/PROP/TYPE21 (TSH_ORTH)

ブロックフォーマットのキーワード このプロパティは、直交異方性厚肉シェルプロパティセットの定義に使用されます。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/PROP/TYPE21/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/TSH_ORTH/prop_ID/unit_ID
prop_title
Isolid Ismstr     Icstr Inpts     dn
qa qb            
VX VY VZ Skew_ID Iorth    
ϕ                
Δ t min MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbbG8FasPYRqj0=yi0dXdbba9pGe9xq=JbbG8A8frFve9 Fve9Ff0dmeaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaacaqGuoGaam iDamaaBaaaleaaciGGTbGaaiyAaiaac6gaaeqaaaaa@3B70@                

定義

フィールド 内容 SI単位の例
prop_ID プロパティの識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位識別子

(整数、最大10桁)

 
prop_title プロパティのタイトル

(文字、最大100文字)

 
Isolid ソリッド要素定式化フラグ。
= 0
/DEF/SOLIDを使用。
= 14
HA8ロックフリー/8節点厚肉シェル要素、共回転、完全積分、すべての方向におけるさまざまな数のGauss点
= 15
HSEPH/PA6厚肉シェル(それぞれ8節点と6節点)、共回転、物理的安定性を伴う低減積分(平面内に1つの求積点)、板厚方向におけるさまざまな数の積分点

(整数)

 
Ismstr 微小ひずみ定式化フラグ。 3
= -1
要素タイプと材料則を基に最適な値を自動的に定義
= 0
/DEF_SOLIDの値を使用
= 1
時間 = 0以降の微小ひずみ。
= 2
Radioss Engine(/DT/Eltyp/Keyword3/Iflag)での微小ひずみ定式化が可能である完全幾何非線形性
= 3
時間=0以降の簡易微小ひずみ定式化(実現象に即していない定式化)。
= 4 /DEF_SOLIDが定義されていない場合のデフォルト
完全幾何非線形性(/DT/BRICK/CSTによる影響はありません)

(整数)

 
Icstr 一定応力定式化フラグIsolid = 14に対してのみ有効(HA8のみ) 1
= 001
t方向における低減応力積分
= 010(デフォルト)
s方向における低減応力積分
= 100
r方向における低減応力積分

(整数)

 
Inpts 積分点の数
= j
1 < j < 9、 Isolid =15の場合
= ijk
2 < i,j,k < 9、 Isolid =14の場合

(整数)

ここで、
i
r方向の積分点の数
j
s方向の積分点の数
k
t方向の積分点の数
 
dn 安定化のための数値減衰Isolid =15に対してのみ有効

デフォルト = 0.1(実数)

 
qa 2次体積粘性。

デフォルト = 1.10(実数)

デフォルト = 0.0(/MAT/LAW70の場合)

 
qb 線形体積粘性。

デフォルト = 0.05(実数)

デフォルト = 0.0(/MAT/LAW70の場合)

 
VX 参照ベクトルのX成分

(実数)

 
VY 参照ベクトルのY成分

(実数)

 
VZ 参照ベクトルのZ成分

(実数)

 
Skew_ID スキューの識別子

局所スキューが定義されている場合、そのX軸が参照ベクトルと置き換わります(VXVYおよびVZは無視されます)。

(整数)

 
Iorth 参照ベクトル用の直交異方性座標系定式化フラグ
= 0(デフォルト)
直交異方性の第1軸は正規直交共回転要素の座標系に対して一定の角度に保たれます。
= 1
直交異方性の第1方向は非正規直交アイソパラメトリック座標に対して一定に保たれます。

(整数)

 
ϕ 直交異方性の第1方向の角度

(実数)

[ deg ]
Δ t min MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aqatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbbG8FasPYRqj0=yi0dXdbba9pGe9xq=JbbG8A8frFve9 Fve9Ff0dmeaabaqaciGacaGaaeqabaWaaeaaeaaakeaacaqGuoGaam iDamaaBaaaleaaciGGTbGaaiyAaiaac6gaaeqaaaaa@3B70@ 最小時間ステップ

デフォルト = 106(実数)

[ s ]


prop_type21_example
図 1. 材料方向(繊維方向)m1を定義するスキューおよび角度 ϕ
#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  1. SKEWS & FRAMES:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/SKEW/FIX/1
New SKEW 1
#                 OX                  OY                  OZ
                   0                 100                   0
#                 X1                  Y1                  Z1
                   1                   1                   0
#                 X2                  Y2                  Z2
   -.408248290463863    .408248290463863    .816496580927726
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. LOCAL_UNIT_SYSTEM:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
#              MUNIT               LUNIT               TUNIT
                  kg                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  3. GEOMETRICAL SETS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/TYPE21/1/2
TSH_ORTH example
#   Isolid    Ismstr                         Icstr     Inpts                                      dn
        14         0                           010       222                                       0
#                q_a                 q_b                   
                   0                   0                   
#                 Vx                  Vy                  Vz   skew_ID     Iorth          
                   0                   0                   0         1         0
#        Ortho_angle
                  90
#             dt_min
                   0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. 板厚方向:
    • デフォルトでは、要素は厚肉シェルが要素の“s”方向を向くよう方向付けされていなくてはなりません。
    • ただし、Isolid=14(HA8)の使用時は、一定応力フラグIcstrを用いて異なる板厚方向を指定することが可能です。
      注: プリプロセッサを用いて要素の局所座標系の向きをチェックします。


      図 2.
      r、s、t
      アイソパラメトリックフレーム
      r
      (1、2、6、5)の中心から(4、3、7、8)の中心まで
      s
      (1、2、3、4)の中心から(5、6、7、8)の中心まで
      t
      (1、4、8、5)の中心から(2、3、7、6)の中心まで
  2. Icstr - 非低減応力積分
    Isolid=14(HA8)の場合、低減積分方向、シェルの板厚方向はパラメータIcstrによって設定できます。このパラメータは、ソリッド要素について標準のr-s-t 要素座標系に対応した“0”と“1”の3桁のシーケンスを表します。
    0
    対応する方向において低減応力積分は行われない
    1
    低減積分はこの方向で使用される

    例:

    010”は、低減積分が使用され、板厚方向は軸“s”に対応することを意味します。

  3. 自動設定オプションIsmstr = Icpre = Iframe=-1を使用すると、これらのオプションの値は、要素の定式化、要素タイプ、および材料に基づく最適なオプションが使用されます。または、Ismstr = Icpre = Iframe=-2を指定すると、このプロパティで定義されたこれらのオプションの値は、要素タイプおよび材料則に基づく最適な値 (/DEF_SOLID) で上書きされます。Radiossで指定された値を確認する場合、Starter出力ファイルの“PART ELEMENT/MATERIAL PARAMETER REVIEW” セクションを確認します。
  4. Ismstr - 微小ひずみ定式化フラグ
    • 微小ひずみオプションを設定した場合(Ismstr =1、3)、材料則で使用されるひずみと応力が工学ひずみと工学応力になります。それ以外の場合は、真ひずみと真応力になります。
    • バージョン2017より、シミュレーション中に体積が負になるLagrange要素は、シミュレーションを継続できるよう、自動的にひずみ定式化を切り替えます。これが発生すると、WARNINGメッセージがEngine出力ファイルに出力されます。以下のオプションがサポートされています。
      要素タイプ 要素定式化 ひずみ定式化 負の体積の処理方法
      /BRICK Isolid = 14、15 完全に幾何学的非線形

      Ismstr = 2、4

      負の体積になる前のサイクルの要素形状を使用した微小ひずみに切り替え
  5. Isolid - ソリッド要素定式化フラグ
    • Isolid = 15とし、1以外の積分点の数を指定して/MAT/LAW1 (ELAST)に対してプロパティを使用した場合、積分点の数は2に設定されます(曲げを正しく計算するには十分です)。
    • Isolid=15で五面体要素を使用する場合、/PENTA6要素が推奨されますが、生成された/BRICK要素が使用されることも可能です。
  6. 局所座標系での直交異方性
    • 厚肉シェルの直交異方性は平面です。直交異方性の第3方向はシェル平面の法線と一致しています。
    • 全体ベクトル V MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaaCOvaaaa@36D5@ またはskew_IDは、直交異方性方向の定義に使用されます。
    • ϕ は、直交異方性の第1方向とシェルの平均平面(r, t)上に投影された参照ベクトルの間の角度です。単位は度で与えます。


      図 3.
  7. ポスト処理用出力
    • ソリッド要素応力のポスト処理について、アニメーションは/ANIM/BRICK/TENS/STRESS/H3D/SOLID/TENS/STRESSを、プロットファイルは/TH/BRICKをご参照ください。