初期応力

初期応力状態を指定した実行の開始

初期応力状態を指定して実行を開始することは可能ですか?

オプション/INISTAを使用して初期応力状態を定義することが可能です。このオプションはモデルの構造を記述する出力ファイル(Runname_0000.sty)を使用します。このモデルに対する応力状態はRunname_nnnn.styファイルで定義されます。

ファイルRunname_0000.styおよびRunname_nnnn.styは、最初の計算時に作成できます(ASCII出力ファイル(STY-ファイル))。各フォーマットに対応する外部プログラムを使用して書き出すことも可能です。

Radioss V4.4から、シェルおよび3節点シェルについては/INISHEおよび/INISH3オプションを使用して、またソリッド要素については/INIBRIを使用して、Runname_0000.radファイルに要素ごとに初期応力値を入力できるようになりました。

Radioss V9.0からは、シェルに対応したRadioss Engineの状態ファイルRunname_nnnn.staでも書き出せるようになりました。

このようなファイルには選択されたパート(節点座標や要素の結合)の形状、およびこれらのパートに属するシェルや3節点シェルの応力、ひずみなどを定義する/INISHE/INISH3カードが含まれます。

ファイルが別の入力デックRunname_0000.radに含まれる場合、これらのパートの状態(形状、応力、ひずみなど)は取得されます(Radioss Engine入力の/STATE/DTを参照)。

Altair Radiossモデルへの初期状態ファイルのマッピング

/INISTAオプションを使用して、サブモデルに対してのみ指定された初期応力状態から計算を開始することは可能ですか?

Runname_0000.styファイルに記述されているモデルは必ずしもRunname_0000.radファイルで定義されているモデルと同一ではありませんが、Radioss StarterはRunname_0000.styファイルで検出したRunname_0000.radの要素を、Runname_nnnn.styファイル内の応力状態に関して初期化します。

Runname_0000.styファイルに記述されているモデルはRunname_0000.radで定義されているモデルのサブモデルの場合もあります。また、Runname_0000.radで定義されているモデルと部分的に重複する、またはそれを完全に含有している場合もあります。

Runname_0000.styおよびRunname_nnnn.styファイル内の要素や節点に関するデータの、Runname_0000.radファイル内の要素や節点への関連付けは、要素や節点のユーザーIDに従って行われます。STYファイル内のある要素に対応する状態が、同じユーザーIDを持つRunname_0000.radファイル内の要素に関連付けられます。

/INISTAでの初期状態ファイル名

OUTPファイルを使用して、最初に使用したい状態に対応するRunname_0000.radファイルにファイルの名前を入力しましたが、Starterによりエラーが出力されます。なぜですか?

Runname_0000.styファイルがモデルの構造を記述しており、/INISTAで使用される状態ファイルRunname_nnnn.styが作業ディレクトリにない場合、以下のエラーメッセージが出力されます:
..CONTROL VARIABLES
PGFIO-F-209/OPEN/unit=14/'OLD' specified for file which does not exist.
File name = CRA2_0000.sty
In source file /radiossb/v41/start/Bug41v/lectur1/contrl.F, at line number 894
初期状態ファイルRunname_nnnn.sty/INISTA内で右揃えされていると、以下のメッセージが出力されます:
** ERROR IN FILE
UNKNOWN TROUBLE WITH S0FILE: Runname_nnnn.sty

/INISTA内では、このファイルの名前は左揃えにする必要があります。

モデル内で使用される初期状態ファイルの内容確認

/INISTAオプションで使用される、ISRT_0000.sty(またはISRTY000)およびISRT_nnnn.sty(またはISRTYnnn)で指定されている初期状態が正しく考慮されていることはどのようにして確認できますか?
  1. 初期応力状態が新規実行で正しく考慮されていることを確認するには、ポストプロセッサを使用して、Runname_nnnn.styファイルと同時に初期実行時に書き出されたアニメーションファイルを、新規実行の時間t=0で書き出されるアニメーションファイルと比較します。
  2. また、新規実行内で時間t=0でアニメーションファイルを書き出し、一部の要素の状態を、Runname_nnnn.styファイルに与えられる状態と比較します。これを行う際、ファイルRunname_0000.styおよび Runname_nnnn.styの構造が理解されていなくてはなりません。


    図 1.

    ユーザーIDがわかっているシェル要素に対応するいくつかのフィールド(例えば塑性ひずみEPSP)の値を検索するには:

    Runname_0000.styファイルの/SHELLブロックのUSRSHEL列で要素のユーザーIDを探します。

    同じ行のSYSSHEL列に書かれている番号は、Runname_nnnn.styファイル内でのフィールド値のインデックスを示しています。

    同じユーザーIDを使用してポストプロセッサ内で要素を検索できます。

  3. この新しいデックに対するRunname_0000.styファイルおよびこの新規実行の時間t=0でのRunname_0001.styファイルを書き出し、いくつかの要素の状態をRunname_nnnn.styファイル内のそれらの状態と比較することもできます。2つの実行で要素の内部番号SYSSHELが異なる場合があることに注意してください。同じモデルでも、2つの実行が同じRadioss実行モジュールで行われていないと、2つのRunname_0000.styファイル内の要素の順序が異なる場合があります。