コンフィグレーションの管理

共通または固有のパート / パートアセンブリは共にパートセットにグループ化され、固有のパートとパートセットはコンフィグレーションに保存されます。

従来のモデル構築およびアセンブリのワークフローでは、複数のバリアントを含むサブシステムは、複数のHyperMeshバイナリファイルに保存されます。パートの更新や変更はバイナリファイルごとに行う必要があるため、これによってモデルの構築および更新プロセスが複雑になります。

複数のコンフィグレーションを含む可能性のあるサブシステムの例としては、車体のボディインホワイト(BIW)が挙げられます。一般的なセダンのBIWには次のコンフィグレーションが考えられます。
  • 左ハンドル(LHD)
  • 右ハンドル(RHD)
  • 固定ルーフ(Fixed)
  • パノラマルーフ(Pano)


図 1.

特定のサブシステムのすべての構成に表示されるすべての共通なパートおよび固有のパートが、Layered Modelと呼ばれる単一のHyperMeshバイナリファイルに格納されます。Layered Modelでは、一般的なパートはすべてのコンフィグレーションでアクティブになります。固有のパートは特定のコンフィグレーションでのみアクティブになります。コンフィグレーションに現れない固有のパートは非アクティブにする必要があります。

パートセットおよび構成が、ソルバーデックにXMLコメントとして書き込まれるようになりました。ソルバーデックの最後にXMLブロックが追加され、ソルバーデックがインポートされた際にその情報が再構築されます。この場合、HyperMeshバイナリは使用されません。


図 2.

パートセットとコンフィギュレーションについて

パートセットは、共通または固有のパートをグループ化するものであり、コンフィギュレーションは、1つのコンフィギュレーションに対して相互に排他的であるパートとパートセットを編成するものです。

例:Configuration Managementワークフロー

Dash and CowlサブシステムのConfiguration Managementワークフロー。

図には、Dash and CowlサブシステムのConfiguration Managementワークフローが、Layered <HyperMeshバイナリファイルに含まれる左ハンドル(LHD)と右ハンドル(RHD)の設定とともに表示されています。


図 3.
共通パートはすべてのコンフィグレーションでアクティブであり、固有のパートは特定のコンフィグレーションでのみアクティブになります。図にはモデルの階層が示されています。


図 4.
Dash and CowlアセンブリのLHD設定をアクティブにするには、次のいずれかを実行します。
  • RHD設定に属する次の個別の固有パートのActive列をクリアします。
    • Dash Panel RHD
    • Dash Bracket Large RHD
    • Dash Inner Bracket RHD
    • Dash Cross Member RHD
  • すべての固有パートが単一のパートアセンブリにネストされている場合は、Dash RHD AssemblyのActive列をすべて非選択にします。
  • 固有のパートおよびパートセットがすべて1つのコンフィグレーション内に保存されている場合、ConfigurationビューのActive列内のLHDコンフィグレーションのチェックボックスをオンにします。
すべてのRHDに固有なパートはモデリングウィンドウから削除され、自動的にエクスポートしないように設定されます。LHD設定のソルバーデックはExport Solver Deckブラウザを使用してエクスポートしてください。


図 5.

パートセットの作成

  1. Partブラウザを開きます。
  2. Part Setビュー内で右クリックし、コンテキストメニューからCreate > Part Setの順に選択します。
    新しいパートセットが作成されます。
  3. Partビューで、共通または固有のパートおよびパートアセンブリを、このパートセットにクリック&ドラッグします。
ヒント: 選択したパートやパートアセンブリをPart Setビューの空白領域にドラッグ&ドロップすると、それらの新しいパートセットが自動的に作成されます。

コンフィギュレーションの作成

  1. Partブラウザを開きます。
  2. Configurationビュー内で右クリックし、コンテキストメニューからCreate > Configurationの順に選択します。
  3. PartビューやPart Setビューで、コンフィギュレーションに固有のパート、パートアセンブリ、パートセットを、そのコンフィギュレーションにクリック&ドラッグします。
ヒント: 選択したパート、パートアセンブリ、パートセットをConfigurationビューの空白領域にドラッグ&ドロップすると、それらの新しいコンフィギュレーションが自動的に作成されます。

パートセットとコンフィギュレーションの内容の削除

Partブラウザで、次のいずれかの方法でパートセットとコンフィギュレーションの内容を削除します:
  • 対象のエンティティを右クリックし、コンテキストメニューからRemoveを選択します。
  • 対象のエンティティを該当するブラウザビューの空白領域にドラッグします。

コンフィグレーションのアクティブ化 / 非アクティブ化

コンフィグレーションのアクティブと非アクティブを変更することで、パートやパートアセンブリの表示や状態のエクスポートを制御することができます。

非アクティブに設定されたエンティティは、Partブラウザで引き続き表示されます。非アクティブに設定されたコンポーネントは、 Modelブラウザ、Displayパネル、パネルエンティティコレクターでは表示されません。

  • コンフィグレーションをアクティブにします。
    1. Partブラウザ、Configuration ビューに移動します。
    2. Active列で、コンフィグレーションのチェックボックスを選択します。
    注: 1つのコンフィグレーションのみアクティブにできます。
    ヒント: シンプルなモデルの場合、コンフィグレーションに表示されていないすべてのユニークなパートを非アクティブにすることで、Partビューでコンフィグレーションをアクティブにすることができます。
    • アクティブなコンフィグレーションで編成されたすべてのパート、パートアセンブリ、コンポーネント、パートセットは、モデリングウィンドウに隔離されます。
    • アクティブなコンフィグレーションに関連付けられていないすべてのパート、パートアセンブリ、コンポーネント、およびパートセットは非アクティブになり、モデリングウィンドウで表示がオフになります。
    • 無効なコンポーネントはエクスポートされません。
  • パートアセンブリを非アクティブにする。
    • モデリングウィンドウから入れ子になっているパートや含まれるコンポーネントをすべて削除します。
    • 含まれているすべてのコンポーネントをエクスポートしないように設定します。
  • パートを非アクティブに設定します。
    • パートと含まれるコンポーネントをモデリングウィンドウから削除します。
    • 含まれているすべてのコンポーネントをエクスポートしないように設定します。

PDMバリアントからのパートセットの作成と編成

  1. PartブラウザのPart Setビューで、パートセットエンティティ(ある場合)または空白領域を右クリックし、コンテキストメニューからCreate Variantsを選択します。
  2. Confirm Create Variantsダイアログで、Yesをクリックします。
作成されたパートセットがVariants Part Setの下にネストされます。
注: Create Variants操作を呼び出すたびに、パートセットは再作成されます。


図 6.

PDMバリアント条件

PDM Variant Conditionsは、TeamcenterなどのPDMシステムで利用され、自動車用BIWのように複数のバリアントを含むBOM内の類似部品をマークするために使用されます。

PartブラウザのBOM インポートとエンティティエディターのユーザー編集でサポートされる属性は以下の通りです。
PDM Variant Condition
空でない場合、いずれかのパートコンフィグレーションのvariantとしてパートが使用されます。
PDM Variant Scope
Variant Condition属性と共に、パートがどのパートコンフィグレーションにvariantとして属しているかを説明します。

グローバルのパートアセンブリ / パート階層にあるPDM Variant Condition属性ごとに作成されます。この操作は、モデル、パートアセンブリ、またはパートレベルで呼び出すことができます。

Partブラウザのどのビューでも PDM Variantからパートセットを整理することができます。