シュリンクラップ メッシング

シュリンクラップメッシングは、例えば衝突解析の際のパワートレイン部品などのように高精度なモデルは必要ない場合に、複雑なモデルを単純化したメッシュを作成するための手法です。

モデルのサイズ、質量、基本的な形状は保持したまま、サーフェスのフィーチャーや詳細部を単純化し、解析計算時間を短縮します。使用するメッシュサイズの指定、その他オプションによって保持する詳細レベルを決定することができます。




図 1.
シュリンクラップは、要素、コンポーネント、サーフェス、ソリッド、節点の集まり、またはポイントの集まりを使用できます。
  • 複数のコンポーネントが選択されている際、シュリンクラップ機能によりそれらをラッピングすることが可能になります。
  • 節点、要素、コンポーネント、サーフェス、ポイントまたはソリッドを選択すると、すべての要素をラッピングするか、またはモデルの一部分のみをラッピングするかのオプションが与えられます。シュリンクラップの入力、すなわち、ラッピングしたいモデルパーツは、サーフェスまたはソリッドと2D要素または3D要素とで構成することが可能です。

シュリンクラップのひとつの例として、モデルの.stl表現を三角形/四角形メッシュに変換する必要がある際、shrink wrapを使うことで迅速かつ効率的に行うことができます。また、衝突解析においては、高度に詳細化されたパワートレインモデルは必要ありません。このようなケースでshrink wrapメッシュを使って詳細パワートレインモデルを簡易化したモデルを素早く生成し、衝突シミュレーション用のモデルでこのシュリンクラップ表現を使って衝突解析を行います。

シュリンクラップを使用するその他の理由としては、劣悪な形状を閉じ合わせ、テトラメッシング用に閉空間メッシュを生成することが挙げられます。シュリンクラップツールは、要素(2Dまたは3D)または形状から実行できます。したがって、多くの自由エッジを含んだ“クリーンではない”形状の場合、予めそのクリーンではない形状にオートメッシュ機能を使って任意のメッシュを生成したうえでshrink wrapを生成するか、もしくは、形状をメッシングせず単にサーフェスまたはソリッドを選択することができます。いずれの場合も、良好なメッシュの出力が得られますこのようなケースでは、結合されていないサーフェス間のギャップを閉じ合わせるのに十分な大きさの要素サイズをシュリンクラップに使用することが重要になります。これによって、完全な閉空間を作成することができます。

Shrink Wrapパネルを使用することによって、シュリンクラップメッシュをlooseまたはtightラッピングを使用してサーフェスメッシュとして作成することも、フルボリュームのヘキサメッシュとして作成することもできます。サーフェスメッシュまたはボリュームメッシュの区別は、オプションgenerate solid meshで行います。