Kinematic Drapeの制限事項
ドレーピングシミュレーション手法にはいくつかの制限事項があります。
- ドレーピングするプライはスムーズな形状であることが必要です。鋭角のエッジや角があると、ドレーピングのプロセスに使用できないサーフェスが生成される可能性が高くなります。
- ドレーピング要素のサーフェスは、プライ形状の節点から作成されます。線形シェル(CQUAD4とTRIA3)要素のみがサポートされています。高次元要素の場合は、エラーメッセージ“ply does not form single surface”が出力されます。
- プライ形状は“接続されている”必要があります。島のように切り離された要素は使用できません。ただし、プライ形状は複数のセットから構成できます。
- チューブのような連続的な形状にはドレーピングを適用できません。チューブの一方の端は外部境界として識別され、他方の端は内部の穴として識別されます。モデルのエッジが見つかるまでは主要なドレーピングパスが定義されます。連続的な形状では、この停止条件が成立せず、主要なドレーピングパスが互いに交差することや、FEメッシュからのサーフェス作成が失敗することがあります。
- このドレーピング手順によって、プライの機械的プロパティが変化することはありません。直交異方性の材料では、当初はその直交異方性が維持されます。マップされた材料方向と材料の横断方向が直交していることが前提となります。
- 繊維の滑りは、固定限界を超えた後で発生する現象なので、変形の程度が比較的大きくならないと検知できません。ドレーピング手法では、繊維の滑りが考慮されません。
- プライの外部境界には、狭いギャップを設置できません。ギャップのサイズをドレーピング要素サイズの2倍以上とすることをお勧めします。
- シードポイントとドレーピング方向を適切に選択する必要があります。つまり、主要なドレーピングパス方向にきわめて不安定な形状の使用は避けるようにします。
- シードポイントはプライの内部に配置する必要があります。
- 一度にドレーピングできるプライは1つのみです。
- メッシュ品質が低いと、サーフェスの作成が失敗します。エラーメッセージ“Draping stopped, unspecified error”が表示されます。問題が発生した領域の隣でドレーピングが停止するので、その場所を特定できます。
- 穴を覆うドレーピングが可能です。ただし、穴の形状が複雑な場合は、その穴の位置でのサーフェス作成が不完全になることがあります。この問題に対処するには、スプラインサーフェスで穴を埋め、その一時的なプライをドレーピングして、元のプライにドレーピング結果をインポートします。