MotionSolveとEDEMの連成

MotionSolveは、最先端のバルク材料シミュレーションツールであるAltair EDEMとのインターフェースを提供します。

EDEMは、多数の小さい粒子の運動と相互効果を計算する数値法である離散要素法(DEM)をベースにしています。この方法は、粒状材料のバルク挙動をモデル化する際に広く使用されています。この方法では、独立した離散的な粒子で材料が構成されていると仮定しています。これらの粒子は、それぞれ形状や特性が異なっていてもかまいません。

このような材料の例として以下が挙げられます:
  • 貯蔵サイロに置かれたバルク材料(穀物など)。
  • 粒状物(砂など)。
  • 粉末(トナーなど)。
  • 塊状または節理状の岩塊。

この属性の詳細については、AltairEDEMマニュアルをご参照ください。

MotionSolveにおける離散要素シミュレーションの価値

MotionSolveAltair EDEMを使用して以下を実行します:
  • バルク材料との複雑な相互作用が発生する機構を設計する。
  • バルク材料と相互作用している機器に作用している力を正確に予測する。
  • 計算された力を使用してコンポーネントの耐久性を予測する。
  • 機器上で過剰な摩耗が発生する領域を特定する。
  • 材料分布を最適化して、“デッドゾーン”を検出する。
  • 機構のパワー要件を数値化する。
  • 軟質土壌での車両挙動を理解する。
  • 軟質土壌でのトラクション制御システムを評価する。
下の図は、ダンプカーにかかる荷重に粒子サイズがどのように影響するかを示しています。




図 1. ダンプカーに作用する力に対する粒子サイズの影響。

連成の実装

MotionSolveAltair EDEM間の連成は、2つの製品間の連成シミュレーションを介して実現されます。この連成シミュレーションでは、MotionSolveが、バルク材料と相互作用する機械システムをモデル化します。例えば、土木機械や砂地を走行するATVなどが挙げられます。一方、EDEMはバルク材料をモデル化します。両方の製品が別々のプロセスで動作するため、それらを同じマシン上で実行することも、別々のマシン上で実行することもできます。クロスプラットフォームもサポートされます。これは、MotionSolveがWindowsオペレーティングシステム上で動作しながら、EDEMがLinuxオペレーティングシステム上で動作できることを意味します。逆も同じです。MotionSolveとEDEMを2台の別々のマシン上で実行する場合は、通信方法としてソケット(TCP/IP)が使用されます。MotionSolveとEDEMを同じマシン上で実行する場合は、通信方法としてPIPEまたはソケットが使用されます。



図 2. (左)同じマシン上の連成シミュレーション。(右)クロスプラットフォームシミュレーション。

ユーザーインターフェースとしてMotionViewを使用すれば、MotionSolveとEDEM間の連成をより直感的にセットアップすることができます。MotionSolveとEDEMの連成にMotionViewを使用する方法の詳細については、バルク材との相互作用EDEMメニューのトピックをご参照ください。チュートリアルMV-7021:MotionSolve/EDEMの連成シミュレーションでは、MotionSolveとEDEMの連成シミュレーションをセットアップして実行する方法について説明します。

MotionViewMotionSolve、およびEDEM間の相互作用の基本構造を以下に示します。



図 3. EDEM、MotionView、およびMotionSolve間のデータフロー

EDEM解法には、MotionViewMotionSolveが通信して連成を達成する専用のAPIが組み込まれています。

注: EDEM APIの詳細については、EDEMのマニュアルをご参照ください。

MotionViewでは、バルク材料と相互作用する必要のある形状またはボディのセットを選択できます。剛体とCMSベースの弾性体がサポートされます。形状またはボディは、EDEMに転送されてから、1つ以上のEDEMインスタンスとしてMotionSolveシステムモデルにインポートされます。弾性体の場合は、ボディ(スキン)サーフェスからの三角形メッシュが使用されます。その後で、実行時に、MotionSolveシステムモデルがEDEMと通信します。それぞれの時点で、MotionSolveは、選択されたボディ(剛体と、弾性体の場合の節点の両方)の位置と速度をEDEMに提供します。それに応えて、EDEMからは、バルク材料と相互作用するさまざまなボディに対してそのバルク材料から働いた力が返されます。剛体の場合は、EDEMが各ボディに作用する粒子の力とトルクのすべてを合計し、相互作用する各ボディの質量座標系の中心に作用する正味の力とトルクを返します。弾性体の場合は、MotionSolveがメッシュ節点への粒子の力とトルクをモード力に変換し、それらを相互作用する各ボディに適用します。連成は、EDEM内のPratt-Miller Flex Tireとの連成シミュレーションもサポートします。EDEM内のPratt-Miller Flex Tireの詳細については、Altair Partner Allianceをご参照ください。

MotionSolveのアプリケーションとEDEM連成シミュレーション

MotionSolveAltair EDEMを組み合わせると、さまざまな業界のさまざまなアプリケーションに使用できます。異なる業界の4つのアプリケーションを以下に示します。

重機の運転挙動

MotionSolveは、システムにバルク材料が適用される力を含むより正確なシミュレーションを行うことができます。
  • ダンプカーの車体
  • 掘削機
  • グラブバケットなど


図 4. 石炭の山から石炭を掴み上げるグラブバケット。


図 5. 別の種類のバルク材料を掴み上げる左グラブバケットにかかる応力。

採掘と建設

材料処理において故障が少なく機能的な装置を設計します。例:
  • 移送用シュート
  • バケットコンベヤーシステム


図 6. バルク材料を処理する材料処理装置。

農機具

農機具の運転挙動を理解して改善します。
  • コンバイン収穫機
  • 給餌機
  • トラクターと耕耘機
  • タイヤと土壌間の相互作用


図 7. 作物を収穫するライナー。

医薬品と化学薬品

改善を目指す医薬品業界と化学薬品業界の一般的なプロセスをシミュレートします。
  • ブリッジブレーカーを使用したホッパー排出
  • 粉末の回収と拡散
  • 骨材比率の湿式混合
  • 骨材比率の乾式混合


図 8. 医薬品業界と科学薬品業界のバルク材料シミュレーション。