剛壁(/RWALL)

剛壁は、節点が壁を貫通しないように一組のセカンダリ節点に適用する節点拘束です。剛壁との接触が検知されると、セカンダリ節点の加速度と速度が修正されます。

セカンダリ節点が接触しているかどうかを判断するためのギャップはありません。接触はセカンダリ節点が剛壁の表面に接触したときのみ起こります。フラグSlideの設定に応じて、スレーブ節点の接線速度を修正することもできます。デフォルト値(=0)では接触の間、純粋な滑りが可能になります。1に設定すると滑りは許されず、セカンダリ節点は接線方向に"固定"されます。2にセットされた場合、Coulombモデルに基づいた摩擦が可能になります。

Radiossでは、4つのタイプの剛壁が利用可能です:

剛壁は固定または移動が使えます。固定剛壁は全ての接触する節点の純粋な運動条件で、移動剛壁は主要なセカンダリオプションと同様のオプションになります。メイン節点が各時間ステップでの剛壁位置を定義し、接触しているセカンダリ節点に速度を課します。接触しているセカンダリ節点の力はメイン節点に作用します。セカンダリ節点の力は、運動量の保存則に基づいて計算されます。接触しているセカンダリ節点の質量に比べて剛壁の質量が大きいと仮定すれば、セカンダリ節点の質量がメイン節点に伝達されることはありません。

無限平面剛壁

無限平面剛壁は無限に伸びる平面です。剛壁の法線を表現する2点で定義されます(図 1)。


図 1. 無限平面剛壁

無限円柱剛壁

無限円柱面剛壁は無限に伸びる円柱です。2点 (または1点と1節点)と直径で定義されます。
注: 接触は円柱剛壁の外側のみから可能です。


図 2. 無限円柱剛壁

球面剛壁

球面剛壁は点M(または節点N)と直径で定義されます。


図 3. 球面剛壁

有限平面剛壁

有限平面剛壁はM、M1、M2の3つの点で定義される平行四辺形面です。移動剛壁の場合は、Mがメイン節点と見なされます。


図 4. 有限平面剛壁

コメント

  1. シミュレーションの間、移動剛壁はメイン節点Nに追従しますが、壁の向きは一定のままで、初期法線に平行です。移動剛壁はモーメントのつり合いは考慮せず、力のつり合いのみが与えられます。そのため、外部モーメントはラボラトリーから壁に作用します。
  2. セカンダリ節点を壁からの距離のみで定義した場合、距離が正または0のセカンダリ節点が考慮されます(つまり、無限剛壁の背面や円柱剛壁内部にある節点はセカンダリとして考慮されません)。
  3. 初期に剛壁内に接触している節点は、1サイクルで外壁の外側に飛び出せるほど十分に高いリバウンド速度の場合を除いて、リバウンドできません。
  4. ランダムノイズを節点座標に加えると、セカンダリ節点の初期位置が修正され、移動剛壁の場合には壁の位置が変化します。そのため、壁からの距離が0または0に近い値であるセカンダリ節点は壁の内部に移動する可能性があります。セカンダリ節点を距離で定義している場合、これらの節点はセカンダリ節点ではなくなります。これらの節点が明示的なセカンダリ節点の場合、これらの節点はリバウンドすることなく壁の内部に留まります。
  5. ランダムノイズ(/RANDOM)で移動剛壁の向きも影響を受けます。メイン節点Nの位置はランダム値で移動され、節点Nと点M1で定義した法線が変更されます。これは特に点M1が点Nに近い場合は重要です。


    図 5. ランダムノイズによる壁の向きの変化