陽解法は、小さな時間増分または時間ステップで結果を計算することによって解かれます。時間ステップのサイズは多くの要因に依存しますが、Radiossによって自動的に計算されます。
結果は各時間ステップ毎、もしくはシミュレーション内のサイクルについて計算されます。したがって、時間ステップが小さいほどシミュレーションが解を得るまでの時間は長くかかります。これは、より多くのサイクルと計算が行われるためです。
Radioss Theory Manualの
Dynamic Analysisで説明しているとおり、運動方程式を解くために、直接積分法が使用されます。
Radiossで使用される直接積分法は、Newmark時間積分スキームから得られます。この手法は、数値的に安定した時間ステップ
を使ってステップ毎の手順で運動方程式を解きます。
Numerical Stability of Undamped Systems (
Radioss Theory Manual内)は、
である場合、減衰なしの系が安定していることを示します。ここで、
は系の最大角振動数です。離散有限要素シミュレーションでは、メッシュを通過する衝撃波が1つの時間ステップ中に1つ以上の要素を通過しない場合、解は安定を保ちます。この方法では、衝撃波はメッシュを通過する際にいかなる節点も失わず、したがって、有限要素メッシュ内のすべての振動数を励起します。材料
の音速および有限要素の特性要素長
を使うことで、1つの要素長を通過する波動の時間は次のようになります:
(1)
離散解を安定に保つには、時間ステップを、波動が1つの要素を通過するために必要な時間以下にする必要があります:
(2)
この安定性の基準は、1928年のCourantによって初めて行われた研究に因んでクーラン条件と呼ばれています。 1