アダプティブラップメッシュ

アダプティブラップメッシングは、モデル化の必要のないパートの交差や小さなギャップを複数含む2Dメッシュからクリーンで、完全に閉じたシェルメッシュを作成するのに有効な機能です。

ユーザーが定義したしきい値によって穴とギャップをふさぐことで、閉じられていない空間を自動的に閉じることができます。近接性、フィーチャー / 交差ライン、および調整ボックスをベースに要素調整を定義できます。亀裂検出機能を使用することで、ラップのプロセスを開始する前に、結果として得られるサーフェスメッシュが与えられた設定において望ましい空洞となるいるかどうかをチェックすることができます。オプションでラッピング結果の自動サーフェスリメッシングを行うことにより、サーフェスメッシュの良好な品質が保証されます。

アダプティブラップメッシュの作成

  1. メッシュリボンで、2D Meshツールセットの横の矢印をクリックし、オプションリストからアダプティブラップを選択します。
    Adaptive wrap meshツールが開きます。
  2. Elementsコレクターをクリックし、パネル領域からラップするすべての要素を選択します。
  3. 特定の閉じられたシェル要素をラップ対象から除外したい場合、Seed Nodes コレクターをクリックし、パネル領域から、その閉じられたシェル要素を囲むシードポイントを作成します。
    これらのシェルは、最終的な結果には含まれません。

    望む結果を得るために、すべてのバッフルの特定しそれらを手動で膨らますことを最初に行うことを推奨します。

  4. モデル内のどのフィーチャーを調整するかを指定します。
    Simple
    指定されたフィーチャー角度に基づいてフィーチャーを抽出します。開いているか閉じているループフィーチャーが考慮され、抽出対象となります。
    Connected
    指定されたフィーチャー角度に基づいてフィーチャーを抽出します。閉じているループフィーチャーのみが考慮され、抽出対象となります。
    ユーザー定義
    選択パネルを使用して調整対象となるフィーチャーを手動で選択します。大きいモデルがあり、すべてを調整したくない場合は、このオプションが役立ちます。
  5. メッシュパラメータを指定します。
    Max element size
    平均要素サイズを制御する、モデル内の最大2D要素サイズです。
    Min element size
    フィーチャーの調整に使用される最小要素サイズです。

    フィーチャーを正確に維持するよう、適切に最小要素サイズを定義します。

    Gap patch tolerance
    補修するギャップを決定します。

    2つのコンポーネント / 要素グループ間にギャップがあり、それがギャップを埋めるための許容値以内である場合、それらの間のギャップは埋められます。特定のコンポーネント / 要素グループでのギャップ補修の機能を、それらに近接度制御を定義することで無効にします。

    Hole patch tolerance
    補修する穴を決定します。

    1つまたは複数のコンポーネント内の閉じたループの自由エッジが考慮されます。

    Baffle thickness
    モデル内のバッフルに割り当てる板厚を定義します。バッフルは、閉じていない、板厚がゼロであるシェルフェイスを表します。バッフル板厚パラメータにより、ラッピング中に、定義された板厚でバッフルを膨らまします。
  6. 近接性コントロールを指定します。
    近接性メッシュコントロールを使用して、選択したコンポーネント間の接触、およびそれらの間の調整ギャップを回避します。全体およびローカル近接性メッシュコントロールを定義できます。
    1. Consider proximity controls のチェックボックスを有効にします。
      Adaptive Wrapper Proximity Controlダイアログが開きます。
    2. Self proximity for all elementsチェックボックスを有効にし、グローバルコントロールの”Proximity lower bound”の値を入力します。
      指定された値を超えるすべての近接性は、解決されます。
    3. Add Rowをクリックして、ローカルの近接性コントロールにグループを追加します。
      Within Group
      指定された”Proximity lower boundよりコンポーネント間のギャップまたは近接性が大きい限り、選択したすべてのコンポーネントに対する近接性微調整を考慮します。
      Across Group
      指定された”Proximity lower bound”よりコンポーネント間のギャップまたは近接性が大きい限り、Group 1とGroup 2におけるすべてのコンポーネント / サーフェス / 領域に対する近接性微調整のみを考慮します。1つのグループ内のコンポーネントの近接性は考慮されません。
      注: ”Adaptive Wrapper”用に作成されたすべてのメッシュコントロールは、サーフェスおよび領域選択のみが必要です。
    4. グループを選択し、compsコレクターをクリックし、 パネル領域でグループを指定します。
    5. グループに対する”Proximity lower bound”の値を入力します。
    6. Self Proximity をアクティブにし、”Proximity lower boundより高い、1つのコンポーネント内にある要素の近接性を調整します。
      ”Within Group”でのみ有効です。
    7. グループのSelectチェックボックスをアクティブにし、調整対象とします。
    8. OKをクリックします。
  7. 近接性コントロールを指定します。
    Element avg size
    モデル内の平均要素サイズに基づいて調整します。
    Curvature
    調整するフィーチャーを決定する、最大逸脱度を指定できます。このパラメータが無効になっている場合、フィーチャーは、ラッパーパラメータで定義されている場合でも微調整されません。
    Refinement box
    ユーザー指定によるボックス型ボリュームによる局所的メッシュ調整を行います。Create をクリックして、CFD TetrameshパネルのRefinement Boxサブパネルを開きます。ボックスが作成されたら、Boxコレクターをクリックし、パネル領域から調整ボックスを選択してラップメッシュ実行時に機能するように設定します。
  8. 高度なオプションを定義します。
    Create intersection lines
    入力要素の交差ラインで、ラップメッシュを調整します。
    Organize wrap elements by base comps
    入力コンポーネントに基づいて編成されるよう、ラップ要素を分割します。

    重複する名前を付けることはできないため、ラップコンポーネントは、元のコンポーネント名の後に_Wrapが付いた名前となります。”Remesh”オプションがアクティブではない場合、Adaptive Wrapperというコンポーネントが作成されます。”Remesh”オプションがアクティブな場合、Adaptive Wrapper_Remeshという別のコンポーネントが作成されます。

    Remesh
    定義された成長率およびスパン角度で、ラップされたコンポーネント全体をリメッシュします。リメッシングに使用される要素サイズは自動的に検出されます。

    このパラメータが、パラメータ”organize wrap elements by base comps”とともに有効になっている場合、ラップされたコンポーネントは、リメッシュされ、元のコンポーネント名の後に_Wrap_Remeshが付いた名前が付けられます。

    ラップされリメッシュされたコンポーネントには、個別のアセンブリが作成されます。

  9. 亀裂検出を指定します。
    より大きなモデルの場合、ラップを開始する前に亀裂がないかどうかをチェックすることが重要です。例えば、外部の空気力学 / アンダーフード解析の場合、亀裂検出メッシュコントロールは、キャビン、エンジン、および燃料タンクが正しく密封され、メッシュがそこで作成されないようになっていることを確認するために役立ちます。
    1. Nodesコレクターをクリックし、ラッパーで囲まれるよう、シェル内の節点を定義します。
  10. Checkをクリックし、亀裂検出プロセスを開始します。
    亀裂があった場合、1Dラインによって表示されます。大きなパッチを閉じたり、”gap patch size”の値を上げたりすることで、これらのギャップを閉じることができます。パラメータを変更することで、ボリュームが完全に閉じられないことになるパッチを新たに作成してしまう可能性があります。亀裂検出は、必ずすべての設定が終わってから実行することを推奨します。
  11. モデル内に亀裂がないことが確認できたら、Meshをクリックします。