節点時間ステップコントロールは、以下のオプションを用いてシミュレーションにアクティブ化します。
- /DT/NODA/Keyword3/Iflag
-
次のように定義されたメッシュ内の節点の時間ステップ:
(1)
ここで、
-
- 節点質量
-
- 等価な節点剛性
注: 節点の質量が増加または剛性が減少すると、シミュレーションの時間ステップは大きくなります。
デフォルトでは、節点時間ステップはモデル全体に適用されます。
Iflag=
1である場合、グループ節点セットIDを含んだ追加の行が、スケールファクターと時間ステップの後ろに入力されます。これは、節点時間ステップコントロールを、Starterで定義された節点
/GRNODのグループに適用するために使用されます。
注: どのKeyword3オプションが使用されようとも、Engineファイル内では、/DT/NODA/Keyword3/Iflagオプションは一度に1つだけ使用できます。複数が含まれる場合、一番最後のものが使用されます。
/DT/NODA/CST
/DT/NODA/CSTは、シミュレーション内の時間ステップの保持および増大に群を抜いて人気のあるオプションです。Radiossは自動的に節点に質量を付加し、入力された値を保持します。必要な場合、入力された値に見合うよう、質量はシミュレーションの初めに付加されます。
利点と欠点
/DT/NODA/CSTを介して節点質量を増やすことは、時間ステップを大きくし、シミュレーション中に時間ステップが一定の値を下回ることを回避するための最も簡単な方法です。モデルに追加されるべき適切な量の質量を決定するには、正しい工学的判断が使用されなくてはなりません。追加する質量が多過ぎると、降下や衝撃シミュレーションの運動エネルギーを増大させることにより、物理特性に影響を与えかねません。これは、解析されるオブジェクトが実際のパートよりも重みがあるためです。質量の増加は、弾道や爆発といった超高速な衝突において非常に重要であり得るモデルの高振動数挙動を変化させる場合もあります。
一般的に、追加される質量は5%未満にすることが推奨されますが、特定のシミュレーションではこれ以上でも受容される場合があります。たとえば、準-静的解析では通常速度は小さいため、質量を加えても運動エネルギーが大きく増えることはありません。このような理由により、マススケーリングありとなしでシミュレーションを実行し、それらの結果を比較することによって、モデルでの質量増加をチェックすることが推奨されます。質量の付加が運動エネルギーの増加を招いた場合、Radiossにより計算されるエネルギーエラーは正になります。
マススケーリングのための時間ステップの選択
どれだけの質量がモデルに追加されるかを見定めるために、
Radiossは異なる量のパーセント質量増加について目標時間ステップを計算します。ターゲット時間ステップは、0.9および0.67の時間ステップスケールファクター(
)で、0.5%から10%までのパーセント質量増加について計算されます。この情報は、Starter出力ファイルに一覧およびグラフのかたちで出力されます。
注: この推定は、1つ目のサイクルにおいてのみ有効です。付加された質量は、要素の変形または接触のために実行中に増加する場合があり、これは、付加された質量がStarterの推定で期待された値よりも大きくなり得ることを意味します。
ターゲット時間ステップおよびスケールファクターは、/DT/NODA/CSTで使うことができます。
質量増加のチェック
全質量の増加は、Engine出力ファイルの
MAS.ERR
とタイトル付けされた最後の列にリストされます。アニメーション出力オプション
/ANIM/NODA/DMASSまたは
/H3D/NODA/DMASSの使用により、節点ごとの相対質量増加がコンタープロットとしてポストプロセッサーで可視化できます。全質量エラーおよび節点質量エラーは共に、質量の変化をシミュレーションの最初における元の質量で割ることによって表されます。
(2)
ここで、
ここで、
-
- 各Engineファイルのシミュレーションの初めにおける初期質量
-
- 現時点の質量
注: 初期質量は各Engineファイルシミュレーションの初めにリセットされ、全質量の増加はすべてのEngine出力ファイルから付加される必要があります。
全体時刻歴質量およびエネルギー曲線は、増加した質量がシミュレーションに影響を及ぼすかどうかを理解するためにプロットできます。
注: /TH/PARTを使ったパート質量出力には、マススケーリングのため、付加された質量は含まれません。
/DT/NODA/SET
入力された
の値を保つために、相当節点剛性(
)を減らします;この剛性の低減はまた、シミュレーションの物理特性を変化させ、流体のモデリングの際にのみ使用されます。
/DT/NODA/STOP
シミュレーションの時間ステップが入力された
の値を下回ると、シミュレーションを停止します。多くの場合、モデルの不安定性により時間ステップは小さくなるため、シミュレーションの停止は問題点の診断に役立ちます。