フィードバック制御システムのモデリング

線形化されたモデルの生成

制御システムの設計の多くは、線形化されたプラントモデルから開始されます。MotionSolveは、ユーザーのシステムへの入力およびそこからの出力を与え、複雑なマルチボディモデルを自動的に線形化し、そのうえで、制御パッケージに適した形式で状態空間を生成することができます。(1)
x ˙ = A x + B u y = C x + D u
入力と出力のセットはそれぞれControl_PlantInput要素およびControl_PlantOutput要素を用いて定義されます。Param_Linearコマンド要素は、下記の結果をもたらす線形化ソリューションを開始します:
  • A、B、CおよびDマトリックスは、それぞれ拡張子.a.b.c.dがついた4つの別々のファイルにMatlabフォーマットで書き出されます。
  • 状態空間形式の線形システムは、MDLファイルにSimulinkフォーマットで書き出されます。これはSimulink MDLフォーマットで、MotionView MDLフォーマットとは異なるものです。
  • 線形化に定義された状態は、TAGファイルに書き出されます。
  • 固有値はEIGファイルに書き出されます。
  • 固有ベクトルおよび固有値は、TABファイルに表形式で書き出されます。
  • 1つの固有ベクトルにつき1つのMRFファイルが書き出されます。このファイルは、MotionViewモデルMDLファイルと組み合わせてモード形状アニメーションに使用されます。
注: MotionView MDLファイルフォーマットは、Simulink MDLファイルフォーマットとは異なります。

SISOシステムおよびMIMOシステムのモデリング

MotionSolveは、単入力単出力(SISO)および多入力多出力(MIMO)の両方を表現するための下記のモデリング要素を用意しています。これにより、別のところで定義された制御システムをMotionSolveモデルにインポートすることができます。
アイテム
詳細
Control_SISO - Single Input Single Output (SISO) Control Element
Control_SISO要素は、ラプラス領域内の伝達関数を定義します。(2)
G ( s ) = Y ( s ) U ( s ) = b 0 + b 1 s + + b m s m a 0 + a 1 s + + a n s n , m n

この要素は、航空力学、水力学および電気系統などのさまざまな分野で生じる線形時不変システムをモデル化するために使用されます。また、実験的に計測された伝達関数をフィットさせるためにも用いられます。曲線のフィッティングは、MATLABなど他のソフトウェアを使って行う必要があります。

Control_StateEqn - Multiple Input Multiple Output (MIMO) System Element
この要素は、一般的な多入力多出力(MIMO)システムおよびコントローラの時間領域表現に使用されます。Control_StateEqn要素には下記の2つのタイプがあります:
Type LINEAR
微分方程式の多次元、線形、時不変システムを状態空間形式で定義します。 (3)
x ˙ = A x + B u y = C x + D u
Type USERSUB
微分方程式の多次元、非線形時変システムを状態空間形式で定義します。 (4)
x ˙ = f ( x , u , t ) , x ( t 0 ) = x 0 y = g ( x , u , t )
x は制御状態変数のベクトル、 u は入力変数のベクトル、 y は出力変数のベクトルです。関数f()およびg()は、いずれの位置においても連続している必要があります。これらは、FortranまたはC/C++で書かれ、MotionSolveとリンクされるユーザーサブルーチンを使って定義されます。