重力と終端荷重がかかる片持ち梁の微小変形

モデル概要

モデルの場所:<altair>\utility\mbd\nlfe\validationmanual\model2.mdl

このモデルは、一端が地面に固定され、もう一端に垂直荷重が加えられているまっすぐな梁で構成されています。この梁には重力もかかっています(次のFigure 1を参照)。



図 1. 一端が固定されて、もう一端に自重と荷重がかかっている梁
このような梁の微小変形は、次のようにEuler-Bernoulli梁理論を使用して得られます:(1)
u = F l 3 3 E I ρ g A l 4 8 E I
ここで、
u
この梁の終端の垂直変形(mm単位)
F
加えられる終端の荷重
l
梁の長さ
E
ヤング率
I
紙面に対して垂直な軸を中心とした慣性モーメント
ρ
梁の密度
g
重力による加速度
A
梁の断面積

マルチボディモデル

この片持ち梁は、MotionSolveで20個のNLFEビーム要素を使用してモデリングされます。この片持ち梁は、固定ジョイントによって地面に固定されています。



図 2. MotionViewでモデリングされた片持ち梁
ForceOnly Force_Vector_OneBody要素を使用して、片持ち梁の終端に終端荷重が加えられています。次のようなSTEP関数を通じて-2000Nの荷重が徐々に加えられます:(2)
F = 2000 × S T E P ( T I M E , 0 , 0 , 4 , 1 )

このモデルは、終了時間5秒の動解析でシミュレートされます。終端荷重がかかった状態で、この梁は理論モデルで予測される大きさだけ垂直方向に変形することが予想されます。

次の材料プロパティがNLFEビームに使用されます:
l
5000 mm
A
50000 mm2
I
41.66 x 106 mm4
ρ
7.86 x 10-6 kg/mm3
E
2.1 x 105 N/mm2
これらの材料プロパティおよび加えられる荷重に基づいて、予想されるたわみは次のとおりです:
重力なし
u =  ( -2000 N ) × ( 5000 mm ) 3 3 × ( 2 .1x 10 5  N/mm2 ) × ( 41 .66 x 10 6  mm 4 )
= -9.525 mm
重力あり
u = 9.525 ( 7.86 × 10 9       t o n n e / m m 3 ) × ( 9810   m m / s 2   )   × ( 50000   m m 2 ) × ( 5000   m m ) 4 8 × ( 2.1 × 10 5       N / m m 2 ) × ( 41.66 × 10 6     m m 4 )
= -43.9531 mm

終端節点のZ変位を使用して、終端のたわみが特定されます。これは、MRF出力ファイル内の標準出力として得られます。

数値結果

前の項で説明したマルチボディモデルは、5.0秒で実行が終了します。次の図では終端節点のZ変位がプロットされています。青色の線はモデルに重力が適用されている場合の変位を示しており、赤色の線は重力がオフの場合の変位を示しています。



図 3. 終端節点のZ変位

上記のプロットは、曲げ変形が原因でシミュレーション中に、ビームの終了節点の変位が変化したことを示しています。

DZ g=9.81m/s2 g=0
-43.9305 mm -9.522 mm

まとめ

20個のBEAM要素を使用したNLFEモデルは、このケースの理論解とほぼ一致することがわかります。

  Euler-Bernoulli 数値 誤差
DZ(重力オン) -43.95 mm -43.93 mm 0.05%
DZ(重力オフ) -9.53 mm -9.52 mm 0.11%

ここで紹介した結果では、MotionViewで用意されているデフォルトのソルバー設定が使用されています。