NLFEボディ

NLFEは非線形有限要素（Non Linear Finite Element）の略です。HyperWorksとMotionSolveでのNLFE実装は、絶対節点座標法（ANCF）に基づきます。このアプローチでは、無限小回転や有限回転を使用せずに、絶対座標と全体勾配のみを使用して、要素節点座標が定義されます。複雑なマルチボディシミュレーションでは、モデルの忠実度向上を図るために弾性体が必要です。変形や回転が大きくなる、または線形仮定を逸脱することが想定される場合は、NLFEが必要になります。

  1. 現時点でBodiesパネルが表示されていない場合は、Projectブラウザまたはモデリングウィンドウで目的のボディをクリックして選択します。
    Bodiesパネルが自動的に表示されます。
  2. Propertiesタブでタイプを選択します。
    Beamを選択した場合：
    1. ドロップダウンメニューから断面タイプを選択します。
    2. 始点と終点の断面寸法を入力します。
    3. 断面に使用する材料、レイリー減衰、およびセグメント数を定義します。
      レイリー減衰とは、ボディの質量マトリックスに比例した減衰を表します。
    注: 材料プロパティを表示するには、Manage Materialsボタンをクリックします。詳細については、Materialsのトピックをご参照ください。
    Cableを選択した場合：
    1. 断面の半径の値とファイバー数を入力します。
    2. 断面に使用する材料、レイリー減衰、およびセグメント数を定義します。
      レイリー減衰とは、ボディの質量マトリックスに比例した減衰を表します。
    注: 断面は、Connectivityタブで定義したポイントプロファイルが断面の質量中心に位置するように配置されます。
  3. Connectivityタブをクリックします。
  4. 無荷重プロファイルを定義します。
    • 選択したポイントを追加、挿入、削除するには、Pointコレクターをクリックして、モデリングウィンドウで該当の操作を選択します。または、Pointをダブルクリックしてモデルツリーで該当の操作を選択します。
    • Import Pointsボタンをクリックして、抽出できるポイント座標を収めた.csvファイルを参照します。
    注: このプロファイルは、通常、ビームの無荷重設定として定義されています。これは、このプロファイル内でモデル化されたビームには、シミュレーションの開始時点で荷重がかからないことを意味します。無荷重プロファイルの定義は必須です。
  5. 荷重設定を定義します。
    荷重プロファイルデータは無荷重プロファイルと異なりますが、その違いによってシミュレーションの開始時点でボディに予荷重が導入されます。荷重負荷配置の定義は任意です。荷重設定を指定しなかった場合、シミュレーションの開始時点ではボディが無荷重状態になります。
    1. ドロップダウンメニューでLoadedを選択します。
    2. .csvファイルをインポートします。
    マーカー（ジョイント / フォースによる明示的または暗黙的マーカー）がその節点位置でNLFEボディに関連付けられている場合は、デフォルトで、追加の拘束セットがNLFE節点に導入されます。この拘束は、節点を固定します。拘束は、<CONN0 id = “conn_id” gid = “grid_id” conn = “TTTTTT” /> という書式をとります。ステートメントは、勾配ベクトルを拘束します。conn属性内の最初の3つのキーワード‘T’はX、Y、Z方向の勾配上の拘束を、残りの3つの‘T’キーワードは回転（せん断）方向の拘束を表します。これらの拘束の書式は、環境変数HW_NLFE_CONN_TYPE = ssssssを使用して変更できます。sには‘T’または‘F’を指定できます。
  6. Orientationタブをクリックします。
    注: Orientationタブは、Popertiesタブでビームを選択した場合にのみ使用可能になります。
  7. NLFEビームの始点と終点にある要素の向きを指定します。
    この2つのマーカーのX軸は、デフォルトで、ビームプロファイルの長さ方向を指しているため、淡色表示されます。始点の方向マーカーのX軸は、ビームプロファイルで定義された2つ目のポイントに揃えられますが、終点の方向マーカーのX軸は、ビームプロファイルの最後から2つ目のポイントと最後のポイントで生成されるベクトルに揃えられます。
  8. Mass Propertiesタブをクリックして、ボディについて計算された質量と質量慣性モーメントのプロパティを確認し、同時にグローバル座標を基準にしたそのCG位置を確認します。
  9. 初期条件を定義します。
    1. パネルでInitial Conditionsタブをクリックします。
    2. 必要なチェックボックスをアクティブにして、並進速度と回転速度の値を入力します。
    3. VMとWMとして使用するマーカーを選択します。
      注: ボディの並進初期条件は、一意のVM（線形速度参照マーカー）が存在しない場合、グローバル参照フレームを基準とするものと見なされます。回転初期条件は、一意のWM（角速度参照マーカー）が存在しない場合、質量中心マーカーを中心として適用されます。