陰解法解析のアクティブ化

Radioss陰解法解析の起動のために必要なキーワードはEngineファイルで定義され、/IMPLで始まります。

唯一の例外は、モード解析実行のための/EIGで、Radioss Starterで定義されます。ほとんどのRadioss出力項目は陰解法と陽解法の解析で同じ意味を持ちます。

静的問題では、時間ステップが用いられます。これは物理的な意味は持たず、荷重と変位の増分を定義するためだけに使われます。即ち、ここでのサイクル番号が増分番号に対応します。

そのため、Engine入力ファイルの変更は最小限となっています。たとえば、/PRINT(例: /PRINT/-1はそれぞれの増分ごとに出力)と他の出力ファイルの出力頻度などの出力に、大きな時間ステップが用いられたものとして評価します。
注: 以下のセクションでアスタリスク (*) の印が付いたものは必要な項目です。

線形解析

線形解析で基本的なキーワードは:
  1. 線形静解析:

    */IMPL/LINEAR: 線形系解析の計算

    /IMPL/SOLVER/n: 線形ソルバーの手法、ここでnはソルバーのタイプ

    /IMPL/PRINT/LINEAR/Nprint: 線形反復の出力頻度

    出力間隔のキーワードは主として反復ソルバー(または混合法)のために用いられます。直接法ソルバーと共に用いられた場合、相対残差が出力されます。

    /IMPL/LINEAR/INTER: 単純な2ステップ線形アプローチを通して、線形解析で接触を考慮することもできます。最初の線形ステップで貫通を評価し、続く線形の第2のステップでインターフェース反力スプリングを生成します。

  2. 線形準-静的解析:

    */IMPL/QSTAT: 準-静的解析

    /IMPL/QSTAT/DTSCAL: 内部剛性を付加するスケールファクター

    /IMPL/QSTAT/DTSCAL/IMPL/LINEAR/INTERと共に用いられた場合、スケーリングファクターは第2ステップにのみ作用されます。

  3. Euler座屈:

    */IMPL/BUCKL: Euler座屈モード

    */IMPL/LINEAR:線形系解析の計算

/IMPL/BUCKL/1になり、Lanczosソルバー(BCSLIB-EXT)が座屈モード抽出に使用されます。リスタートからの座屈や、プリストレス状態での座屈も (キーワード /IMPL/BUCKL/2で)可能です。

アニメーション出力ファイル(*Annn)は、座屈解析の場合は特別です。それぞれのファイルは1つの座屈モードを含みます(ここで限界荷重が時間の値として表示されます)。座屈解析の前に線形計算が行われた場合、最初の2つのアニメーションファイル(*A001*A002)は線形構造計算の結果を含み、座屈モードは3番目のアニメーションファイル(*A003)から始まります。

非線形解析

陰解法の非線形解析では反復計算が必要になります。通常、シミュレーションは非線形性を取り扱うためにいくつかの増分(ステップ)に分割され、これらは時間ステップコントロールで表現されます。

非線形ソルバー(Newton法に基づいた手法)がそれぞれのステップで更新された形状(大変位、大ひずみ)でのつり合い力を見つけるのに用いられます。

2タイプの制御パラメータを用いる必要があります。
  • 非線形ソルバー(/IMPL/NONLIN/nを用いて)
  • ステップ(/IMPL/DT/n/IMPL/DTINI、および/IMPL/DT/STOPを用いて)

非線形解析の基本的なキーワード:

*/IMPL/NONLIN/n: 非線形ソルバーの手法、ここでnは非線形ソルバーのタイプ

/IMPL/SOLVER/n:線形ソルバーの手法、ここでnは線形ソルバーのタイプ

/IMPL/PRINT/NONLIN/Nprint: 非線形反復の出力間隔

*/IMPL/DT/n: 時間ステップコントロール、ここでnは時間ステップコントロールの手法

*/IMPL/DTINI: 初期時間ステップ

/IMPL/DT/STOP: 最小-最大時間ステップの値

/IMPL/QSTAT: 準-静的陰解法解析

/IMPL/SPRBACK: スプリングバック計算