TYPE7
接触サーフェスとソリッド要素。
ソリッド要素が関与する接触の場合は、そのソリッド要素のフェイス上に追加の“スキン”シェル要素を作成する必要はありません。パートのフェイス全体に接触サーフェスを定義するには、/SURF/PART/EXTを使用します。局所領域の接触の場合は、/SURF/SEGを使用して具体的な接触セグメントを定義します。
メインとセカンダリの選択方法。
接触が自己接触でも対称接触でもない場合は、接触を良好に検出できるように、メイン側に粗いメッシュを選択することをお勧めします。接触が自己接触または対称接触である場合は、すべての要素と節点がメインとセカンダリの両方になるので、そのようなメッシュ選択は不要です。
両方のメッシュが同じサイズである場合、一般的にはメイン側で剛性の高い構造を選択します。
初期接触剛性
Radiossで計算する初期剛性K0(節点がギャップに進入する際の剛性)では、メイン剛性とセカンダリ剛性の両方が考慮されるか(Istf=2~5の場合)、メイン剛性のみが考慮されます(Istf =0に相当する従来からの方法)。
- シェル要素に対して:
(1) ここで、- 材料のヤング率
- シェルの板厚
- ソリッド要素に対して:
(2) ここで、- 材料の体積弾性率
- セグメントの面積
- ソリッド要素の体積
- Stfac
- 変更可能なスケールファクターで、デフォルト値は1
シミュレーション時のインターフェース剛性は貫通量pの非線形関数であり、セカンダリ節点がメインセグメントにきわめて近くなると無限大の値に近付きます。これは、セカンダリ節点とメインセグメントとの交差を防止し、適切な表現の節点とすることを目的とした措置です。
接触に起因する時間ステップの短縮。
接触に基づく時間ステップは、ユーザーズガイドの接触インターフェースの時間ステップの説明にあるように計算されます。時間ステップの式に基づくと、接触剛性が大きすぎる場合、インターフェース節点の時間ステップに基づいて時間ステップは短くなります。非線形接触(TYPE7、TYPE11、TYPE19)では、いずれかの節点が接触ギャップを過剰な速さで貫通すると時間ステップが短くなる可能性があります。
TYPE7の接触インターフェースに起因してシミュレーションの時間ステップが短くなる場合は、シミュレーションの開始時点でモデルに初期貫通や初期交差が発生していないことを確認します。そのためには、プリプロセッサを使用し、RadiossのStarter出力ファイルに警告メッセージが記録されていないか確認します。
次に、インターフェースにある接触ギャップを確認します。この値が物理的に現実的であることを確認します。シェルどうしの接触の場合は、シェルの厚みに基づく値であることが必要です(Igap =1、2、または3)。シェルの場合は、最も薄いパートの半値となるGapminを入力します。
ソリッド要素どうしの接触の場合は、初期貫通を回避するためにGapminとして小さい値を入力します。ただし、Gapminの値が小さすぎると、接触力がきわめて短時間で作用するので問題が発生することがあります。その場合は、ソリッド要素どうしの接触ギャップをゼロにすることができる接触に切り替えます(/INTER/TYPE25や/INTER/TYPE24など)。
Gapminを指定していない場合は、RadiossによってGapminのデフォルト値が計算され、Starter出力ファイルに書き込まれます。
また、セカンダリ側とメイン側の剛性を確認します。両者の剛性の比率が100を超える場合は、Istfの値として2または3を使用します。これらの値を使用すると、インターフェースの初期剛性が高くなり、インターフェースの初期時間ステップが短くても、貫通量が大きければ時間ステップが長くなります。実際、吸収したエネルギーが同じでも貫通が浅くなるので、“セカンダリ節点が停止”する結果になります。
シェル | ソリッド要素 | |
---|---|---|
セカンダリ側の剛性 | ||
メイン側の剛性 |
- セグメント面積
- ソリッドの体積
- 体積弾性率
- 材料のヤング率
- シェルの板厚
インターフェースのメイン側またはセカンダリ側で破断する要素がある場合は、このインターフェースにIdel =2(またはIdel =1)を設定することが重要です。これにより、応力が開放される削除済み要素に結合されている節点が、高速で接触することを防げます。