MotionSolveの実行

MotionSolveは一般に“バッチ”ソルバーとして使用されます。これは、下の図に示すとおりです。


図 1. MotionSolveの一般的な実行シナリオ
  • 入力: MotionSolveに対する入力は、1つのMotionSolve XML入力ファイルです。このXMLファイルには、2つの主要なセクション、model definitionセクションとsimulation commandsセクションが含まれています。
    Model Definition
    model definitionセクションには、モデルの全体的な定義が含まれています。モデルは、事前定義済みのモデリング要素について定義されます。これらのモデリング要素の多くは、ユーザー定義のサブルーチン内で物理特性(または基盤となる方程式)が定義されていることを必要とします。ユーザー定義のサブルーチンは、実行時に必要に応じて読み込まれる1つまたは複数のDLL内に格納されています。したがってモデリングセットは非常に幅広く、ユーザーによる拡張が可能です。
    さらに、model definitionセクション内のモデリング要素は外部データファイルを参照できます。よく使用される外部データファイルは次のとおりです:
    • 弾性体のモード表現が含まれるflex-H3Dファイル。
    • 実験データが含まれる外部ファイル。これらのファイルフォーマットは任意であり、ユーザー定義のサブルーチンで読み取ることができます。
    • サブシステムのプロパティとデータが含まれる外部ファイル。これらとして考えられるのは、ブッシュやタイヤのプロパティ、路面データファイル、ドライバーの挙動の記述、さらには仕様などです。
    Simulation Commands
    simulation commandsセクションには、モデルが読み込まれた後に実行すべき内容に関する指示が含まれています。このセクションは、任意の数の“アトミックな”シミュレーションコマンドで構成できます。各シミュレーションコマンドは、単一の解析を実行するか、単一のモデル属性を変更します。これらの動作を連鎖させることで、かなり複雑なシミュレーションを実行できます。
  • 出力:MotionSolveはさまざまなASCIIファイルとバイナリファイルを出力します。
  • LOGファイル:解析の進捗状況、エラーと警告、およびCPU時間など、ソルバーからのメッセージが含まれます。
  • MRFファイル:すべてのソルバー結果が含まれ、下記のABF、H3D、およびPLTファイルの生成に使用します。
  • ABFファイル:HyperGraphによる2Dおよび3Dのプロット作成に使用します。
  • H3Dファイル:HyperViewによる結果のアニメーション表示に使用します。
  • PLTファイル:MotionViewのLoad Exportユーティリティを用いて荷重をRadiossに転送するために使用します。

LOGおよびMRFファイルは常に作成されます。それ以外はオプションです。上記に加えて、ユーザー定義の任意のDLLによって自由に出力ファイルを生成することもできます。これはユーザーが完全に制御できます。