/PROP/TYPE12 (SPR_PUL)

フォーマット

定義

例

/UNIT/2
unit for prop
                  Mg                  mm                   s
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/SPR_PUL/1/2
pulley spring example with friction
#               Mass                               sensor_ID    Isflag     Ileng                Fric
              2.7e-5                                       0         0         0                   1
#                  K                   C                   A                   B                   D
               10000                .001                   0                   0                   0
#funct_ID1         H funct_ID2 funct_ID3 funct_ID4                     delta_min           delta_max
         1         0         0         0         0                             0                   0
#            Fscale1                   E             Ascalex                  H4
                   0                   0                   0                   0
# Fct_IDfr       Ifr            Yscale_F            Xscale_F               F_MIN               F_MAX
         2         1                   0                   0                -800                4500
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/1
non-linear elastic
#              Disp.               Force
#                  X                   Y
                  -1                -0.1                                                            
                   0                   0
                   1               10000				   
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FUNCT/2
friction function 
#              Force                Fric
#                  X                   Y
               -1000                 0.2                                                            
                1000                 0.2
                2000                 0.3                                                            
                4000                 0.9
                5000                 1.0
               10000                 1.0				
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#ENDDATA

コメント

1. このプロパティは、節点1と節点3がロープの末端、節点2がプーリー位置にある3節点/SPRING要素を用いてモデル化されています。

   
   
   図 1.

   節点1が節点2にスライドすると、プーリーを通して移動が不可能なノット（結び目）が節点1にあるかのように、ロッキングが起こります。

   
   
   図 2.

2. 力の計算：
   • I_leng =0（フラグI_lengは3行目で定義）の場合、スプリングの力は次の式で計算されます。(1)
     $$F=\mathrm{f}\left(\frac{{\delta }^1}{Ascal{e}_1}\right)\left[A_1+B_1\ln \left(\max \left(1,\left|\frac{{\dot{\delta }}^1}{D_1}\right|\right)\right)+E_1\mathrm{g}\left(\frac{{\dot{\delta }}^1}{F_1}\right)\right]+C_1{\dot{\delta }}^1+Hscal{e}_1\mathrm{h}\left(\frac{{\dot{\delta }}^1}{F_1}\right)$$

     ここで、 $-l_0<{\delta }^1<+\infty$

     ここで、 $\delta =l-l_0$ は、スプリング要素の現在の長さと初期の長さの差です。

   • I_leng = 1の場合、すべての入力は単位長さあたりの値になります：

     スプリングの質量 = $M\cdot l_0$

     スプリングの剛性 = $\frac{K}{l_0}$

     スプリングの減衰 = $\frac{C}{l_0}$

     スプリングの慣性 = $I\cdot l_0$

     ここで、 $l_0$ は、スプリングの基準長さです。

   • スプリングの力の値は次のように計算されます。(2)
     $$F=\mathrm{f}\left(\frac{\epsilon }{Ascal{e}_1}\right)\left[A_1+B_1\ln \left(\max \left(1,\left|\frac{\dot{\epsilon }}{D_1}\right|\right)\right)+E_1\mathrm{g}\left(\frac{\dot{\epsilon }}{F_1}\right)\right]+C_1\dot{\epsilon }+Hscal{e}_1\mathrm{h}\left(\frac{\dot{\epsilon }}{F_1}\right)$$
     ここで、 $\text{ε}$ は以下の式で表される工学ひずみです：(3)

     $$\epsilon =\frac{\delta }{l_0}$$

     工学ひずみと工学ひずみ速度に対して荷重関数を指定します。

     破壊基準は、ひずみに対して次のように定義されます。正 / 負の破壊限界の入力は、右記の初期長さに関係付ける必要があります； $l_0$

3. ${\delta }_{\min }^1$ （各 ${\delta }_{\max }^1$ ）が0の場合、その方向の破壊は発生しません。 ${\delta }_{\min }^1$ は負でなければなりません。線形スプリングの場合、 $\mathrm{f}\left(\delta \right)$ と $\mathrm{g}\left(\dot{\delta }\right)$ は0の関数になり、A₁、B₁、およびE₁は考慮されません。
4. スプリングはセンサーでアクティブ化かつ / または非アクティブ化されます：
   • sens_ID ≠ 0かつI_sflag = 0の場合、スプリング要素はsens_IDによってアクティブになります。
   • sens_ID ≠ 0かつI_sflag = 1の場合、スプリング要素はsens_IDによって非アクティブになります。
   • sens_ID $\ne$ 0かつI_sflag = 2の場合：
     • スプリングはsens_IDでアクティブ化かつ / または非アクティブ化されます：（センサーがONでスプリングはON、センサーがOFFでスプリングはOFF）。
     • スプリングの基準長さ（ $l_0$ ）は、センサーがアクティブになるときのスプリングの節点N1とN2の間の距離です。
5. スプリングをアクティブまたは非アクティブにするためにセンサーを使用する場合、センサーによってスプリングがアクティブ（または非アクティブ）になるときのスプリングの基準長さは時刻0における節点間の距離に等しくなります（ただし、センサーフラグが2の場合を除きます）。
6. 摩擦モデル定義：

   
   
   図 3.

   • fct_ID_frかつFric = 0（摩擦なし）の場合、 $\left|F_1\right|=\left|F_2\right|$ 。
   • fct_ID_fr = 0かつFric > 0の場合は、一定のクーロン摩擦係数が使用されます： $\mu =Fric=\mathrm{const}.$
   • fct_IDfr > 0の場合は、2つのプーリーブランチ間の相対力に関する関数として可変摩擦が計算されます：

     Ifr= 0（対称挙動） $\text{Δ}F=\left|F_1-F_2\right|$

     Ifr= 1（非対称挙動） $\text{Δ}F=F_1-F_2$

     摩擦力 $F_{fr}$ は次のように計算されます：(4)

     $$F_{fr}=\min \left\{\left|\text{Δ}F\right|,\max \left[0,\left(F_1+F_2\right)\cdot \tanh \left(\frac{\beta \cdot \mu }{2}\right)\right]\right\}\cdot sig\left(\text{Δ}F\right)$$
     ここで、(5)

     $$\mu ={\text{f}}_{fr}\left(\frac{\text{Δ}F}{Xscale\_F}\right)\cdot Yscale\_F$$

     $\beta$

     角度（単位はラジアン）

     $f_{fr}$

     fct_IDの関数_fr

   • I_fr = 1（非対称挙動）の場合、F_min （またはF_maxに達すると、摩擦は永久に、摩擦定義から一定値Fricに切り替えられます。

     
     
     図 4.

     そうでない場合、摩擦の値は入力関数fct_ID_frに従って定義されます。