アクティブなソリッド導体(3D)の記述

分類

一般的な手法では、次の2種類のアクティブなソリッド導体を扱うことができます:

  • “開いた”ソリッド導体(U字形やE字形など)
  • “閉じた”ソリッド導体(トロイダル形状など)

これらの導体について以下で簡単に説明し、以降の各パラグラフで詳しく説明します。

“開いた”ソリッド導体

“開いた”ソリッド導体は、任意の形状を持つ導体です(以下の図の例をご参照ください)

重要: ソリッド導体に用意する電気端子は、ドメイン(対称面または周期性を持つ平面)のエッジ上に配置する必要があります。

«閉じた»ソリッド導体

現実には“閉じた”ソリッド導体は存在しません。電気回路に接続するには導体を切断する必要があります(以下の図をご参照ください)。

Flux 3Dでは、2つの電気端子を短絡しないように重ね合わせて“閉じた”ソリッド導体をモデル化できます。

幾何学的観点からすると、“閉じた”ソリッド導体は“重ね合わせた”電気端子を備えています。同じ形状フェイスが、ソリッド導体の2つの端子に相当します。

現実の導体 Flux 3Dの閉じたソリッド導体

電流の方向

電流の方向は次のように設定します:

  • 開いた導体の場合は、電流の流入フェイスから流出フェイスへの方向
  • 閉じた導体の場合は

    方向線の方向

3Dソリッド導体領域での渦電流の無効化

静磁界アプリケーションでは、Flux 2D、Flux 3D、Flux Skewのいずれでもソリッド導体領域を使用できません。

ただし、Flux 3Dでは、TransientアプリケーションまたはSteady State ACアプリケーションで有限要素定式によって予測される誘導電流成分の評価を無効にすることにより、直流電流が流れる導体の挙動をソリッド導体領域で模倣できます。誘導電流成分の評価を無効にするには、ソリッド導体領域を作成するときに、Eddy currents not considered during the solving process (only DC current)オプションをチェックします。その結果、このオプションを使用すると、表皮効果と近接効果が解で考慮されなくなります。

3Dソリッド導体領域で渦電流を無効化すると、大規模プロジェクトにおける総解析時間を大幅に短縮できます。ただし、評価結果に確実に影響が出るため、このオプションは慎重に使用する必要があります。