概要

MotionSolve最適化ガイドでは、MotionSolveの設計感度と設計最適化の機能について説明します。

MotionSolveを使用して最適化を実行する理由

MotionSolveは、システムレベルのシミュレーションを実行するために広く使用されています。一般的に、特定の設計の性能がどの程度優れているかを把握するためにシミュレーションを実行します。多くの場合、このようなシミュレーションの目標は、システムが目的の機能を最適な方法で実行できるようにする適切な設計パラメータ群を見出すことにあります。

一般に使用する設計変数は、各種コネクターの位置と方向、およびこれらのコネクターの力特性です。一部のボディの質量と材料のプロパティを設計変数とすることもあります。通常は、応答変数の一群を使用して、システムの挙動が持つ特性を表現します。したがって、多くの場合、シミュレーションの目標は、望ましい値が応答変数に得られるような設計変数の値を見つけることになります。

以前は、このような解析では、モンテカルロシミュレーションや実験計画法などの技法が使用されていました。これらの手法はきわめて優れた機能を発揮しますが、計算量が多いため、多数のシミュレーションを必要とします。

MotionSolveは、設計感度を解析的に計算する機能を新たにサポートしています。設計感度は、設計変数を変数とする関数とした応答変数の偏導関数で構成するマトリックスです。勾配に基づく最適化エンジンでは、これらの感度を使用してコスト関数を最小化できます。このプロセスは設計最適化と呼ばれます。一部の設計問題の最適化を可能にする新しい最適化ツールキットも、MotionSolveで使用可能になりました。

設計感度に基づいた最適化は、統計的手法ほど一般的ではありませんが、これらの手法よりも大幅に高速であるため、多くの状況で推奨されるソリューションです。