/DT/AMS
Engineキーワード アドバンストマススケーリング(AMS: Advanced Mass Scaling)用の時間ステップアドバンストマススケーリングは要素時間ステップ手法の1つで、時間ステップを通常の要素または節点時間ステップよりも大きな値にに増やすことができます。
フォーマット
/DT/AMS/Iflag
Iflag=1または2の場合、次の行を挿入
Tol_AMS
Iflag=2の場合、次の行を挿入
NiterNprint
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
Iflag | 付加(オプション)行の数
|
|
限界時間ステップのスケールファクター を0.67に設定することが推奨されます。 デフォルト = 0.9 |
||
最小時間ステップ 2 | ||
Tol_AMS | AMS収束の許容値 デフォルト = 10-3 |
|
Niter | 共役勾配法の最大反復回数 デフォルト = 1000 |
|
Nprint | 共役勾配法での収束前に反復回数に関して付加的な出力を行う頻度(サイクル数) デフォルト = 0 |
コメント
- アドバンストマススケーリングを適用するには、Engineキーワード/DT/AMSおよびStarterキーワード/AMSが定義される必要があります。
- AMS時間ステップ法は、要素の時間ステップが下記未満となった際に要素に適用されます:
- Iflag=0の場合、Tol_AMS、Niter、Nprintのデフォルト値が使用されます。
- それぞれのサイクルで、AMSは節点加速度 を共役勾配法アルゴリズムを用いて反復計算で解きます(AMSを用いると質量行列は対角ではなくなるため)。
- 共役勾配法の収束は以下のの時に仮定されます:
(1) - Iflag = 2の場合、共役勾配法の最大反復回数Niterと付加出力の頻度Nprintが入力される必要があります。そうでない場合、共役勾配法の最大反復回数はデフォルト値 (1000)に設定され、付加的な出力は行われません。
- 共役勾配法の収束前にNiterよりも多い反復回数が実行された時、以下のメッセージが出力され計算は停止します:
"** ERROR: AMS IS LIKELY DIVERGING"
- Nprintが指定された場合Nprintサイクルごとに以下を含む付加的な出力がなされます: そのサイクルでの共役勾配法の収束前の反復回、最後の残差ノルムと力のベクトルのノルム。
- グループパートにアドバンストマススケーリングを使用できます。Radioss Starter入力デックでパートグループを指定する必要があります(/AMS)。計算時間のパフォーマンスを最適化するには、/AMSパートグループに属さないパートには古典的なマススケーリング/DT/NODA/CSTを適用することが推奨されます。例:
/DT/AMS/1 Tol_AMS /DT/NODA/CST
/DT/AMSと/DT/NODA/CSTが一緒に使用される際は、/DT/NODA/CSTは、/AMSでパートグループを用いてAMSと定義されていないパートにのみ適用されます。シミュレーションは常に最小時間ステップを使用するため、同じ を使用することもまた推奨されます。/AMSにパートグループが指定されていない場合、/DT/NODA/CSTであってもAMSはモデル全体に適用されます。
- Advanced Mass Scaling(AMS)では、全体質量が変化しないので、関連節点の全体運動量が保存されます。そのため、/DT/NODA/CSTよりも正確です。
- /DT/Eltyp/Keyword3は/DT/AMSと適合性があります(/DT/INTER/CSTは除きます。これは、/DT/AMSが適用されない節点にのみ適用されます)。
- /AMSと接触の非線形剛性インターフェースTYPE7、TYPE11またTYPE19を使用する場合は、Radioss Engine入力デックでの/DT/INTER/DELの使用が必要になる可能性があります; そうでない場合、AMSは収束が遅くなる可能性や、発散の可能性もあります。
- /DT/AMSに関する情報については、ユーザーガイドの適合性と制限事項(Advanced Mass Scaling (AMS)内)を参照してください)。