要素時間ステップコントロール
- /DT/Eltyp/Keyword3/Iflag
- Eltype
- 要素タイプ
- Keyword3
- 使用される時間ステップコントロールタイプ
Iflag=1の場合、一部の要素タイプおよび時間ステップコントロール手法については、追加の入力を含む2行目が入力されます。
すべてのKeyword3オプションで、行われるアクションは、要素時間ステップの計算が有限要素で定義されている際に起こります。要素時間ステップコントロールの場合、Keyword3オプションはEltyp毎に使用できます。すなわち、同じモデル内で/DT/BRICK/CSTと/DT/BRICK/DELを使うことは不可能ですが、/DT/SHELL/STOPと/DT/BRICK/CSTは一緒に使えます。
/DT/Eltyp/CST
Eltyp=BRICKまたはSHELL.
このオプションは、要素がシミュレーションの時間ステップを より小さくなるようにする場合、要素を微小ひずみ定式化に切り替えることによって時間ステップをコントロールします。これは、その要素についてプロパティ定義/PROPで定義されているIsmstrの値を使用する際に限って起こります。しかしながら、微小ひずみ定式化への切り替えは、大ひずみほど正確ではなく、精度を下げることが、リーズナブルな時間でソリューションを得るために必要となります。
- ASP_minVDEF_min
- ASP_min
- 最小アスペクト
- VDEF_min
- 最小体積比(V/Vo)
ASP_minまたはVDEF_minの2つの最小値のいずれかに到達した時点で、要素は微小ひずみ定式化に切り替えられます。ASP_minは、HyperMeshの要素品質チェックと同じテトラ崩壊計算を使用します。ASP_min基準を満たせない要素は、シミュレーションの開始時または実行中に微小ひずみ定式化に切り替えられます。VDEF_minを使用すると、シミュレーションの実行中に、大きく変形または圧縮された要素を微小ひずみ定式化に切り替えることができるので、シミュレーション中に起こり得る負の体積の問題を防止できます。
微小ひずみ定式化への切り替えが起こると、一定のヤコビアンマトリックスが前提となり、すべての空間的変数(特徴長、体積など)はその初期設定にあるとみなされます。この時点では、要素の変形は、時間ステップ計算の際に考慮に入れられません。音速が一定である場合、時間ステップは一定となり、そのまま留まります。一部のソリッド材料則では、音速は圧力依存です。それゆえ、その時間ステップは、 よりも若干小さくなる可能性があります。シミュレーションの最初で要素時間ステップが より小さい場合、要素は微小ひずみ定式化へ切り替わり、要素が最小時間ステップを擁すると仮定され、シミュレーションは より小さい時間ステップで実行されます。要素が微小ひずみ定式化に切り替えられると、Engine出力ファイルにメッセージが出力されます。
微小ひずみ定式化への切り替えは、時間ステップの減少を止め、継続が許される場合、シミュレーションがより長時間に渡って実行されることになります。ほとんどの場合、微小ひずみ定式化を使っていくつかの要素によって生じる若干の精度の低下は、結果がリーズナブルな時間で得られることを確実にするためには価値があります。微小ひずみへの切り替えは、動的シミュレーションでの運動エネルギーが大きくなる質量の追加または運動エネルギーがなくなる要素の消去と比べてベターです。時間ステップを保持するための微小ひずみへの切り替えは、質量の追加または要素の消去にかかわる運動エネルギーの追加またはロスよりも良いソリューションでしょう。
シェル要素の場合はソリッド要素よりも制限が少なく、クラッシュの応用例では、メインのシェルの変形は曲げで、膜変形が小さい場合は微小ひずみ定式化は曲げの描写に影響を及ぼしません。
多数の要素の微小ひずみへの切り替えは、検討を要するモデルの問題点を示します。
/DT/Eltyp/DEL
シミュレーションの時間ステップを より小さくする要素を消去します。要素が消去されると、モデルの物理特性が変化します。これは、要素の消去によりモデルの質量、慣性および場合によっては剛性が変わるためです。要素が消去されると、Engine出力ファイルにメッセージが出力されます。
/DT/Eltyp/STOP
シミュレーションの時間ステップが入力された の値を下回ると、シミュレーションを停止します。多くの場合、モデルの不安定性により時間ステップは小さくなるため、シミュレーションの停止は問題点の診断に役立ちます。