場合、積分点結果は要素のベース結果として平均化されます。
この内容を示す概略図については、1次要素2次要素をご参照ください。1D要素もご参照ください。
選択
コンタープロットを作成する前に、モデルから1つまたは複数のエンティティを選択する必要があります。そのためには、画面でエンティティを直接選択するか、クィックウィンドウ選択を使用するか、Elements入力コレクターまたはComponents入力コレクターをクリックして拡張エンティティ選択メニューを使用します。何も選択しなかった場合は、表示されているコンポーネントまたは要素にデフォルトでコンターが適用されます。
Resolved in
Resolved inドロップダウンメニューでは、結果のコンター表示に使用する結果座標系を選択できます。使用可能なオプションは、その時点でのAveraging methodの選択によって異なります。選択できる座標系として、解析座標系、要素座標系、グローバル座標系、ユーザー定義の座標系があります。System入力コレクターは、User Systemが選択されている際に使用可能となります。
Abaqusのパートは、Supported Tensor Resultsに記載されているガイドラインに従って書き込まれます。
Global System
結果を全体座標系に変換します。
(proj: none)は、シェルの投影ルールが選択されていないことを示しています。投影ルールが選択されている場合(Projection Rule...ボタンを使用)、proj: y, xのように表示されます。
Elemental System
結果を要素座標系に変換します。HyperViewでは、要素座標系は要素の結合性によって定義されます。Abaqusの要素座標系とは異なりますが、Nastranの要素座標系とは似ています。
Analysis System
結果ファイルで定義された、各要素に関連付けられている座標系に、結果を変換します。Abaqus内のすべての結果には独自の座標系があり、これは時間の経過に伴って変化する可能性があるため、結果にHyperViewの解析座標系として入力することはできません。したがって、解析座標系オプションはAbaqusの結果には適用できず、グローバル座標系と同等です。
User System
結果をユーザー定義の座標系に変換します。
このオプションは、結果ファイルまたはモデルファイルにユーザー定義の座標系が含まれている場合に使用可能になります。IDで座標系を選択するには、System input collectorをクリックします。画面から座標系を選択することもできます。
(proj: none)は、シェルの投影ルールが選択されていないことを示しています。投影ルールが選択されている場合(Projection Rule...ボタンを使用)、proj: y, xのように表示されます。
Projection Rule
Abaqusで、Xが主軸として使用され、Zが2次軸として使用されます。
Averaging method
平均化手法は使用されません。要素ベースの結果、重心結果のソリッド色、または要素内の複数のカラーバンドに色が表示されます。
None
Simple
テンソルおよびベクトル成分が抽出され、節点を通る要素(またはコーナー結果)の値が単純に平均化されて節点に適用されます。
このオプションは、Abaqus/Viewerの“compute scalars before averaging”オプションと同等です。
Advanced
テンソル結果やベクトル結果が同一の一貫した座標系に変換された後、各成分が別々に平均化されて平均のテンソルまたはベクトルが求められます。インバリアントは、この平均化されたテンソルまたはベクトルから計算されます。
このオプションは、Abaqus/Viewerの“compute scalars after averaging”オプションに類似しています。
Difference
1つの節点における最大コーナー結果と最小コーナー結果の差。
Use variation (%)
1つの節点において、選択されたコンポーネント内の全節点からの値に対して対応するコーナー値との相対差。
このオプションは、Abaqus/Viewerの“averaging threshold (%)”オプションと同等ですが、HyperViewの基準は異なります。
情報を入力すると、以下のオプションが自動的にモデルに適用されます。
Display Options
以下の表示オプションによって、コンターカラーの表示状態を変更できます。
Discrete color
コンターレベル間にはっきりした境界を有する分離したカラーバンドを作成します。このオプションは、ユーザーのグラフィックスカード内のテキスチャーマッピング機能を用います。ユーザーのグラフィックスカードがテキスチャーマッピングをサポートしていない場合、パフォーマンスは落ちることがあります。
Show feature lines
表示されているコンポーネントのフィーチャーラインを表示します。目的のフィーチャー角度は、ToolsメニューからOptionsダイアログを開き、Visualizationタブで設定することができます。
Interpolate colors
変形されていない形状(値がゼロ)から結果値までの色を補間してグラデーション表示します。Interpolate colorsを選択しない場合、コンターカラーはすべてのフレームについて同じままとなります。これは、モーダルおよびスタティックアニメーションのみに適用されます。
Legend threshold
Max
コンタープロット内の最も大きい値の色に割り当てられる値を入力します。この値を適用するには、Maxチェックボックスをアクティブにします。
新しい値は、Edit LegendダイアログのValuesセクションでも変更できます。
Maxに入力された値が無効の場合は適用されず、パネルは実際の状態を反映するよう更新されます。
Min
コンタープロット内の最も小さい値の色に割り当てられる値を入力します。この値を適用するには、Minチェックボックスをアクティブにします。
新しい値は、Edit LegendダイアログのValuesセクションでも変更できます。
Minに入力された値が無効の場合は適用されず、パネルは実際の状態を反映するよう更新されます。
Multiplier
すべての結果値をスケーリングするための乗数を入力します。
Edit Legend
凡例のプロパティを変更できるEdit Legendダイアログを開きます。
Result display control
以下のオプションを使用して、結果の表示を操作できます。
Overlay result display
コンター結果、テンソル結果、ベクトル結果を同じウィンドウ内に重ねて表示します。すべての結果が同時に表示される場合、使用可能なメモリ量が影響を受けることがあります。
Clear Contour
コンターをクリアして、モデルを元の状態に戻します。
Query Results
Queryパネルが開きます。このパネルでは、アクティブモデルに含まれる節点、要素、コンポーネントおよびシステムに関するプロパティやその他の情報を確認したりエクスポートすることが可能です。