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/MAT/LAW71

ブロックフォーマットのキーワード この材料則は超弾性材料の挙動を記述します。この材料則を使用して、ニチノールなどの形状記憶合金の挙動をモデル化できます。

これらの材料の特徴は、大きな変形が発生しても除荷するとすべてのひずみが回復する点にあります。また、これらの材料は、載荷と除荷の完全なサイクルにおいてヒステリシス応答を示します。この完全回復は、微細構造の相変化に起因しています。このモデルは、1997年のAuricchioらの研究に基づいています。この材料則は、ソリッド要素およびシェル要素と適合性があります。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MAT/LAW71/mat_ID/unit_ID
mat_title
ρi                
E υ E_mart        
σASS σASF σSAS σSAF α
EpsL CAS CSA TS_AS TF_AS
TS_SA TF_SA Cp Tini  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
mat_title 材料のタイトル

(文字、最大100文字)

 
ρi 初期密度

(実数)

[kgm3]
E ヤング率

(実数)

[Pa]
υ ポアソン比

(実数)

 
E_mart マルテンサイトヤング率

デフォルト = 0.0(実数)

[Pa]
σASS オーステナイトからマルテンサイトへの相変態(AS)の開始を定義する材料パラメータ。 1

(実数)

[Pa]
σASF オーステナイトからマルテンサイトへの相変態(AS)の終了を定義する材料パラメータ。 1

(実数)

[Pa]
σSAS マルテンサイトからオーステナイトへの相変態(SA)の開始を定義する材料パラメータ。 1

(実数)

[Pa]
σSAF マルテンサイトからオーステナイトへの相変態(SA)の終了を定義する材料パラメータ。 1

(実数)

[Pa]
α 引張と圧縮での応答の違いを評価する材料パラメータ。

デフォルト = 0(実数)

 
EpsL 最大残留ひずみ 2

(実数)

 
CAS 載荷中の温度に対する応力の比率。

デフォルト = 0(実数)

[PaK]
CSA 除荷中の温度に対する応力の比率。

デフォルト = 0(実数)

[PaK]
TS_AS 変態(AS)の開始の基準温度。

デフォルト = 298K(実数)

[K]
TF_AS 変態(AS)の終了の基準温度。

デフォルト = 298K(実数)

[K]
TS_SA 変態(SA)の開始の基準温度。

デフォルト = 298K(実数)

[K]
TF_SA 変態(SA)の終了の基準温度。

デフォルト = 298K(実数)

[K]
Cp 比熱容量。

デフォルト = 1030(実数)

[JkgK]
Tini 初期温度。

デフォルト = 360K(実数)

[K]

#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/1
unit for mat
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. MATERIALS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/MAT/LAW71/1/1
metal
#              RHO_I
             6.50E-9
#                  E                  Nu              E_mart
               62500                  .3               51000
#           sig_AS_s            sig_AS_f            sig_SA_s            sig_SA_f              alpha
                 450                 600                 300                 200                0.20
#               EpsL                 CAS                 CSA               TS_AS               TF_AS
               0.045                   1                   1                 383                 343
#              TS_SA               TF_SA                  CP                TINI
                 363                 403                 837                 360
#ENDDATA
/END
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. E_mart=0の場合、ヤング率は、一定であり、Eに等しく、材料の相分率に依存しないと見なされます。
  2. 相変態の開始と終了を定義するさまざまな応力 σSAS σASF σSAS および σSAF は、残留ひずみと並んで、単軸の引張テストに対応しています。

    law71_transformation
    図 1.
  3. パラメータ α は、以下の関係の引張 (σASS)T および圧縮 (σASS)C におけるオーステナイトからマルテンサイトへの相変態の初期値から計算されます。(1)
    α=23(σASS)C(σASS)T(σASS)C+(σASS)T
  4. Drücker-Pragerタイプの載荷関数 F は、応力偏差 s 、圧力 p および温度を使用して導入されます。(2)
    F=s+3αp
    オーステナイトからマルテンサイトへの変態(A→S)またはマルテンサイトからオーステナイトへの変態(S→A)の開始点と最終点には、2つの関数が定義されています。
      (A→S) (S→A)
    変態の開始点 FASS=FRASS

    RASS=σASS(23+α)CAS(TTASS)

    FSAS=FRSAS

    RSAS=σSAS(23+α)CSA(TTSAS)

    変態の最終点 FASF=FRASF

    RASF=σASF(23+α)CAS(TTASF)

    FSAF=FRSAF

    RSAF=σSAF(23+α)CSA(TTSAF)

    条件 FASS>0

    FASF<0

    ˙F>0

    FSAS<0

    FSAF>0

    ˙F<0

    マルテンサイトの進展方程式 載荷時:

    ˙Xm=(1Xm)˙FFRASF

    除荷時:

    ˙Xm=Xm˙FFRSAF

    σASS,σASF,TASS,TASF,α,CAS,σSAS,σSAF,TSAS,TSAF,CSA は材料パラメータです。オーステナイトからマルテンサイトへの変換は、上記の条件(表内)が確認されたときに行われます。

  5. アニメーション出力(/ANIM/BRICK/USRI)のリスト:
    • USR 1=マルテンサイト相の分率
    • USR 2=載荷関数
    • USR 3=除荷関数