LAW19とLAW58(布用)

Radiossには、布のモデリング用に2つの材料則LAW19LAW58が用意されています。LAW19は弾性直交異方性材料で、/PROP/TYPE9と組み合わせて使用する必要があります。LAW58は超弾性異方性繊維材料で、/PROP/TYPE16と組み合わせて使用する必要があります。

縦糸方向と横糸方向の結合をこの材料則に定義して、繊維間の物理的な相互作用を再現することもできます。どちらの材料則も、エアバッグのモデリングによく使用されます。

LAW58では、応力-ひずみ挙動を定義するため、2つの方法が用意されています。
  • 縦糸、横糸、およびせん断挙動を定義する非線形関数(fct_IDi)曲線
  • ヤング率、軟化係数B、ひずみ矯正Siおよび繊維曲げ率減少係数Flexi

    縦糸方向と横糸方向において:

    σ i i = E i ε i i ( B i ε i i 2 ) 2      ( i = 1 , 2 )   when  d σ d ε > 0

    σ i i = max ε i i ( E i ε i i ( B i ε i i 2 ) 2 )      ( i = 1 , 2 )   when  d σ d ε 0

    初期状態での面内せん断には、 G 0 を使用します。α(縦糸方向と横糸方向の間の角度)が α T (せん断ロック角度)に達したら、GTを使用して矯正を記述します。

    τ = G 0 tan ( α ) τ 0 右記の場合; α α T

    τ = G T 1 + tan 2 ( α T ) tan ( α ) + ( G 0 G T 1 + tan 2 ( α T ) ) tan ( α T ) τ 0 、右記の場合; α > α T


    図 1.
面外せん断応力-ひずみは、 G sh を使用して記述します。


図 2.
布の場合、引張りの初めに真っ直ぐなプロセスがあります。このフェーズにおいては未だタイトになっていないため、繊維は非常に柔らかです。


図 3.
LAW58,では、Flexiを使用してこの挙動を記述します:(1)
E f i = F l e x i * E i
布がタイトになった(ひずみ矯正Siに到達)すると、通常の繊維の弾性Eiを使用することもできます。


図 4.