クレーン内のケーブルプーリーシステムの機械効率

モデル概要

モデルの場所:<altair>\utility\mbd\nlfe\validationmanual\model5.mdl

このモデルは、梁構造を有するクレーンで構成されています。この梁の先端には、油圧リフターが取り付けられ、機械効率が2のケーブルプーリーシステムの助力を得て、自動車のフレームを吊り上げます。

ここでは、油圧リフターに伝達される荷重が、ケーブルプーリーシステムの効果で、持ち上げられる実際の荷重のわずか半分であることを検証します。

マルチボディモデル

梁は、I型断面の単一のNLFEビームを使用してモデリングされます。ロープは、68個のNLFEケーブル要素を使用してモデリングされます。プーリー、油圧ベース、油圧リフター、プーリーリフターなどは剛体円筒としてモデリングされます。ケーブルとプーリーの間の接触を確立するために、いくつかの球体が使用されます。このモデルでは、重力は常にオンになっています。

次の図では、クレーン内のボディ間のさまざまなジョイントを示します。



図 1. MotionViewでモデリングしたクレーン

吊り下げられる荷重と油圧リフターに伝達される荷重は、次のように計算できます:

吊り下げられる荷重 = 車両の重量 + プーリーの重量 + プーリーリフターの重量

= (300 * 9.81) + (13.3002 * 9.81) + (0.5777 * 9.81)

= 3079 N

ローププーリーシステムの機械効率 = 2

油圧リフターに伝達される荷重 = 吊り下げられる荷重 / 機械効率

= 3079 / 2

= 1539

油圧リフターへのモーションはステップ関数として与えられ、次のSTEP関数を使用して巻き上げ速度が4秒間で0から15 mm/sに上昇します:

`Step (time, 0, 0, 4, -15) `

このモデルは、終了時間10秒の過渡解析でシミュレートされます。

数値結果

次のFigure 2には、実際の吊り下げられる荷重(青線)と油圧リフターに伝達される荷重(赤線)を示します。



図 2. 吊り下げられる荷重と油圧リフターに伝達される荷重を示すプロット

まとめ

NLFEモデルは、このケースの理論的結果とほぼ一致することがわかります。

  理論値 数値 誤差
吊り下げられる荷重 3079 N 3079 N 0%
油圧リフターに伝達される荷重 1539 N 1553 N 0.9%