/MONVOL/FVMBAG1

ブロックフォーマットのキーワード 有限体積法エアバッグを記述します。ここでは、使用されなくなった類似キーワード/MONVOL/FVMBAG(廃止)より柔軟な入力が可能です。

  • 個別の/MAT/GASカードで指定される気体材料
  • 個別の/PROP/INJECT1または/PROP/INJECT2カードで指定される注入気体混合物とインジェクタープロパティ
  • 指定された座標系における自動有限体積メッシング(フレームで指定)。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MONVOL/FVMBAG1/monvol_ID/unit_ID
monvol_title
surf_IDex   Hconv            
Ascalet AscaleP AscaleS AscaleA AscaleD
mat_ID       Pext T0 Iequil Ittf
インジェクタの数
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Njet                  
各インジェクタについて定義
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
inject_ID sens_ID surf_IDinj              
fct_IDvel   Fscalevel            
ベントホールと多孔繊維サーフェスの数
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Nvent Nporsurf                
Nvent個のベントホールを定義(ベントホールあたり4行)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
surf_IDv Iform Avent Bvent     vent_title
Tstart Tstop ΔPdefΔPdef ΔtPdefΔtPdef   IdtPdef
fct_IDt fct_IDP fct_IDA   Fscalet FscaleP FscaleA
fct_IDt' fct_IDP' fct_IDA'   Fscalet' FscaleP' FscaleA'
各多孔サーフェスに対して挿入
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
surf_IDps Iformps Iblockage           surface_title
Tstart Tstop ΔPdefΔPdef ΔtPdefΔtPdef    
Chemkinモデルのデータ(Iform = 2またはIformps =2の場合のみ読み出し)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
fct_IDV   FscaleV            
有限体積メッシングパラメータ
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
frame_ID kmesh Tswitch   Iswitch Pswitch    
L1 L2 L3        
Nb1 Nb2 Nb3 grbric_ID surf_IDin Iref        
Igmerg   Cgmerg Cnmerg Ptole    
qa qb Hmin ΔTscaΔTsca ΔTminΔTmin
Ilvout Nlayer Nfacmax Nppmax Ifvani          

定義

フィールド 内容 SI単位の例
monvol_ID モニター体積識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
monvol_title モニター体積のタイトル

(文字、最大100文字)

 
surf_IDex 外部サーフェス識別子 12

(整数)

 
Hconv 熱伝達係数 24

(実数)

[Wm2K][Wm2K]
Ascalet 時間ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[s][s]
AscaleP 圧力ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[Pa][Pa]
AscaleS 面積ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[m2][m2]
AscaleA 角度ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[rad][rad]
AscaleD 距離ベースの関数に対する横軸のスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[m][m]
mat_ID 初期気体材料識別子

(整数)

 
Pext 外部圧力

(実数)

[Pa][Pa]
T0 初期温度

デフォルト = 295K(実数)

[K][K]
Iequil 初期熱力学的つり合いフラグ
= 0
エアバッグに初期充填されている気体の質量は、時間ゼロにおける体積に対して決定されます。
= 1
FVMシミュレーションの開始が、インジェクタのセンサーで指定されているTTF(Tiime to Fire)にシフトされます。

(整数)

 
Ittf 時間シフトフラグ
少なくとも1つの注入センサーが指定されている場合のみアクティブ。センサーで指定されているTTFの時間に注入が開始されたときの排気オプションと空隙オプションの時間シフトを決定します。
= 0(デフォルト)
=1および2
廃止
=3
すべてのオプションをシフト 8

(整数)

 
Njet インジェクタの数

(整数)

 
inject_ID インジェクタプロパティ識別子

(整数)

 
sens_ID センサーの識別子

(整数)

 
surf_IDinj インジェクタサーフェス識別子(インジェクタごとに異なる必要がある)

(整数)

 
fct_IDvel 注入気体速度識別子

(整数)

 
Fscalevel 注入気体速度スケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[ms][ms]
Nvent ベントホールの数

(整数)

 
Nporsurf 多孔サーフェスの数 15

(整数)

 
surf_IDv ベントホール領域サーフェス識別子

(整数)

 
Iform 排気の定式化 6
= 0
1に設定
= 1(デフォルト)
等エンタルピー
= 2
Chemkin
= 3
局所
= 4
等エンタルピーで気体(mat_ID)流入の可能性あり

(整数)

 
Avent ベントホール面積に対するスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

 
Bvent 衝撃を受けるベントホール面積に対するスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

 
vent_title ベントホールのタイトル

(文字、最大20文字)

 
Tstart 排気の開始時間

デフォルト = 0(実数)

[s][s]
Tstop 排気の停止時間

デフォルト = 1030(実数)

[s][s]
ΔPdefΔPdef ベントホール膜を開口する圧力差

ΔPdef=PdefPextΔPdef=PdefPext

デフォルト = 0(実数)

[Pa][Pa]
ΔtPdefΔtPdef 圧力がPdefを超えてベントホール膜が開口するまでの最短時間

デフォルト = 0(実数)

[s][s]
IdtPdef ΔPdefΔPdef に到達した場合の時間遅延フラグ:
= 0
排気をアクティブにするには、 ΔtPdefΔtPdef の累積時間の間、圧力が ΔPdefΔPdef を超える必要があります。
= 1
排気は、 ΔPdefΔPdef に到達した後、 ΔtPdefΔtPdef が経過すると、アクティブになります。

(整数)

 
fct_IDt 空隙率対時間関数識別子

(整数)

 
fct_IDP 空隙率対圧力関数識別子

(整数)

 
fct_IDA 空隙率対面積関数識別子

(整数)

 
Fscalet fct_IDtのスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleP fct_IDPのスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleA fct_IDAのスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
fct_IDt' 接触時の空隙率対時間関数識別子

(整数)

 
fct_IDP' 接触時の空隙率対圧力関数識別子

(整数)

 
fct_IDA' 接触時の空隙率対被衝撃サーフェス関数識別子

(整数)

 
Fscalet' fct_IDt'のスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleP' fct_IDP'のスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
FscaleA' fct_IDA'のスケールファクター。

デフォルト = 1.0(実数)

 
surf_IDps 多孔サーフェス識別子

(整数)

 
Iformps 空隙率定式化
= 1(デフォルト)
Bernouilli(Wang & Nefske)
= 2
Chemkin
= 3
Graefe

(整数)

 
Iblockage 接触時の漏れをブロックするフラグ(Iformps > 0)
= 0
なし
= 1
あり

(整数)

 
surface_title 多孔サーフェスのタイトル

(文字、最大20文字)

 
fct_IDV 流出速度対相対圧力関数識別子

(整数)

 
FscaleV fct_IDVに対するスケールファクター

デフォルト = 1.0(実数)

[ms][ms]
frame_ID ベクトル V1V1 V2V2 V3V3 および原点 OO の定義で使用するフレーム識別子

デフォルト = 全体フレームが使用される(整数)

 
kmesh FVMBAG自動メッシングオプション 26
grbric_ID=0の場合のみ使用:
= 1
形状の平面カットに基づく多面体エアバッグ体積メッシング
= 2
内部および外部エアバッグサーフェスを使った四面体エアバッグ体積メッシング
= 4
内部および外部エアバッグサーフェスを使った四面体エアバッグ体積メッシングとRadiossフォーマットの生成されたテトラメッシュの出力
= 12
内部および外部エアバッグサーフェスを使った四面体エアバッグ体積メッシング(HyperMeshテトラメッシャー)
= 14
内部および外部エアバッグサーフェスを使った四面体エアバッグ体積メッシング(HyperMeshテトラメッシャー)テトラメッシュは、ファイルにRadiossフォーマットで出力されます。

(整数)

 
Tswitch FVMからUP(均等圧力)定式化に切り替わるためのエアバッグの始動時間後の時間量。 31

デフォルト = 1e30 (実数)

[s][s]
Iswitch FVMからUPに切り替わるためのフラグ
= 0(デフォルト)
均等圧力に切り替わりません有限体積法が使用されます。
= 1
PswitchまたはTswitch基準に達した際に、均一の圧力に切り替わります。
= 2
PswitchまたはTswitch基準に達した際に、単一有限体積に切り替わります。

(整数)

 
Pswitch FVMからUPへの切り替えをもたらすFV標準偏差圧力の平均圧力に対する割合。 33

デフォルト = 0.0(実数)

 
L1 長さL1

(実数)

[m][m]
L2 長さL2

(実数)

[m][m]
L3 長さL3

(実数)

[m][m]
Nb1 方向1における有限体積の数

デフォルト = 1(整数)

 
Nb2 方向2における有限体積の数

デフォルト = 1(整数)

 
Nb3 方向3における有限体積の数

デフォルト = 1(整数)

 
grbric_ID ユーザー定義のソリッドグループの識別子

(整数)

 
surf_IDin 内部サーフェス識別子 27

(整数)

 
Iref 参照ジオメトリ上に自動FVMメッシュを適用するためのフラグ。kmesh=1の場合のみ使用 25
= 0(デフォルト)
折りたたまれたエアバッグをメッシングに使用
= 1
参照エアバッグをメッシングに使用

(整数)

 
Igmerg 全体結合定式化のフラグ 20
= 1(デフォルト)
結合に現在の平均体積を使用
= 2
結合に初期平均体積を使用

(整数)

 
Cgmerg 全体結合の係数 20

(実数)

 
Cnmerg 近傍結合の係数 20

(実数)

 
Ptole 有限体積識別用の許容値

デフォルト = 10-5(実数)

 
qa 2次体積粘性。

デフォルト = 0.0(実数)

 
qb 線形体積粘性。

デフォルト = 0.0(実数)

 
Hmin 浸透性を有する三角形の最小の高さ 22

(実数)

[m][m]
ΔTscaΔTsca エアバッグタイムステップのスケールファクター

Engineで/DT/FVMBAGを使用すると、この値を無効にします。

デフォルト = 0.9

 
ΔTminΔTmin エアバッグに対する最小時間ステップ。

Engineで/DT/FVMBAGを使用すると、この値を無効にします。

 
Ilvout 出力レベル
= 0(デフォルト)
FVMエアバッグについての限られた情報が出力されます。
= 1
FVMについて可能な情報すべてが出力されます。

(整数)

 
Nlayer V3V3 方向に折りたたまれているエアバッグの層数の推定値 23

デフォルト = 10(整数)

 
Nfacmax 最初の自動メッシングステップにおける有限体積の影響を受けるエアバッグセグメントの推定最大数

デフォルト = 20(整数)

 
Nppmax 多角形の頂点の推定最大数

デフォルト = 20(整数)

 
Ifvani 有限体積のRadioss StarterアニメーションA000ファイルへの書き込みフラグ
= 0
なし
= 1
あり

(実数)

 

コメント

  1. エアバッグの外部サーフェスは、4節点シェル要素と3節点シェル要素のみで構築されている必要があります。/SURF/SEGオプションでエアバッグの外部サーフェスを定義することはできません(/SURF/SEGでサブサーフェスを定義した場合は、/SURF/SURFで定義することもできません)。
  2. 外部サーフェスは、法線が外向きの閉じたボリュームで構成される必要があります。
  3. 横軸のスケールファクターは、エアバッグ関数の横軸の単位を変換するために使用されます。たとえば:(1)
    F(t)=ft(tAscalet)
    ここで、
    t
    時間
    ft
    fct_IDの関数t
    (2)
    F(P)=fP(PAscaleP)
    ここで、
    P
    圧力
    fP
    fct_IDの関数P
    これらのオプションは廃止されています。通常は、代わりに曲線のスケーリングパラメータを使用します。
  4. エアバッグ外側の空気の圧力と温度と、エアバッグ内部の空気の初期圧力と温度は、PextおよびT0に設定されます。
  5. FVMBAG1内の気体流は有限体積を使用して求められます。

    これらの有限体積の一部は、エアバッグ内部に配置され、特定のパートまたは内部体積全体を満たしているソリッドのグループを通してユーザーが入力できます。ユーザー定義ソリッドによって離散化されていない内部体積部分がまだ存在する場合、残りの体積は自動メッシュ生成プロシージャによって生成されます。この機能を使用して、例えばキャニスターをモデル化できます。

    有限体積は、三角端面のセット内に存在します。これらの頂点は、必ずしもエアバッグの節点と一致する必要はありません。エアバッグの外皮をモデル化する場合、4節点膜または3節点膜を使用できますが、3節点膜の使用を推奨します。

    monvol_airbag-env
    図 1.

    monvol_airbag2
    図 2.
  6. ベントホールを通じた排気:

    Iform = 1の場合、通気速度は、エアバッグ内の局所圧力を使用してBernoulli式によって計算されます。

    流出速度は次の式で与えられます。(3)
    u2=2γγ1Pρ(1(PextP)γ1γ)

    質量の流出速度は次の式によって定義されます。

    Iform = 2の場合、通気速度はChemkin式によって計算されます。(4)
    v=Fscalevfv(PPext)

    ここで、 fv fct_IDvによって定義されます。

    Iform = 3の場合、通気速度は、ベントホールサーフェスに垂直な局所流体速度の成分に等しくなります。局所密度と局所エネルギーが、穴を通過する流出質量と流出エネルギーの計算に使用されます。

  7. 気体注入をアクティブ化するセンサーが存在しない場合、時間TTstartより大きくなるか、 ΔtPdef で指定された時間よりも長い時間、圧力PPdef値を超えると、ベントホールと空隙がアクティブになります。
  8. 少なくとも1つのインジェクターがセンサーでアクティブになっている場合、排気オプションと空隙オプションのアクティブ化はIttfで制御されます。

    Tinjは、センサーによって最初のインジェクターがアクティブになる時間です。

    Ittf = 0
      排気、空隙
    アクティブ化 P>ΔPdef の場合に ΔtPdef よりも長い時間、または T>Tstart
    非アクティブ化 Tstop
    時間依存関数 シフトなし
    Ittf = 3
      排気、空隙
    アクティブ化 T>Tinj および P>ΔPdef の場合、 ΔtPdef よりも長い時間、または T>Tinj+Tstart
    非アクティブ化 Tinj+Tstop
    時間依存関数 右記によってシフト; Tinj+Tstart

    関連する他のすべての曲線は、対応する排気、空隙、または連結のオプションがアクティブな場合にアクティブになります。

    Ittfの値の多様性は、これまでの経緯に起因しています。Ittf =1および 2の値は廃止されているので、使用しないでください。通常使用する値は、Ittf=0(シフトなし)またはIttf=3(関連するすべてのオプションがTinjだけシフト)です。

  9. surf_IDv0surf_IDvが定義されている)の場合、ベントホール面積は次のように計算されます:(5)
    vent_holes_area =AventfA(AA0)ft(t)fP(PPext)
    ここで、
    A
    サーフェスsurf_IDの面積v
    A0
    サーフェスsurf_IDの初期面積v
    ft fP fA
    fct_IDtfct_IDPおよびfct_IDの関数A
  10. ベント閉鎖がアクティブになった場合、べントホールのサーフェスは次のように計算されます:(6)
    vent_holes_area =AventAnon_impactedft(t)fP(PPext)fA(Anon_impactedA0)
    (7)
    +BventAimpactedft(t)fP(PPext)fA(AimpactedA0)
    ここで、衝撃を受けるサーフェスは:(8)
    Aimpacted=eSventnc(e)n(e)Ae
    衝撃を受けないサーフェスは:(9)
    Anon_impacted=eSvent(1nc(e)n(e))Ae

    Image12
    図 3.
    ここで、ベントホールsurf_IDvの各要素eに対して、 nc(e) は、要素を定義している節点 n(e) のうち衝撃を受ける節点の数を表しています。

    A0はサーフェスsurf_IDの初期面積v

    ftfP、およびfAは、fct_IDtfct_IDP、およびfct_IDの関数。A

    ft'fP'、およびfA'は、fct_IDt'fct_IDP'、およびfct_IDの関数。A'

  11. surf_IDv = 0surf_IDvが定義されていない)(Iform=1または2)の場合、Starterエラーが出力されてRadiossが終了します。
  12. 関数fct_IDtfct_IDPを指定しなかった場合(識別子が0)、これらは1に等しいとみなされます。
  13. 関数fct_IDAは、指定されなかった場合、1であるとみなされます。
  14. ベントホールと多孔サーフェス領域の接触ブロックについては、対応するインターフェース(インターフェース/INTER/TYPE7または/INTER/TYPE23の3行目)でフラグIBAG1に設定する必要があります。そうしなかった場合は、衝撃でインターフェースに押し込まれる節点は、AimpactedAnon_impactedに関する前の式の被衝撃節点と見なされません。
  15. 空隙率定式化による漏れについて、質量の流出速度は次のように計算されます:
    • Iformps = 1 ˙mout=Aeff2PρQ1γγγ1[1Qγ1γ] (Isentropic - Wang Nefske)
    • Iformps = 2 ˙mout=Aeffρv(PPext)

      ここで、vは気体の流出速度(Chemkin)

    • Iformps= 3 ˙mout=Aeff2ρ(PPext) (Graefe)

    有効な排気面積Aeffは、TYPE19またはTYPE58の繊維材料に関する/LEAK/MATの入力に従って計算されます。

  16. 漏れのブロックをアクティブにすると(Iblockage=1)、有効な排気面積は次のように変更されます:(10)
    Aeff=Anon_impacted

    Anon_impacted は衝撃を受けないサーフェスです。 10

    ブロックは、関係する接触インターフェース(インターフェースTYPE7およびTYPE23の行3)において、フラグIBAG1に設定された場合にのみアクティブになります。

  17. 自動有限体積メッシングパラメータ
  18. 有限体積は2つのステップで生成されます。
    • 第1ステップでは、エアバッグの外皮上に排他的に配置された頂点が生成されます。外皮の変形に合わせて有限体積を更新したり、以下の手順に対応したりできます(分かりやすくするために2次元で表示):

      monvol_step1
      図 4.
      この手順では、方向 V3 (指定された切断方向)と方向 V1 の入力が必要です。切断方向に垂直な平面内の2つ目の方向 V2 が計算されます。 V1 V2 の両方向で有限体積を配置して、切断幅を決定するためには、原点Oだけでなく、原点から正と負の両方向でカウントされた長さLiとステップ数Niも指定する必要があります。カッティング幅は次のように与えられます:(11)
      Wi=2LiNi

      原点Oおよび長さLi(Oからの正方向と負方向の両方を含む)によって水平面( V3 に対して垂直)内に描かれるボックスには、水平面に投影されたメッシュにその体積の外皮の境界ボックスが含まれている必要があります。これは、この体積全体が有限体積に分割されることを保証するために必要です。

    • 第2ステップでは、有限体積の水平切断が実行されますが、堅く折りたたまれたエアバッグの場合はほとんど役に立たない可能性があります。この作業は、特に、エアバッグを広げる前に注入気体によって満たされたキャニスター内で注入を行う場合に必要です。
    この第2ステップでは、エアバッグ内部に配置された頂点が生成される場合があります。エアバッグの膨張に合わせて頂点を移動するために、エアバッグの外皮上に配置された2つの頂点間の垂直セグメント(方向 V3 と並行)にそれぞれの頂点が取り付けられます(図 4)。その参照セグメント内部の頂点の局所座標は、膨張プロセスを通して一定に保たれます。

    monvol_fvmbag
    図 5.
    水平切断幅は次の式で与えられます:(12)
    W3=2L3N3

    原点Oおよび長さL3(正方向と負方向の両方を含む)によって V3 方向に与えられるセグメントには、 V3 方向のメッシュ投影に体積の外皮の境界ボックスが含まれる必要はありません。これは、2番目のステップでは既存の有限体積のみがカットされるためです。

  19. 自動メッシングに実際に使用されるベクトル V1 は、ベクトル V3 に対して入力ベクトルが直交化されたあとで取得されます。
  20. エアバッグの膨張プロセス中に有限体積がエラーになる(体積が負の内部質量になるか、エネルギーが負になる)場合は、計算を継続するために、その近傍のいずれかと結合されます。次の2つの結合アプローチが使用されます。
    • 全体結合: 有限体積は、その体積がすべての有限体積の平均体積に特定の係数をかけた値より小さくなった場合に結合されます。フラグIgmergは、平均体積として現在の平均体積を使用するか(Igmerg =1)、初期平均体積を使用するか(Igmerg =2)を指定します。平均体積から最小体積を求めるための係数は、Cgmergです。
    • 近傍結合: 有限体積は、その体積が近傍の平均体積に特定の係数をかけた値より小さくなった場合に結合されます。平均体積から最小体積を求めるための係数は、Cnmergです。
  21. CgmergCnmergの両方が0でない場合は、両方の結合アプローチが同時に使用されることを意味します。強い衝撃を与える場合は、qa = 1.1およびqb = 0.05を設定することを推奨します。
  22. 2層の布が物理的に接触している場合は、有限体積間に流れが発生しないはずです。インターフェースギャップが原因で数値的にはこのようになりません。Hmin は、浸透性を有する三角面の最小の高さを表しています。この値よりも小さい三角面は、不浸透性を有します。その値は、エアバッグのセルフ接触インターフェースのギャップに近づける必要があります。
  23. NlayerNfacmaxNppmaxは、有限体積作成プロセスを支援するメモリパラメータです。これらの値を変更しても、計算が停止することはありません。値を増やすと、自動メッシングのためのメモリ量が増え、計算時間が短縮されます。
  24. 有限体積作成プロセスでは、最初に、平面多角形が作成され、その後で、閉じた多面体に組み立てられ、三角端面に分解されます。Nppmax は、これらの多角形に含まれる頂点の最大数です。
  25. 参照形状に基づく自動有限体積メッシングは、フラグIref=1でアクティブにできます。これは//REFSTA/XREFに基づいた参照形状にのみ働きます。結合解除された参照形状/EREFが使用された場合、このフラグはサポートされません。Iref=1の場合、自動メッシングのフレーム定義では、折りたたまれていない参照形状を参照する必要があります。
  26. オプションkmeshは、内部エアバッグ体積のFVMメッシングのタイプをコントロールします。2017.2以前は、多面体メッシング法kmesh =1がデフォルトの手法でした。grbric_ID ≠ 0の場合、kmeshは無視され、テトラFVMメッシュがユーザーにより指定されます。
  27. 内部サーフェスまたはバッフルをモニター体積内の気体流れの障害物として考慮に用いるには、サーフェスsurf_IDinを使用します。内部サーフェスは、モニター体積が不規則多面体で自動的にメッシュ化されている場合、またはモニター体積の外部および内部サーフェス節点と一致する節点があるTETRA4(HEXAおよびPENTAの場合もあります)のように、モニター体積がソリッド要素で満たされている場合のみ、FVMで考慮されます(これらのソリッドはgrbrick_IDで定義する必要があります)。材料モデルがLAW19またはLAW58の内部サーフェス繊維にのみ、空隙率を、0(空隙率なし)から1(空隙率完全)(ベント)の範囲で適用できます。気体流の方向が内部サーフェスの法線方向と反対の場合は、内部サーフェス上でインジェクターサーフェスも定義できます。
  28. 失われた熱流量は次の式によって定義されます:(13)
    ˙Q(x,t)=HconvArea(x,t)(T(x,t)T0)
  29. ベントホールのサーフェスの要素(surf_IDv)がインジェクター(surf_IDinj)に属している場合、この要素はベントホールから無視されます。t = 0の時点で計算される定数の補正係数fがベントホールのサーフェス全体に適用されます:(14)
    f=SventSventSinjector
  30. 多孔サーフェスの要素もインジェクタ(surf_IDinj)に属している場合、この要素は多孔サーフェスから無視されます。
  31. Tswitchを均等圧力に切り替える時間は、始動時間に比例します。
  32. オプションIswitch=2を使用すると、有限体積が1つしか残っていない場合でも、エアバッグは常に有限体積法で計算されます。気体パラメータは、単一の有限体積に切り替える前と後で同じです。一定圧力法(Iswitch=1)に切り替えた場合、圧力または気体に多少の変動が見られる場合があります。
  33. Pswitchは、エアバッグの平均圧力に対する有限体積圧力の平均偏差の比率です。(15)
    Pswitch=SD(FV pressure)Average pressure

    この比率は、/TH/MONVOL変数UPCRITを用いて出力することができます。Pswitch は各有限体積内の圧力がエアバッグ内の平均圧力に近づくにつれてゼロに近づきます。