トラブルシューティング

問題となる典型的なケース:
  • 浮動小数点例外エラーで停止
  • 時間ステップが速く落ち込む
多くの問題ケースにおける原因:
  • 発散
  • アワグラス励起
  • 適合しない境界条件

運動エネルギー、乱流エネルギー、回転エネルギー、アワグラスエネルギー、材料の変数等の時刻歴のカーブを見て、予期しない挙動が観察された時刻を特定するように努めます。

Starterがクリーンなメッセージで通過しなかった場合には出力ファイルを開き、問題のより詳細な説明を定義している "ERROR"の語を探します。

Starterがクラッシュした場合には、Starter出力(Rootname_0000.out)ファイルを開き、最後の部分を表示します。データを再確認し、それが意味のあるものかどうかを見ます(意味のない可能性が高いでしょう)。次に、意味のあるデータを見つけるまで前に戻ります。入力データ内で、意味のある部分とそうでない部分が切り替わる周辺の内容を調べます。カードが多すぎたり不足している場合があるかもしれません。
注: 入力デッキの変更は、必要に応じてコントロールカードに反映させる必要があります。
Engineが負の密度または時間ステップの問題で停止したり、あるいはクラッシュした場合:
  • 最後のリスタートファイルと"発散するすぐ前"のリスタートに戻ります。
  • Engineファイルに次のオプションを指定して新たなリスタートを実行し、発散するまでの内容を確認します:
    /PRINT/-1 
    /ANIM/DT 
    Ti 1.E-30 (where, Ti is the initial time of this run + epsilon) 
    /TFILE/ 
    1.E-30

    これでリスト、アニメーションファイル、および時刻歴に全てのサイクルの結果を持つことができます。これらを用いて問題を調査します。 多くのケースにおいて、アニメーションの速度場にある不規則さを見ることができます。これは、境界条件の不備と結びつけることができます。

発散

発散はある変数が大きくなりすぎることを意味します。これは問題がうまく定義されていない(数学的)場合または時間ステップが理論的な限界時間ステップよりも大きい(数値的)場合などに起こることがあります。

時刻歴およびアニメーションプログラムを実行させることによって時間と空間での問題の局所化を試みます。変則的な速度、乱流エネルギー、および粘性を探します。

境界をチェック:
  • 運動学的拘束
  • 要素境界(材料TYPE11)

流体力学の古典的仮定を検証します。

メッシュの漏れを探します(一致していていない節点、平面でない対称、境界条件の不足)。乱流モデルを用いている場合は、少なくとも1つの乱流壁があることを検証します。

アワグラス速度のパターンを探します。これは、集中流束がある場合、要素のアスペクト比が悪い場合、またはアワグラス係数に非常に小さな値を設定している場合(材料パラメータ参照)に起こり得ます。

板厚が要素サイズよりも厚い要素が存在しないことをチェックして確認します。弾性安定はコードで先に仮定され(計算されません)ますが、これは板厚がシェルの長さを超えないという条件に基づく仮定となります。