陰解法

モデリングデータに起因する停止

次のエラーが発生して陰解法シミュレーションが停止することがあります。
“ ** ERROR : RADIOSS IMPLICIT STOPPED DUE TO MODELLING DATA ** “

このエラーの原因は、材料の応力-ひずみ曲線に負の勾配があることです。陽解法解析とは異なり、陰解法解析では、剛性マトリックスを反転する(正定値にする)必要がありますが、材料の応力-ひずみ曲線に負の勾配がある場合は、剛性マトリックスを反転できません。

境界条件のTstop

強制境界条件(/IMPDISPなど)のTstopを陰解法解析で使用できます。陰解法解析では長い時間ステップを使用することから、停止時間がTstopと正確に一致しないことがあります。次の2つの方法で、この制限を回避できます。
  1. シミュレーションの終了時間がTstopと等しくなるように/RUNで設定して、リスタートファイルと別のEngineファイルを使用してシミュレーションを続行します。この方法が推奨される理由は、/IMPDISPTstopは除荷と似ているため、強制境界条件を除去した後では収束が困難になることがあるからです。
  2. /IMPL/DT/FIXPOINTを使用して、いずれかの固定時点がTstopと等しくなるように設定することにより、Radiossで時間Tstopが強制的に使用されるようにします。

陰解法解析で付加した質量



図 1.

陰解法シミュレーションで重量を付加している場合は、モデルのTYPE2またはRBE3の運動条件に起因して質量が変化します。

この場合は、補足的な質量が付加されて質量が変化したのではなく、セカンダリパートとメインパートとの間で相互の質量が変化しています。