/MONVOL/AIRBAG1
ブロックフォーマットのキーワード 注入気体の混合入力を使用した単室型エアバッグを記述します。このキーワードは、/MONVOL/AIRBAG(廃止)に似ていますが、より柔軟な入力が可能です。
- 個別の/MAT/GASカードで指定される気体材料
- 個別の/PROP/INJECT1または/PROP/INJECT2カードで指定される注入気体混合物とインジェクタープロパティ
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
/MONVOL/AIRBAG1/monvol_ID/unit_ID | |||||||||
monvol_title | |||||||||
surf_IDex | Hconv | ||||||||
Ascalet | AscaleP | AscaleS | AscaleA | AscaleD | |||||
mat_ID | Pext | T0 | Iequil | Ittf |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Njet |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
inject_ID | sens_ID | Ijet | node_ID1 | node_ID2 | node_ID3 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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fct_IDPt | FscalePt |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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Nvent | Nporsurf |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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surf_IDv | Iform | Avent | Bvent | vent_title | |||||
Tstart | Tstop | IdtPdef | |||||||
fct_IDt | fct_IDP | fct_IDA | Fscalet | FscaleP | FscaleA | ||||
fct_IDt' | fct_IDP' | fct_IDA' | Fscalet' | FscaleP' | FscaleA' |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
fct_IDv | Fscalev |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
surf_IDps | Iformps | Iblockage | surface_title | ||||||
Tstart | Tstop | IdtPdef |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cps | Areaps | fct_IDcps | fct_IDaps | Fscalecps | Fscaleaps |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
fct_ID_psv | Fscale_psv |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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monvol_ID | モニター体積識別子 (整数、最大10桁) |
|
unit_ID | 単位識別子。 (整数、最大10桁) |
|
monvol_title | モニター体積のタイトル (文字、最大100文字) |
|
surf_IDex | 外部サーフェス識別子 (整数) |
|
Hconv | 熱伝達係数 17 (実数) |
|
Ascalet | 時間ベースの関数に対する横軸のスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
AscaleP | 圧力ベースの関数に対する横軸のスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
AscaleS | 面積ベースの関数に対する横軸のスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
AscaleA | 角度ベースの関数に対する横軸のスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
AscaleD | 距離ベースの関数に対する横軸のスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
mat_ID | 初期気体の材料識別子(/MAT/GAS) (実数) |
|
体積粘性 デフォルト = 0.01(実数) |
||
Pext | 外部圧力 (実数) |
|
T0 | 初期温度 デフォルト = 295K(実数) |
|
Iequil | 初期熱力学的つり合いフラグ
(整数) |
|
Ittf | 時間シフトフラグ 少なくとも1つの注入センサーが指定されている場合のみアクティブ。センサーで指定されているTTFの時間に注入が開始されたときの排気オプションと空隙オプションの時間シフトを決定します。
(整数) |
|
Njet | インジェクタの数 (整数) |
|
inject_ID | インジェクタプロパティ識別子 (整数) |
|
sens_ID | センサーの識別子 (整数) |
|
Ijet | ジェットフラグ
(整数) |
|
node_ID1、node_ID2、node_ID3 | ジェット形状を定義するための節点識別子N1、N2およびN3 (整数) |
|
fct_IDPt | Ijet = 1の場合:
を定義する関数の識別子番号 (整数) |
|
Ijet = 1の場合:
を定義する関数の識別子番号 (整数) |
||
Ijet = 1の場合:
を定義する関数の識別子番号 (整数) |
||
FscalePt | Ijet = 1の場合: fct_IDPtのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
Ijet = 1の場合:
のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
||
Ijet = 1の場合:
のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
||
Nvent | ベントホールの数 (整数) |
|
Nporsurf | 多孔サーフェスの数 (整数) |
|
surf_IDv | ベントホール領域サーフェス識別子 (整数) |
|
Iform | 定式化フラグ
(整数) |
|
Avent | surf_IDv ≠ 0の場合: ベントホール面積に対するスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
surf_IDv ≠ 0の場合: ベントホール面積 デフォルト = 0.0(実数) |
||
Bvent | surf_IDv ≠ 0の場合: 衝撃を受けるベントホール面積に対するスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
surf_IDv = 0の場合: Bvent ベントホール面積に対し0にリセットされます。 デフォルト = 0.0(実数) |
||
vent_title | ベントホールのタイトル (文字、最大20文字) |
|
Tstop | 排気の停止時間 デフォルト = 1030(実数) |
|
Tstart | 排気の開始時間 デフォルト = 0(実数) |
|
ベントホール膜を開口する圧力差
デフォルト = 0(実数) |
||
圧力がPdefを超えてベントホール膜が開口するまでの最短時間 デフォルト = 0(実数) |
||
IdtPdef |
に到達した場合の時間遅延フラグ:
(整数) |
|
fct_IDt | 空隙率対時間関数識別子 (整数) |
|
fct_IDp | 空隙率対圧力関数識別子 (整数) |
|
fct_IDA | 空隙率対面積関数識別子 (整数) |
|
Fscalet | fct_IDtのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
FscaleP | fct_IDpのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
FscaleA | fct_IDAのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
Ijet = 1の場合:
を定義する関数の識別子番号 (整数) |
||
FscalePt | Ijet = 1の場合: fct_IDPtのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
Ijet = 1の場合:
のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
||
Ijet = 1の場合:
のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
||
Nvent | ベントホールの数 (整数) |
|
fct_IDt' | 接触時の空隙率対時間関数識別子 (整数) |
|
fct_IDP' | 接触時の空隙率対圧力関数識別子 (整数) |
|
fct_IDA' | 接触時の空隙率対被衝撃サーフェス関数識別子 (整数) |
|
Fscalet' | fct_IDt'のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
FscaleP' | fct_IDP'のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
FscaleA' | fct_IDA'のスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
fct_IDv | 流出速度関数識別子(Chemkin モデル、Iform = 2の場合のみ) (整数) |
|
Fscalev | fct_IDvに対するスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
|
surf_IDps | 多孔サーフェス識別子(Iformps =0の場合は無視) (整数) |
|
Iformps | 空隙率定式化
(整数) |
|
Iblockage | 接触時の漏れをブロックするフラグ(Iformps > 0)
(整数) |
|
surface_title | 多孔サーフェスのタイトル (文字、最大20文字) |
|
Cps | 漏れ面積に対するスケールファクター(Iformps =0) (実数) |
|
Areaps | 漏れ面積(Iformps =0) (実数) |
|
fct_IDcps | Cps(t)を定義する関数識別子で、Cpsがゼロでない場合は無視 (整数) |
|
fct_IDaps | Areaps(P-Pext)を定義する関数識別子で、Areapsがゼロでない場合は無視 (整数) |
|
Fscalecps | fct_IDcpsのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
Fscaleaps | fct_IDapsのスケールファクター。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
fct_ID_psv | 流出速度関数識別子(Chemkin モデル、Iformps = 2の場合のみ) (整数) |
|
Fscale_psv | fct_ID_psvに対するスケールファクター デフォルト = 1.0(実数) |
コメント
- エアバッグの外部サーフェスは、4節点シェル要素と3節点シェル要素のみで構築されている必要があります。/SURF/SEGでエアバッグの外部サーフェスを定義することはできません(/SURF/SEGでサブサーフェスを定義した場合は、/SURF/SURFで定義することもできません)。
- この体積は、閉じていて法線が外向きである必要があります。
- 横軸のスケールファクターは、エアバッグ関数の横軸の単位を変換するために使用されます。たとえば:
(1) ここで、- 時間
- fct_IDの関数t
(2) ここで、- 圧力
- fct_IDの関数P
- エアバッグ外側の空気の圧力と温度と、エアバッグ内部の空気の初期圧力と温度は、PextおよびT0に設定されます。
- 時間ゼロ(Iequil =0)または噴射開始時(Iequil =1)の初期熱力学的つり合いを記述します。初期熱力学的つり合いは、時間ゼロの体積または噴射開始時の体積に対して、次の式に基づいて求めます:
(3) ここで、- エアバッグに初期充填されている気体の質量
- エアバッグに初期充填されている気体のモル質量
- BEGINカードで与えられる単位系に依存する気体定数例えば、SI単位系では次のようになります:
(4)
- ジェットを使用した場合、エアバッグの各要素に追加の
圧力がかかります:
(5) ここで、mは要素の中心をセグメント(N1とN3)上に投影したポイントから要素の中心までの正規化ベクトル、 はベクトルMN2とmの間の角度(単位は度)、 は要素の中心から、要素の中心をセグメント(N1とN3)上に投影したポイントまでの距離です。
ポイントのセグメント(N1とN3)上への投影は、ポイントをMN2の方向に向けてライン(N1とN3)上へ投影したものとして定義されます。この場合、投影先がセグメント(N1とN3)に含まれる必要があります。投影先がセグメントに含まれない場合、ポイントのセグメント(N1とN3)上への投影は、N1またはN3のうち、近い方の節点として定義されます。ここで、M はN1とN3の間
- node_ID3 = 0の場合、node_IDはnode_ID1に設定され、二面体は円錐形に減少します。
- fct_IDv = 0の場合は、等エンタルピー流出が想定されます。0でない場合はChemkinモデルが使用され、流出速度は次の式で求められます:
(6) ここで、 はfct_IDvの関数です。- 等エンタルピーモデル
放出、すなわちモニター体積からの気体の排出は等エンタルピーであると想定されます。
また、流動は衝撃がなく、大容量の容器から流出し、有効表面積Aの狭い開口部を通ると想定されます。
エンタルピー保存則から、ベントホールにおける速度uが導出されます。したがって、Bernouilli式は次のように記述されます。
(モニター体積) (ベントホール)
断熱条件を適用すると、次の式になります。
(モニター体積) (ベントホール)
ここで、 はエアバッグに流入する気体の圧力、 はエアバッグに流入する気体の密度です。
したがって、流出速度は次の式によって定義されます:(7) 超音速流れでは、流出速度はSupersonic Outlet Flow理論マニュアルの記述で決められます。
質量の流出速度は次の式によって定義されます。(8) エネルギーの流出速度は次の式によって定義されます:(9) ここで、 はエアバッグの体積、 はエアバッグに流入する気体の内部エネルギーです。
- Chemkinモデル
(10) ここで、 はエアバッグ内部の気体の密度、 はfct_IDvの関数です。
- 等エンタルピーモデル
- ベントホールの面積は、次のように計算されます:
(11) ここで、衝撃を受けるサーフェスは:(12) 衝撃を受けないサーフェスは:(13) ここで、エアバッグ材料の各要素eに対して、 は、要素を定義している 節点のうち衝撃を受ける節点の数、 は要素eの面積
また、
A0はサーフェスsurf_IDの初期面積v
、 および はfct_IDt、fct_IDPおよびfct_IDの関数A
、 および はfct_IDt'、fct_IDP'およびfct_IDの関数A'
- 関数fct_IDt''とfct_IDP'’を指定しなかった場合(識別子が0)、これらは1に等しいとみなされます。
- 関数fct_IDA'が指定されていない場合、以下のように仮定されます:
(14) - ベントホールと多孔サーフェス領域の接触ブロックについては、対応するインターフェース(インターフェースTYPE7またはTYPE23の3行目)でフラグIBAGを1に設定する必要があります。そうしなかった場合は、衝撃でインターフェースに押し込まれる節点は、AimpactedとAnon_impactedに関する前の式の被衝撃節点と見なされません。
- 気体注入をアクティブ化するセンサーが存在しない場合、時間TがTstartより大きくなるか、 で指定された時間よりも長い時間、圧力PがPdef値を超えると、ベントホール膜は収縮します。
- 少なくとも1つのインジェクターがセンサーでアクティブになっている場合、排気オプションと空隙オプションのアクティブ化はIで制御されます。ttf
Tinjは、センサーによって最初のインジェクターがアクティブになる時間です。
Ittf = 0:
排気、空隙 アクティブ化 の場合に よりも長い時間、または 非アクティブ化 Tstop 時間依存関数 シフトなし Ittf = 3:排気、空隙 アクティブ化 および の場合、 よりも長い時間、または 非アクティブ化 時間依存関数 右記によってシフト; 関連する他のすべての曲線は、対応する排気、空隙、または連結のオプションがアクティブな場合にアクティブになります。
Ittfの値の多様性は、これまでの経緯に起因しています。Ittf =1および 2の値は廃止されているので、使用しないでください。通常使用する値は、Ittf=0(シフトなし)またはIttf=3(関連するすべてのオプションがTinjだけシフト)です。
- 空隙率定式化による漏れについて、質量の流出速度は次のように計算されます:
- Iformps = 0
(Isentropic - Wang Nefske)
ここで、
また、 または
はfct_IDcpsの関数、 はfct_IDの関数aps
有効な排気面積Aeffがエアバッグの繊維材料によって変化することはありません。
Iformps > 0の場合、有効な排気面積Aeffは、TYPE19またはTYPE58の繊維材料に関する/LEAK/MATの入力に従って計算されます。
Iformps = 1 (Isentropic - Wang Nefske)
Iformps = 2ここで、 は気体の流出速度(Chemkin)
Iformps= 3 (Graefe)
- Iformps = 0
(Isentropic - Wang Nefske)
- 漏れのブロックをアクティブにすると(Iblockage=1)、有効な排気面積は次のように変更されます:
(15) Anon_impacted は衝撃を受けないサーフェスです11。
ブロックは、関係する接触インターフェース(インターフェースTYPE7およびTYPE23の行3)において、フラグIBAGが1に設定された場合にのみアクティブになります。
- 失われた熱流量は次の式によって定義されます:
(16)