閉電気ループ: 電気的接続性の問題(3D)
概要
ここでは、スカラーモデル(自動定式化)による3D問題での“閉電気ループ”の記述について説明します。
計算の原理に関する留意事項
Transient Magneticアプリケーションで方程式を解くために、次の2つのモデルが用意されています:
- ベクトルポテンシャルを使用するベクトルモデル
- スカラーポテンシャルを使用するスカラーモデル
スカラーモデル(自動定式化)では、有限要素法によって解く方程式はありません。問題の各領域には、固有の定式化が存在し、必然的に固有の方程式が存在します。したがって、領域間には境界が存在し、これにより定式化の結合が存在します。
接続性の問題
異なる電位間の結合は、そのような電位間の結合を許容する仮説がもはや有効ではないという意味で、禁止される場合があります。これは、接続性の問題を表します。
電気的接続性の問題
この電気的接続性の問題は、穴のある導体部分(リング形状のソリッド導体、穴の開いた導体平板など)のモデル化の際に生じます。
より正確には、これは次の図に示す条件で生じます。
解決策: 切断面の概念
この問題を克服するには、導体の切断面を作成する必要があります。これが、スカラーポテンシャルの飛躍を意味する“数学的切断面”です。
実際には、切断面は次のエンティティを使用してモデル化されます:
電気ループの切断面エンティティ
対称性と周期性
導体が周期面または対称面で切断される場合は、切断面を追加する必要はありません。
例
次の図にさまざまな状況を示します。
- 接続性の問題を表す例
穴のある導体
- 接続性の問題がない例
穴のない導体
穴はあるが、電気ループが閉じていない(空僚)導体
特殊なケース
外部回路によって提供される閉じたソリッド導体の特殊なケースでは、電気ループの切断面を追加する必要はありません。
“閉”ソリッド導体には、幾何学的観点から“重ね合わされた”電気端子が付いています。
同じ形状フェイスがソリッド導体の2つの端子に対応し、切断面の役割を果たします。