RD-E:1900 波動伝播

鉛直に分布する荷重を受ける半空間上の弾性波の伝播

半空間上の弾性衝撃波伝播が2つの異なるアプローチで検討されます:
  • Lagrange定式化
  • ALE(Arbitrary Lagrangian Eulerian)定式化
シミュレーション結果は解析解と比較されます。2次元問題が考慮されます。

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図 1.

領域は弾性材料則プロセスの下で鉛直インパルス荷重を受けます。生成される衝撃波は縦波とせん断で構成されます。縦波が領域の下の境界に到達する予測として、結果は0.77 msを示しています。正確な波動の拡大を保証するため、ALE定式化ではサイレント境界(NRF)を用いた無限領域がモデル化されます。

使用されるオプションとキーワード

  • 2次元解析(/ANALY)、2次元ソリッド、一般ソリッド

    2次元問題が考慮されます。/ANALYで定義されるフラグN2D3Dが2にセットされます。2次元解析はX軸を平面ひずみの方向として定義します。

  • インパルス荷重、波動伝播、縦波とせん断波
  • ALEとLagrangeモデル化
  • サイレント境界(NRF)材料、無限領域
  • ALE定式化(/ALE/MAT
  • 集中荷重(/CLOAD
    与えられる鉛直荷重は集中荷重(/CLOAD)で、サイン関数の形式で振幅 F = 1 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGgbGaeyypa0JaaGymaaaa@3B63@ GPa、周期 T = 2 π E 5 s MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGubGaeyypa0JaaGOmaiabec8aWjabgEHiQiaadweadaahaaWc beqaaiabgkHiTiaaiwdaaaGccaWGZbaaaa@41C3@ です。

    rad_ex_fig_19-4a
    図 2. インパルス荷重の時間変化
  • 関数(/FUNCT
  • サイレント境界(NRF)材料LAW11(/MAT/LAW11(BOUND)
Lagrangeモデル化のための特定のオプション
境界条件:モデルの3つの辺で並進方向に関して拘束されます。

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図 3. 固定された辺

このアプローチの制限は領域境界での反射です。シミュレーション結果は衝撃波が下側に達する前の時点で示されます(< 0.77 ms)。

ALEモデル化のための特定のオプション
サイレント境界(NRF): メッシュは無限領域をモデル化するサイレント境界要素を含みます。これらの要素は、伝播する波の反射を最小化します。これらの要素に用いられる材料はサイレント境界(NRF)として境界サイレント(NRF)材料LAW11(TYPE3)に従い、以下の特性を擁します:
材料特性
初期密度
2842 kg.m3
特性長さ
0.0632 m

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図 4. サイレント境界(NRF)材料LAW11(TYPE3)によりモデル化された無限領域

材料は入力ファイルで /ALE/MATオプションを用いてALEと宣言される必要があります。

入力ファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

モデル概要

単位: m、s、Kg、N、Pa

半空間が時間変化する鉛直荷重を受け生成される波動が領域内に伝播します。モデルの寸法は8 m x 4.76 mで領域の1 mの幅でインパルス荷重が作用します。

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図 5. 問題のデータ
用いられた材料は線形弾性則(/MAT/LAW1)に従い、以下の特性を持ちます:
材料特性
初期密度
2842 kg.m-3
ヤング率
73 GPa
ポアソン比
0.33

衝撃化の拡大プロセスは縦波とせん断波からなります。

これらの材料の特性に基づき、材料内の縦波の伝播速度は6169.1 m.s-1でせん断波は3107.5 m.s-1です。したがって、縦波は領域の下の境界に約0.77 msで到達するはずです。

分布荷重により生ずる波のパターンを図 6に示します。

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図 6. 波のパターンを構成する縦波とせん断波

インパルス荷重は次のサイン関数で記述されます: F ( t ) = sin ( 2 10 5 t ) G P a MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGgbWaaeWaaeaacaWG0baacaGLOaGaayzkaaGaeyypa0Jaci4C aiaacMgacaGGUbWaaeWaaeaacaaIYaGaey4fIOIaaGymaiaaicdada ahaaWcbeqaaiaaiwdaaaGccaWG0baacaGLOaGaayzkaaGaaGjbVlaa dEeacaWGqbGaamyyaaaa@4AAE@

モデリング手法

このパートは規則的なメッシュを用いて19080個のQUAD要素でモデル化されます(44.9 mm x 44.4 mm ここで l c =63.15 mm)。


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図 7. 2次元領域のメッシュ

結果

LagrangeとALE結果の解析解との比較

図 8図 9はt=0.77 msにおけるvon Mises応力波伝播と速度を示します。

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図 8. t=0.77 msにおけるvon Mises等値図

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図 9. t=0.77 msにおける速度等値図

衝撃波伝播が、良好に予測されています。t=0.77msで得られたシミュレーション結果は解析解を裏付けます: 縦波とせん断波。

Lagrange結果

波のパターン

前に示された分布荷重により、生成される波のパターンは、縦波がメッシュの下側の境界到達したときの変形形状で特定することができます。

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図 10. t=0.77 msにおける領域の波のパターン

鉛直変位

下のグラフはそれぞれ分布荷重の端の下の0 m、3.2 m、および4.75 mに位置する3節点の鉛直変位(DZ)を示します。

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図 11. 時刻歴に保存された断面
図 12 は節点0の鉛直変位を示しています。波動伝播の開始は、[0; 1.35e-04]という時間中に見ることができます。荷重が作用した時間 [1.35e-04; 4e-04] の後の応答は、せん断波によるものです。

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図 12. “節点 0”のZ方向変位
節点1の鉛直応答は、縦波が0.47 msで到達したことを示しています(図 13)。反射は、0.97 ms以降に見ることができます。せん断波はその移動が水平方向であるために現れません。

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図 13. “節点 1”のZ方向変位
そのパターンの他の端部に置かれた節点2の変位は、縦波がモデルで0.7 msで交差することを示し、解析的結果と一致します。

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図 14. “節点 2”のZ方向変位

水平変位

図 15 は、(荷重表面の3.2 m下に置かれた)節点1の水平変位を示します。縦波の水平成分は0.49 ms以内に節点に到達し、せん断波は1.1 msに到達します。この時刻後の応答は、縦波とせん断波の異なる反射の結果としてもたらされます。

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図 15. “節点 0”のY方向変位

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図 16. 全体エネルギー評価

ALE結果

分布荷重により生成される波のパターンは、圧力表示による変形形状で特定することができます。グリッドは固定されており、節点変位は0です。 図 17 は、縦波がメッシュの下側の境界に到達したときの伝播を示します。

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図 17. t=0.77 msにおける圧力等値図

まとめ

有限領域での波動伝播がLagrangeとALEアプローチを用いて検討されています。Lagrange定式化では、無限領域を定義することができません。縦波とせん断波の境界に対する反射がシミュレーションを時間に関して制限します(t < 0.77 ms)。ALEアプローチではサイレント境界(NRF)材料(LAW11 - LAW3)をその制限上に定義することにより、無限領域をモデル化することができます。このような特別なモデル化で拡大する波動の反射を最小化します。

2次元解析は平面的な伝播を示します。波のパターンの正確な表現が得られ、シミュレーション結果は解析解と近いものになっています。