OS-T:1070 軸対称構造の解析

本チュートリアルでは、OptiStructによる軸対称問題をモデル化する方法を学びます。

Figure 1は、本チュートリアルに用いられるモデルを示しています。

1070_full_geom
図 1. フルモデル; 要素、材料、プロパティと境界条件

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したaxi-symmetry_full_geometry.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    axi-symmetry_full_geometry.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

演習 1: フルモデルでの解析

構造モデルは、既に必要な要素、境界条件、プロパティや材料データが計算実行可能な状態にセットアップされているのを見ることができます。形状の上面に圧力荷重が作用し、底面に拘束条件が定義されています。このモデルはz-軸に関して対称で、荷重や境界条件も同じ軸に関して対称となっている点に注意してください。これらは、軸対称問題としてモデル化する際に必要な条件を示しています。最初に、フルモデルの結果を得て、次にモデルの小さな部分を軸対称挙動のための境界条件でモデル化します。最後に、軸対称モデルの結果をフルモデルの結果と比較します。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 2. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてaxi-symmetry_full_geometryと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、axi-symmetry_full_geometry.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、axi-symmetry_full_geometry.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. 表示されたら、Closeをクリックし、メッセージウィンドウを閉じます。
それぞれのサブケースの変位と応力の結果はOptiStructから axi-symmetry_full_geometry.h3dファイルに出力されます。本演習では、これらの結果をHyperViewで可視化する方法について解説します。

構造の変位の表示

境界条件が正しく定義され、モデルが期待通りに変形するか確認するために、最初にモデルの変形を表示されることは有用です。
  1. Animation modeをLinearに設定します。
  2. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  3. Result Typeの下の1つ目のプルダウンメニューで、Displacement [v]を選択します。
  4. Result Typeの下の2つ目のプルダウンメニューを選び、Magを選択します。

    rd1070_results
    図 3.
  5. Applyをクリックし、変位をコンターを表示します。
    ヒント: 板厚方向の変位の変化を表示させるため、構造の半分をマスクします。
  6. Resultsブラウザで、Componentsフォルダーを展開します。
  7. コンポーネントbottom_halfの前の要素アイコンをクリックし、このコンポーネントを表示からマスクします。

    rd1070_bottom_half
    図 4.
  8. XZ Left Plane ViewviewAxisOrientationZXLeft-24をクリックし、Leftビューを表示します。
    次のような図で板厚方向の変位が表示されます。

    rd1070-displacement
    図 5.

演習 2:軸対称境界条件によるフルモデルの小さな部分での解析

新しい解析のセットアップ

HyperMeshに戻って小さな部分を除いてすべての要素を削除し、軸対称解析の境界条件のセットアップを行います。

次のセクションに進む前に、軸対称問題の規準を確認します。形状が軸に関して対称な場合でも、荷重や境界条件が同じ軸に関して対称で無い場合、軸対称モデルとしてモデル化することはできません。下の図に軸対称モデルとしてモデル化できない例を示します。

1070_boundary
図 6. 左:軸対称でない荷重、右: 軸対称でない境界条件

軸対称モデルのセットアップ

  1. delete-24をクリックしてDelete panelに入るか、またはF2をクリックします。
  2. エンティティ選択スイッチがelemsにセットされていることを確認します。
  3. 黄色いボタンelemsをクリックし、拡張エンティティ選択ウィンドウを開いてby setsを選択します。
  4. SetAの前のチェックボックスをクリックします。
    SetAの前のチェックマークは、それが選択されていることを示します。
  5. selectをクリックします。
    選択された要素がハイライト表示されます
  6. delete entityをクリックし、選択された要素を削除します。
  7. returnをクリックしてDelete panelを終了します。
    残されたモデルの部分に適切な境界条件を与えて、軸対称モデルとしてモデル化します。

追加の境界条件の適用

軸対称条件は、全ての節点の接線 θ 方向の移動を拘束することにより与えます。これは、全ての節点にまず円筒座標系を与え、次にその全ての接線 θ 方向自由度を拘束します。
  1. Analysisページからパネルに入ります。
  2. assignラジオボタンを選択します。
  3. set:の正面のエンティティ選択スイッチにnodesがセットされていることを確認します。
  4. 黄色いボタンnodesをクリックし、拡張エンティティ選択ウィンドウを開いてallを選択します。
  5. 黄色いボタンsystemをクリックしてアクティブにし、モデリングウィンドウの赤い座標系を選択します。
  6. set displacementをクリックします。
    フッターバーのメッセージにThe analysis system has been assignedと表示されます。
  7. returnをクリックします。
モデルの全ての節点に円筒座標系が割り当てられます。円筒座標系のz-軸と、モデルの対称軸は一致します。ここで、円筒座標系が割り当てられた節点の接線方向自由度を拘束することにより、軸対称境界条件を与えます。

拘束の作成

  1. Modelブラウザで、Load Collectorsフォルダーを展開します。
  2. SPCsが現在のコンポーネントでない場合、SPCs上で右クリックし、Make CurrentをクリックしてSPCsを現在のコンポーネントにします。
  3. BCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsパネルを開きます。
  4. エンティティ選択スイッチがnodesにセットされていることを確認します。
  5. 黄色いボタンnodesをクリックし、拡張エンティティ選択ウィンドウを開いてallを選択します。
  6. dof2を拘束します。
    • チェックマークのついている自由度は拘束され、ついていないものはフリーとなります。
    • Dofs 1、2および3は、x、y、z方向の並進自由度を表します。
    • Dof 4、5、および6は、x、y、z方向の回転自由度を表します。
  7. createをクリックします。
    これで選択された節点にこれらの拘束条件が付与されます。
  8. returnをクリックし、メインメニューに戻ります。

次に、演習 1で完了したように、ジョブをサブミットします。

  1. Analysisページからパネルに入ります。
  2. ファイル名をaxi-symmetry_model.femとして、前のセクションでの説明と同様にしてジョブを実行します。
    ジョブが成功した場合、モデルファイルが書かれたディレクトリに新しいOptiStructファイルがあるはずです。axi-symmetry_model.outファイルには、エラーが表示された場合に入力デックのデバックを行う際の手助けとなるエラーメッセージが収められています。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 7. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてaxi-symmetry_modelと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、axi-symmetry_model.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、axi-symmetry_model.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

それぞれのサブケースの変位と応力の結果は、OptiStructから axi-symmetry_model.h3dファイルに出力されます。軸対称モデルからの結果はフルモデルの結果と一致するはずです。前に開かれたHyperViewセッションの結果ファイルを用いて、結果を比較します。
  1. HyperViewをクリックし、結果を確認します。
  2. Page LayoutアイコンpageLayoutSingle-24をクリックします。
  3. 2ウィンドウのレイアウトpageLayout2Vertical-24を選択します。
  4. 新しいウィンドウのモデリングウィンドウをクリックして新しいウィンドウをアクティブにします。
  5. fileOpenResults-24をクリックし、Load Model and Resultsパネルを開きます。
  6. ツールバーのLoad modelアイコンfileOpen-24をクリックし、 axi-symmetry_model.h3dを読み込みます。
    これで、選択された.h3d ファイルの完全なパスが欄に読み込まれます。Load results欄の隣にも同じパスが選択されている点にもご注目ください。
  7. Applyをクリックします。
  8. XZ Left Plane ViewviewAxisOrientationZXLeft-24をクリックし、Leftビューを表示します。
  9. ツールバーのContourアイコンresultsContour-16をクリックし、変位をコンター表示させます。
  10. 軸対称モデルとフルモデルの変位の結果を比較します。結果は下の図に示すように一致するはずです。同様に、応力や他の結果も一致します。

    1070_comp_disp
    図 8. 変位の結果の比較