MV-1029:点-可変形サーフェスフォース(PTdSF)のモデル化

本チュートリアルでは、接触力を伴うPTdSF(点-可変形サーフェス)ジョイントをモデル化する方法について学習します。

PTdSFforce(点-可変形サーフェス)ジョイントは、接触力を有する高次ペア拘束です。ここでは、フォースは線形フォースまたはPoissonタイプとしてモデル化されます。この拘束は、1つのボディ上の指定したポイントを、別のボディ上の指定した可変形サーフェスに沿って動くよう拘束します。ポイントは、剛体または弾性体に属していることが可能です。本チュートリアルで使用する可変形サーフェスは、剛的にサポートされているプレート上に定義されています。質量は、PTdSFforce拘束でサーフェスに沿って動くよう制約されています。ここでの追加のフィーチャーとして、弾性接触力がボールと可変形サーフェス間でボールの重心位置でかかっています。本チュートリアルでは、線形フォースのモデルを扱います。

ポイントの作成

このステップでは、PTdSFフォースモデルに必要なポイントを作成します。

始める前に、mbd_modeling\interactiveフォルダーにあるPlate.h3dおよびmembrane.femファイルを自身の<作業ディレクトリ>にコピーします。
  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. 以下のいずれかの方法で、Add Point or PointPairダイアログを開きます:
    • ProjectブラウザModelを右クリックしてAdd Reference Entity > Pointを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Point)アイコンを右クリックします。
  3. LabelにBallCMと入力します。デフォルトの識別子を受諾します。
  4. OKをクリックします。
  5. Propertiesタブをクリックし、座標値を、X = 0.0、Y = 0.0、Z = 50.0と指定します。
  6. 表 1に指定したポイントについて、手順2から5までを繰り返します。
    表 1.
    Point X Y Z
    PointMembInterface39 -55.0 -55.0 0.0
    PointMembInterface40 55.0 -55.0 0.0
    PointMembInterface41 55.0 55.0 0.0
    PointMembInterface42 -55.0 55.0 0.0

ボディの作成

このステップでは、PTdSFフォースモデルに膜とボールのボディを作成します。

ボールの定義には、予め指定された慣性プロパティが使用されます。
  1. 以下のいずれかの方法で、Add Body or BodyPairダイアログを開きます:
    • ProjectブラウザModelを右クリックしてAdd Reference Entity > Bodyを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Body)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにMembraneと入力します。デフォルトの識別子を受諾します。
    注: 本チュートリアルにおいてこれ以降、残りの変数についてはすべてデフォルトの名称を受諾します。
  3. PropertiesタブでFlex Body (CMS)チェックボックスをクリックします。
  4. (Graphic fileブラウザ)アイコンをクリックし、<作業ディレクトリ>からPlate.h3dを選択します。
  5. ステップ表 2を繰り返します。ダイアログで、LabelにBallと入力します。
  6. Propertiesタブで、表 2に与えられている情報を指定します。
    表 2.
    Mass Ixx Iyy Izz Ixy Iyz Izx
    1 40000.0 40000.0 40000.0 0.0 0.0 0.0
  7. CM ConnectivityタブでUse center of mass coordinate systemチェックボックスをクリックします。
  8. をダブルクリックします。
  9. ダイアログでBallCMを選択し、OKをクリックします。軸のプロパティについては、デフォルトの設定を受諾します。

マーカーと可変形サーフェスの作成

このステップでは、膜に必要なマーカーを定義します。

  1. generalツールバーでMacros > Create Deformable Surface from FEMをクリックします。


    図 1.
  2. Deformable Surface from FEMパネルでをダブルクリックします。
  3. ダイアログでMembraneを選択し、OKをクリックします。
  4. をダブルクリックします。
  5. ダイアログでModelを選択し、OKをクリックします。
  6. 続いてFEMファイルを選択するために、(ファイルブラウザ)アイコンをクリックします。
  7. 作業ディレクトリからmembrane.femファイルを選択し、OKをクリックします。


    図 2.
  8. Generate Surfaceをクリックします。
    マーカーと可変形サーフェスが作成されます。

ジョイントの作成

このステップでは、膜とグラウンドとの間の固定ジョイントを定義します。

  1. 以下のいずれかの方法で、Add Joint or JointPairダイアログを開きます:
    • ProjectブラウザModelを右クリックしてAdd > Constraint > Jointを選択します。
    • Model-Constraintsツールバーで、(Joints)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにJoint 1と入力します。
  3. TypeにFixed Jointを選択し、OKをクリックします。
  4. Jointパネル内で、Connectivityタブを設定します。
    1. をダブルクリックします。
    2. ダイアログでMembraneを選択し、OKをクリックします。
    3. をダブルクリックします。
    4. ダイアログでGround Bodyを選択し、OKをクリックします。
    5. をダブルクリックします。
    6. ダイアログでPointMembInterface39を選択し、OKをクリックします。
  5. 表 3に指定したスペックを使用し、手順1から4までを繰り返します。
    表 3.
    ラベル Joint Type Body 1 Body 2 Point
    Joint 2 固定ジョイント Membrane Ground Body PointMembInterface40
    Joint 3 固定ジョイント Membrane Ground Body PointMembInterface41
    Joint 4 固定ジョイント Membrane Ground Body PointMembInterface42

接触の作成

ここで、可変形膜とボールの間の接触力を定義します。

  1. 以下のいずれかの方法で、Add Contactダイアログを開きます:
    • ProjectブラウザModelを右クリックしてAdd > Force Entity > Contactを選択します。
    • Model-Forceツールバーで、(Contacts)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにContact 0と入力します。
  3. TypeドロップダウンメニューからPointToDeformableSurfaceContactを選択します。続いて、OKをクリックします。
  4. Contactパネル内で、Connectivityタブを設定します。
    1. をダブルクリックし、Ballを選択します。続いて、OKをクリックします。
    2. をダブルクリックし、BallCMを選択します。続いて、OKをクリックします。
    3. をダブルクリックし、DeformableSurface 1を選択します。続いて、OKをクリックします。
  5. Propertiesタブをクリックします。
    1. Radiusに10と入力します。
    2. Stiffnessに1000と入力します。
    3. Dampingに0.2と入力します。
    4. Flip normal のチェックボックスを非選択にします。

グラフィックスの作成

このステップでは、ボールにグラフィックを作成します。

  1. 以下のいずれかの方法で、Add Graphics or GraphicPairダイアログを開きます:
    • ProjectブラウザModelを右クリックしてAdd > Reference Entity > Graphicsを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Graphics)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにBallと入力します。
  3. TypeドロップダウンメニューからSphereを選択します。続いて、OKをクリックします。
  4. Connectivityタブで、をダブルクリックします。
  5. ダイアログでBallを選択し、OKをクリックします。
  6. をダブルクリックします。
  7. ダイアログでBallCMを選択し、OKをクリックします。
  8. Propertiesタブで、Radiusの下に10と入力します。
  9. Visualizationタブで、グラフィックの色を選択します。

節点の検索

  1. Projectブラウザで、Membraneボディをクリックします。
  2. Referenceツールバーで、(Bodies)アイコンをクリックします。
  3. パネルで、Nodesボタンをクリックします。
  4. ダイアログで、Only search interface nodesボックスを非選択にします。
  5. Find All ボタンをクリックします。
  6. ダイアログを閉じます。
    モデルは図 3ようになるはずです。


    図 3.
  7. モデルをptdsf_contact.mdlとして保存します。

モデルの実行

  1. ツールバーで、(Run)をクリックします。
  2. Runパネルで、図 4にリストされている値を指定します。
    図 4.
  3. Save and run current modelラジオボタンをクリックします。
  4. (ブラウザアイコン)をクリックし、ソルバーファイルの名称をresult.xmlと指定します。
  5. Saveをクリックします。
  6. (Check Model)ボタンをクリックし、モデルのエラーを確認します。
  7. ソルバーを起動するために、Runボタンをクリックします。
  8. ソルバーが完了したら、Closeでソルバーウィンドウを閉じ、Clearメッセージログを閉じます。

結果の表示

このステップでは、アニメーションを確認し、ボールの重心のZ位置およびこの弾性接触について貫通の距離をプロットします。

  1. ソルバーがジョブを完了すると、Animateボタンがアクティブになります。Animateをクリックします。
    (Start/Pause Animation)ボタンをクリックし、アニメーションを見ます。

    膜とボールの変位のプロファイルにも注目する必要があります。そのためには、ボールの重心のZ位置をプロットします。

  2. MotionViewに戻り、Runパネルで、Plotボタンをクリックします。
    これでHyperGraphウィンドウが開き、結果ファイルを読み込みます。
  3. パネル内で、プロットについて、図 5に示す選択を行います:


    図 5.
  4. 適用(Apply)をクリックします。
    ボールのZ変位のプロファイルは、図 6に示すようになっているはずです。


    図 6.
  5. をクリックし、セッションに新規ページを追加します。
  6. パネル内で、プロットについてオプションを、図 7に示すとおり選択します。


    図 7.
    時間の関数としての貫通のプロファイルは、図 8に示すとおりとなっているはずです:


    図 8.