RD-E:2700 サッカーのシュート

サッカーボールがゴールポストにぶつかるシミュレーション


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図 1.

これはデモ用の例題です。1976年の欧州サッカー選手権決勝戦、バイエルンミュンヘン(FC Bayern Munich)対サンテティエンヌ(AS St. Etienne)で、フランスチームの2本のシュートが敵方のゴールポストに跳ね返されました。実際、ヨーロッパの国の中でイングランドだけがゴールポストを丸いポールに置き換えておらず、このことがフランスのサポーター達に、もしゴールポストが置き換えられていたらサンテティエンヌは決勝で勝てたはずだと信じさせることになります。シミュレーションに基づき、これらの疑いに対する答えが与えられるはずですが、議論はこれからも明らかに続きます。

使用されるオプションとキーワード

  • 4-節点シェル(Q4)と3-節点シェル(T3)、弾性直交異方性シェルの繊維則
  • 注入気体の混合入力を使用した単室型エアバッグ(/MONVOL/AIRBAG1
  • センサー(/SENSOR
  • 剛体(/RWALL)(剛性円筒および剛性平行四辺形)
  • 剛体(/RBODY
  • 初速度(/INIVEL
  • 与えられた座標系での節点グループに対する並進および回転速度(/INIVEL/AXIS
  • 並進材料速度(/INIVEL/TRA
  • 節点グループに対する重力荷重(/GRAV

fig_27-1
図 2. Bathenayのシュートのボールの軌跡

fig_27-2
図 3. Santiniのヘッディングのボールの軌跡

入力ファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

モデル概要

1976年の欧州サッカー選手権決勝戦(バイエルンミュンヘン対サンテティエンヌ)で、BathenayのシュートとSantiniのヘディングが、ドイツチームのゴールの正方形断面のフレームに跳ね返されました。このデモの目的は、正方形断面と円形断面の両方のケースの影響を特定することにあります。

両方のシュートの間の違いは、発生率、速度とボールのバーへの衝撃位置(鉛直位置)です。

ボールに用いられる材料は線形弾性の直交異方性材料則(/MAT/LAW19)に従い、以下の特性を持ちます:
初期密度
2.01x10-3 [ g m m 3 ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaWaamWaaeaada WcaaqaaiaadEgaaeaacaWGTbGaamyBamaaCaaaleqabaGaaG4maaaa aaaakiaawUfacaGLDbaaaaa@3BBC@
ヤング率(方向1、2)
20000 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
せん断弾性係数(12、23、31)
10000 [ MPa ] MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqGqFfpeea0xe9vq=Jb9 vqpeea0xd9q8qiYRWxGi6xij=hbba9q8aq0=yq=He9q8qiLsFr0=vr 0=vr0db8meaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaadaWadaqaai Gac2eacaGGqbGaaiyyaaGaay5waiaaw2faaaaa@3BE6@
ポアソン比
0.29
単位: mm、ms、g、N、 MPa

fig_27-3
図 4. 問題の形状

モデリングの方法

ボールは60の3節点シェルと1420の4節点シェルでモデル化されます。要素的式化はデフォルに設定されます。表示目的のために、バーと地面も4節点シェル要素で、モデル化されますが、これらのメッシュは計算には用いられません。その代わりに、剛壁がゴールポストと地面について定義されます。

fig_27-4
図 5. ボールのメッシュ

使用されるRadiossオプション

  • ボールの全ての節点を含む1つの剛体が生成されます。これはバーに衝突する直前に非アクティブにされます。
  • 回転および並進初速が/INIVEL/AXISを用いて剛体のメイン節点に与えられます。速度は、/FRAME/FIXを用いて局所座標系で定義されます。
  • ゴールポストは、丸いポストに対しては円筒剛壁が、四角いポストに対しては2つの剛な平行四辺形が用いられます。
  • 重力荷重を用いて重力が考慮されます。
  • ボールはエアバッグとして考慮され、剛体が非アクティブ化されたときにアクティブ化されます。

複数のEngineファイルが使用されます。2つ目のEngineは、/RBODY/OFFを用いてボール剛体を非アクティブ化します。時間のアニメーション出力は1 ms毎に増やされるため、ボールがゴールにぶつかる詳細を見ることができます。3つ目のEngineファイルは、アニメーション出力を12.5 ms毎に戻します。

結果


fig_27-5
図 6. 正方形断面と円形断面へのサッカーボールの衝撃

fig_27-6
図 7. Bathenayのシュートのボールの軌跡. (それぞれ四角いバーと丸いバーへの衝撃)

fig_27-7
図 8. Santiniのヘッディングのボールの軌跡. (それぞれ四角いバーと丸いバーへの衝撃)

まとめ

衝撃の単純なモデル化を用いているにも関わらず(バーはパートの代わりに剛壁でモデル化)、正方形断面のケースの結果のシミュレーションは実際と比較した時に非常に正確な結果をもたらしています。円形断面のバーで得られた結果は、両方のシュートがゴール内に入ることを示しています。しかしながら、摩擦や回転速度といった多くの衝撃のパラメータは正方形断面ケースのキャリブレーションで推定されています。