トラブルシューティング

Radiossが以下のエラーメッセージで止まった場合:

このエラーメッセージが出力された時、2つのケースが考えられます。
STIFFNESS MATRIX IS NOT DEFINITE
  1. 剛性マトリックス [ K ] = [ K0 ] + [ Kg ] (幾何剛性)が正定値でない。これはある自由度において剛性マトリックスがゼロである時(例えば、スプリングタイプ8の回転自由度の1つがゼロ)、または材料の弾性定数が小さすぎる(モデルで用いられている単位系の一貫性のなさにしばしば関係します)に起こり得ます。
  2. 境界条件が与えられた後でもなお、モデルに剛体モードが残っている。これは、このエラーでより一般的な原因です。例としては、接触インターフェースのみで結合された2つのパートや、3自由度のソリッド要素に結合された6自由度スプリング等があります。

    シミュレーションは陰解法の解法部分(逆行列)で失敗します、これは反復(PCG)ソルバーでも同じです。

    以降では、RADIOSS最初のケースではこれらの自由度を自動的に拘束します(詳しくはRadioss Engine Input を参照してください)。

    2番目のケースで剛体モードをチェックするには、以下のいずれかの方法で実行します:
    • モデルチェック(Engine入力ファイルの/IMPL/CHECKを使用)このチェックの結果は、*n.outにリストされます。
    • 十分に大きな時間ステップを指定した線形準-静的解析(直接法ソルバーが向いています)。アニメーションファイルを確認することにより、自由パートを見つけることができます。
以下はこのような剛体モードを消すために可能ないくつかの回避策です:
  • 人工的なスプリング(小さな剛性の)で自由パートを結合する。
  • 自由パート間にインターフェースが定義されている場合には、接触に若干の初期貫通を与える。
  • 準-静的解析を実行する。
次のエラーメッセージはモデルに荷重が定義されていない場合や、非線形解析の最初に時間ステップの間で荷重が0の場合に起こります。
IMPLICIT STOPPED DUE TO LOADING DATA
実行は以下のRadiossメッセージとともに停止されます:
**RADIOSS IMPLICIT STOPPED DUE TO LOADING DATA** 
ISTOP =       0
推奨される回避策は:
  1. モデルの荷重をチェックする。
  2. 初期時間ステップを増やす。
  3. 荷重が接触によるものの場合には若干の初期貫通を与える。
次のエラーメッセージが表示された場合:
TIMESTEP REDUCED DUE TO DE-ACTIVATION
接触のある非線形シミュレーションでは以下のワーニングが出力されることがあります:
**TIMESTEP WILL BE REDUCED TO AVOID DE-ACTIVATION IN INTERFACE**: 14
このような場合、Radiossは、時間ステップを減少させて反復をリスタートしますが、結局、その時間ステップが事前定義の最小値にまで落ち込んだ場合には、実行は失敗します。これは通常、インターフェースタイプ11(エッジとエッジの接触)における小さなギャップの時に見られます。
** ERROR : RADIOSS IMPLICIT STOPPED DUE TO MODELING DATA **
     ISTOP=      -1

このメッセージは通常、別のモデリングエラーメッセージに続いて表示されます: "STIFFNESS MATRIX IS NOT DEFINITE", "...TOO LARGE ENERGY VALUE".

多くの場合、拘束条件に関するものであるか、時間ステップが大きすぎることを示しています。
**ERROR: RADIOSS IMPLICIT STOPPED DUE TO TIMESTEP LIMIT**
    ISTOP =      -2

時間ステップが入力の最小時間ステップより小さい場合(/IMPL/DT/STOPを参照)、Radiossは、このメッセージを出力し、実行を停止します。

原因は一般的に収束性の問題(DT_min)で、DT_minが既に十分に小さかったかどうかです。以下に概説するように、収束性の問題については一般的な回避策はありません:
  1. outファイルに出力を追加し(/PRINT/nn=1に設定、あるいは/IMPL/PRINT/NONLIN/n n=1に設定するなど)、エラーの原因を解析します。
  2. モデル、拘束条件、材料、接触インターフェースの定義などをチェックします。
  3. エラーが不安定性が原因で発生した場合は、スナップスルータイプのシミュレーションについては /IMPL/DT/3 (Riks法)、一般的な不安定性の問題については /IMPL/QSTATを試します。
  4. 可能であれば、他の収束判定基準に切り替えるか(Itol/IMPL/NONLIN内を参照)または許容値を緩めます。
  5. /IMPL/NONL/SMDISPを試し、問題が幾何学的非線形から発生しているかどうかを確認します。
IMPLICIT STOPPED DUE TO SOLVER ERROR
実行は以下のRadiossメッセージとともに停止されます:
"**ERROR: RADIOSS IMPLICIT STOPPED DUE TO SOLVER ERROR** 
     ISTOP =      -4"
推奨される2つの回避策は:
  1. /IMPL/SOLVERで使用されているソルバー手法を確認します。SMP実行で直接ソルバー(BCS)が使用されていますか?その場合は、別のソルバー手法を使用してください。
  2. このほかによく見られるのが、モデルが比較的大きいのに対し、使用可能な空きディスクスペースが十分でない場合です。この場合、作業スペースの空きボリューム(./の、TMPDIRが定義されている場合)を確認します。問題がメモリ管理で発生した場合は、 Radiossに強制的にout-of-core解法(/IMPL/SBCS/OUTCOREを使用させることもできます。

上記の回避策を実行してもこのエラーが解決しない場合は、Altair Simulationサポートチームにご連絡ください。

BCSまたは混合ソルバー(BCSを使用する)を使用していた場合は、実行されているシェルの画面にBCSエラーIDが出力されるため、このIDをサポートチームに報告してください。