時間ステップは、時間ステップコントロール法を使って大きくすることが可能です。
陽解法有限要素シミュレーションで最も一般的な問題点の一つに、解を得るためにシミュレーションが要する時間の量があります。モデルの時間ステップが大きいほど、シミュレーションの解を得るのに必要なサイクルは少なくなり、計算時間は短くなります。接触剛性を無視すると、シミュレーションの最小時間ステップは、メッシュサイズ、材料剛性および密度の関数となります。したがって、モデルの時間ステップを増やす1つ目の方法は、メッシュの平均要素長に対して小さいエッジ長となるよう要素を修正することによりメッシュの品質を向上させる方法です。
メッシュが改善されたら、もう一つの一般的な問題が、メッシュの変形による時間ステップの減少です。先に述べたように、最小時間ステップはシミュレーションの各サイクル中に計算され、変形が起こると要素サイズは小さくなって時間ステップの減少を生じます。時間ステップが大幅に減少すると、シミュレーション時間が大きく増加します。時間ステップの減少の問題に対処するのに様々な手法があります。
多少のバリエーションはあるものの、これらの手法はすべてこの入力フォーマットを使用します。
- /DT/option/Keyword3/Iflag
-
ここで、
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- 限界節点時間ステップのスケールファクター
-
- 時間ステップコントロールをアクティブ化するモデルの最小時間ステップ
すべてのオプションで、時間ステップコントロールは、
である際にアクティブ化されます。ここで、
は、節点、要素またはインターフェースなど、使用されるオプションに基づいた時間ステップ計算です。
シミュレーション中に体積が負になるLagrange要素は、シミュレーションを継続できるよう、自動的にひずみ定式化を切り替えます。これが発生すると、警告のメッセージがEngine出力ファイルに出力されます。
表 1. サポートされるオプション
要素タイプおよび定式化 |
ひずみ定式化 |
負の体積の処理方法 |
/BRICK、Isolid = 1、2、14、17、24 /TETRA4、Itetra = 0
/TETRA10
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完全に幾何学的非線形 Ismstr = 2、4
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負の体積になる前のサイクルの要素形状を使用した微小ひずみに切り替え |
Lagrange型全ひずみ Ismstr = 10、12
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time=0.0における要素形状でのLagrange型全ひずみ |
微小ひずみへの自動切り替えは、/NEGVOLでKeyword2をSTOPに設定することによって無効にできます。