フィードフォワードトラクションコントローラー

フィードフォワードコントローラーは、Altair Driverの予測コントローラーです。先読み時間後または先読み距離後の車両の状態の一部を予測し、それに応じて、要求信号(スピードなど)に合うようにスロットル信号およびブレーキ信号を駆動します。

フィードフォワードコントローラーには、車両の挙動を予測するための車両とパワートレインに関する情報が必要です。そのためには、車両モデルにAltairパワートレインを組み込み、重量やブレーキの情報など、それなりに正確な車両パラメータを取得することが重要です。

タイプ

  • VELOCITY CONTROL – 要求信号は、時間または移動距離を独立変数とする速度プロファイル
  • ACCELERATION CONTROL – 要求信号は、独立変数として時間または移動距離を含んだ加速度プロファイル
  • 要求信号として、定数、式、ユーザー定義のカーブ、またはMotionView信号を使用可能(開ループコントローラーと同様)

アルゴリズム

パラメータ
要求加速度 A demand
要求速度 V demand
車両質量 M vehicle
空気抵抗力 F aero
空気密度 ρ
前面投影面積 Ar front
抗力係数 Cd
車両速度 V vehicle
タイヤ力 F tire
タイヤトルク T tire
車軸トルク T axle
駆動タイヤ半径 R drive
エンジントルク T engine
駆動比 α drive
ギア比 α gear
伝動効率 η transmission
ブレーキトルク T brake
最大フロントブレーキトルク T front brake,max
最大リアブレーキトルク T rear brake,max
先読み時間 T look ahead
Driverスロットル出力 O throttle
Driverブレーキ出力 O brake

要求加速度を生じるために必要なタイヤ接地面での力、F tireは:

必要なタイヤ力(T tire)が0以上の場合。車は加速することが予想されます:

ドライバーは、パワートレインに必要なトルク分のスロットルを供給するように要求します。パワートレインは、スロットルマップ(トルク対エンジンRPM対スロットル)を使用してスロットル値を返します。ドライバーによるブレーキ出力は0です。

必要なタイヤ力(T tire)が0未満の場合。車は減速することが予想されるため、スロットル出力が0になり、ブレーキ出力が次の方程式を使用して計算されます:

速度制御

ドライバーは、次の方程式を使用して要求速度を要求加速度に変換します。

ドライバーは、要求加速度を使用して、前述のACCELERATION CONTROLの項で説明したように、スロットル出力とブレーキ出力を計算します。
[FEEDFORWARD_TRACTION]
TAG = 'FEEDFORWARD'
TYPE = 'FOLLOW_VELOCITY'
LOOK_AHEAD_TIME = 0.5
DEMAND_SIGNAL = 'DEMAND_SPEED'
[FEEDFORWARD LONGITUDINAL CONTROLLER]
TAG 属性-文字列 必須

<FEEDFORWARD>

TYPE 属性-文字列 オプション
  • オプション
    FOLLOW_ACCELERATION は加速度プロファイルに従うことを指定するオプション、FOLLOW_VELOCITYは速度プロファイルに従うことを指定するオプションです。
  • デフォルトではFOLLOW_VELOCITYと想定。
LOOK_AHEAD_TIME 属性-実数 オプション
  • 状態を(現在時刻 + 先読み時間)まで積分して予測します。
  • 入力しない場合は、0.5秒のデフォルト値が使用されます。
DEMAND_SIGNAL 属性-文字列 必須

要求信号を含んだブロック名。使用可能な全ての方法については、コントローラーの要求信号のトピックをご参照ください。

注:
  • 定常状態エラーの場合は、主に、車両情報が不正確/不適切なことが原因で、積分コントローラーがADDITIONALコントローラーに登録される可能性があります。
  • 先読み時間を増やすと反応が遅くなる一方でスロットル信号とブレーキ信号がスムーズになるのに対して、先読み時間を減らすと反応が速くなりますが、信号が急峻になります。