リアトーションビーム式サスペンション

rear twist beamは、”トーションビームアクスル”サスペンションとも言われます。車両がロールする時に車軸がねじれる(ツイストする)必要があるために、ツイスト車軸と呼ばれます。ビームは2つのトレーリングアームをまとめ、そのトレーリングアームが互いに関連して動くときに、ねじりによってサスペンションのロール剛性を実現します。このサスペンションは、低価格の小型乗用車で広く使用されます。



図 1. リアトーションビーム式サスペンション
3タイプのトーションビーム式サスペンションシステムがあります。違いは、クロスビームの位置です。
  • ブッシュの中央にビームがあるタイプ
  • ブッシュとホイール中心間の途中までビームがあるタイプ
  • ホイールの中央にクロスビームがあるタイプ

上記の図は、2番目のタイプの、後輪のトーションビーム式サスペンションシステムです。モデルは簡単に変更でき、3タイプの車軸をすべて表すことができます。

モデルでの使用

rear twist beamサスペンションシステムは、車両半分の解析またはフルビークルの解析のどちらでも使用できます。デフォルトの形状および質量は乗用車または小型トラックと同じですが、モデルおよびデータは、大型トラックから縮尺モデルの車まで、任意のサイズの車両を反映するように修正できます。
注:
  • ホイールボディは、タイヤおよびリムの質量と慣性を表します。
  • ホイールハブボディは、ブレーキローターなど、回転する他のボディの質量と慣性を表しますが、サスペンションを駆動する場合、このボディではハーフシャフトの質量と慣性は使われません。ホイールハブおよびブレーキローターには、関連するグラフィックスはありません。
  • ホイールおよびホイールハブのパーツでは、重心としてWheel CGの位置が使用されます。
  • 各ボディの重心(CG)は、ボディの形状から推定されます。その数式はPointパネルにコード化されていて、グラフィカルユーザーインターフェースで表示できます。より正確なCG位置がわかる場合は、それを使用してください。
  • モデルには、車軸のねじり部分を表すビームが含まれています。これは、車両プログラムの初期段階における車軸を適切に表しています。設計が改良されると、軸のねじりを弾性体で表す必要があります。
ヒント:
  • Assembly Wizardを使用すると、サスペンションとサブシステムとの多彩な組み合わせを構築できます。グラフィカルユーザーインターフェースを使用して、システムを構築し、作成したモデルを理解することをお勧めします。

    新しいサスペンションモデルを構築するときは、モデルに含まれるオプションのシステム(スタビライザーバーなど)をすべて使用してモデルを構築します。Projectブラウザを使用してオプションのシステムを直ちにオフにし、ベースサスペンションに対する解析を実行して適切な解が得られるようにします。オプションのシステムでデータを利用できるようになったら、これらオプションのシステムをアクティブにしてデータを読み込みます。



図 2. ツイストビーム式サスペンションとパワートレインを使用する車両後ろ半分のモデル
以下の図では、すべての構成要素を取り入れたリアサスペンションモデルのシステムをProjectブラウザビューで表示しています。リアトーションビーム式サスペンションシステムには、5つの“子”システムがあります。


図 3. トーションビーム式式サスペンションを使用する車両後ろ半分のモデルのシステムおよびサブシステムのブラウザ表示

アタッチメント

アタッチメントでは、サスペンションシステムと車両の他の部分との結合方法を決定します。rear twist beamには、トレーリングアームとオプションのトラックバー用のアタッチメントがあります。
エンティティ 結合先
トレーリングアーム、トラックバー デフォルト:サブフレーム

サブフレームがない場合:車体

車体がない場合:Ground

Attachment Wizardを使用するか、Projectブラウザでサブシステムを選択してSystem/Assemblyパネルでアタッチメントを修正することで、任意のアタッチメントを設定することもできます。

ポイント

ポイントによって、サスペンション内のジョイントとブッシュの位置を定めます。以下の図に、rear twist beamサスペンションの主要ポイントを示します。


図 4. 右側の主要ポイント – リアトーションビーム式サスペンション
注: 上の図では、わかりやすいように、サスペンションの左側、ボディの重心位置を規定するポイント、およびオプションのサブシステム(スプリング、ダンパ、バンプストップ、およびスタビライザーバー)の位置を規定するポイントは省略されています。

ボディ

rear twist beamサスペンションは、以下の図に示すボディで構成されています。


図 5. 右側のボディ – リアトレーリングアーム式サスペンション
注:

ブッシュおよびジョイント

以下の表に、rear twist beamサスペンションのボディ、ブッシュ、およびジョイントを示します。
注: 表では、わかりやすくするために、左側のジョイントは省略されています。
ラベル Type Body 1 Body 2 ポイント
Wheel Spindle Joint 回転 ホイールハブ ナックル ホイール中心  
ホイールハブ固定ジョイント 固定 ホイール ホイールハブ ホイール中心 Spindle complianceオプションがYesに設定されると、ジョイントタイプがユニバーサルに変更されます。
Trailing Arm Bush 回転 ナックル 車体 トレーリングフレーム  
以下の図に、サスペンションでジョイントとブッシュが占める位置を示します。


図 6. 右側のジョイントとブッシュ:リアトーションビーム式サスペンション

ビーム

rear twist beamサスペンションには、サスペンションでのシングルビームの動作をシミュレーションする2つのビームがあります。せん断の中心を、領域の重心とは別に定義できるように、2つのビームが使用されます。U字型ビームでは、通常、せん断の中心が領域の重心と別でなければなりません。シングルビームが必要な場合は、ビームの1つを削除して、すべてのビームプロパティを入力します。


図 7. リアトーションビーム式サスペンションで使用されるビーム