Looseシュリンクラップメッシュ

ルーズなシュリンクラップ(looseを選択)は、選択した要素またはコンポーネント、サーフェスまたはソリッドを指定のターゲット要素サイズでラッピングし、元の有限要素トポロジーに大まかに沿ったアウター空間メッシュを出力します。

要素サイズが小さいと、元の有限要素表現により近く、フィーチャーにより密着したシュリンクラップメッシュを生成します。一方、要素サイズが大きいと、フィーチャーを無視したよりベーシックなメッシュを生成します。ルーズなラップは、シュリンクラップメッシュの節点を元のメッシュに投影せず、通常、元のメッシュからオフセットされます。オフセットの状態は、使用されるターゲット要素サイズによって異なります。

シュリンクラップのメッシングプロセスが完了すると、新しい要素が現在のコンポーネント内に作成されます。要素を現在のコンポーネントコレクターではなく別のコレクターに置きたい場合、シュリンクラップメッシュ(ルーズおよびタイトの両方)を新たに実行するたびに新しいコンポーネントコレクターを作成する必要があります。

メッシュサイズの変化の比較(シェル出力)



図 1. 元の .stl モデル


図 2. 2mmメッシュ


図 3. 5mmメッシュ

ソリッドメッシュ生成についてヤコビアン値を変化させた影響の比較

タイトおよびルーズ両方のラップアルゴリズム内で、ソリッドメッシュを生成するオプションがあります。このオプションを選択すると、シュリンクラップによって、すべて六面体要素で構成されるメッシュが生成されます。generate solid meshチェックボックスを選択すると、minimum jacobianに関する入力欄が表示されます。このオプションは、品質基準値が定義されている要素の六面体のメッシュに必要です。これは、オリジナルのコンポーネントの隣接するトポロジーフィーチャーに直接結合されている六面体要素の品質を制御します。ヤコビアンの値は0から1までの間でなければなりません。値が1に近いほど、出力はより粗くなり、メッシュはよりボクセル化されます。値が0に近いほど、シュリンクラップソリッドメッシュアルゴリズムに、ソリッドメッシュの最小ヤコビアン要素品質を保持しつつ、スムーズでより多くのフィーチャーに密着させることができます。デフォルトでは、最小ヤコビアンの値は0.3となっています。


図 4. 元の .stl モデル


図 5. 2mmソリッドメッシュ、ヤコビアン=1.0


図 6. 2mmソリッドメッシュ、ヤコビアン=0.3

Feature Recognition選択時のシュリンクラップメッシュ

追加のオプションでは、メッシングプロセス中に付加されるフィーチャーを手動で定義することができます。通常シュリンクメッシュの使用時、メッシュはなるべくフィーチャーを保つよう作成されますが、パートの元のエッジから離れることもできます。ただし、パネル内でフィーチャーが手動により選択された場合、そのフィーチャーに沿って結果のシュリンクラップメッシュは作成されます。これは、他のパートと接している可能性のあるコンポーネントのフェイスを定義したり、コネクター接合部であるなど何らかの理由で概略化できないフィーチャーが存在する場合に重要です。


図 7. Feature Recognition選択 / 非選択時のシュリンクラップ - 2mm

メッシュの方向に全体座標系と局所座標系を使った影響の比較

メッシュの方向を制御する高度なオプションも用意されています。非均一なパートを有し、元のコンポーネントのフィーチャーにより一層沿うようにメッシュの方向を変更したい場合は、このオプションを使用することが可能です。デフォルトでは、メッシュの方向は常に全体座標系に従っていますが、ユーザーが局所座標系を作成し、デフォルトの挙動を無効にすることができます。

この例では、元のメッシュ、全体座標系を使ったデフォルトのシュリンクラップメッシュ、および、局所座標系を使って新たに方向を変更したメッシュが示されています。


図 8. 元の .stl モデル


図 9. 全体座標系を使ったシュリンクラップ出力. 全体座標系を使用したデフォルトのシュリンクラップメッシュ


図 10. 局所座標系を使ったシュリンクラップ出力. 方向を変更したメッシュの要素列がチューブを横切る角度ではなくチューブに沿っています。