関連する積分方程式の指定
電界を2つの部分に分解することにより、積分方程式を指定します。
入射電界と散乱電界
物理学の各種基本法則では、電磁界に物体が存在すると、その物体上に電流が誘導されることが述べられています。このように誘導された電流は再放射されます。この挙動を“電磁散乱”と呼びます。

Figure 1. 任意形状の導電体。
入射電界の計算
RCS用途では、入射電界は平面波です。たとえば、z軸方向に偏波した電界を持ち、負のX 軸方向から入射する平面波によって次のような入射電界が発生します。
アンテナの問題では、“励振”とも呼ばれる入射電界は電圧源であることが普通です。励振の簡潔な形態として“デルタギャップ”給電があります。長さδのギャップを隔てたアンテナ端子間に電圧Vを印加して発生する入射電界は次のように記述できます。
この給電をワイヤに応用すると、一般的にギャップの長さはワイヤセグメントの長さに相当します。入射電界には、磁気フリルや基本的なヘルツダイポールなどのタイプもあります。
散乱電界の計算
散乱電界を求めるには、表面電流に積分方程式を適用します。これは、 のように簡潔に記述できます。ここで、 は積分作用素、 はこの式で求める未知の電流です。