レイヤーフィルター

レイヤーフィルターは、レイヤー(層)を有するデータタイプ(例えば、複合材の応力 / ひずみの積層、または層を含むテンソル結果など)について、Contourパネル、Isoパネル、VectorパネルおよびTensorパネル内で使用可能なレイヤーリストを縮小します。

これは、異なる層(積層)のセットが別々の材料に属していたり、異なる層のセットが一定の方向を向いている(0/45/90度の積層)ような場合の複合材のポスト処理において重要です。また、一定の方向を向いていたり特別な材料でできているすべての積層の最大応力または最小破壊指数を求める際にも注目されます。
層を含むデータタイプが選択されている際は常に、フィルターが使用できます。


図 1.
注: データタイプがいかなる層も有しない場合、フィルターは使用できません(または、グレイアウトされています)。

レイヤーリストがフィルタリングされると(フィルターアイコンの周りがオレンジ色でハイライト表示されていると、オンであることを示す)、縮小されたリストにMin/Max/Extreme/Sum/Average/Rangeの集計が可能になります。例えば、一定の方向を向く積層にレイヤーフィルターを適用し、この縮小された積層リストにLayers集計モードのSumを選択すると、その方向の積層群について厚みが合計されます。

フィルターの有効性

いずれのフィルターも選択 / 適用が可能で、データタイプはパネルのResultタイプドロップダウンメニューから変更することができます。選択されたデータタイプがフィルター内の完全なレイヤーリストの正確な数とラベルに一致する層を有する場合、そのフィルターは有効です。レイヤーリスト内に表示される利用可能な層は、フィルターをベースとしています。

変更されたデータタイプがフィルター内の完全なレイヤーリストの数とラベルに一致しない場合、無効なアイコンまたは壊れたフィルターのアイコンが示されます。フィルターがアクティブであったとしてもそれは有効ではなく、レイヤーのフルリストが対応するデータタイプについて表示されます。無効な / 壊れたフィルターは、レイヤーリストにNoneに等しい影響を与えます。

例えば、あるフィルターがPly1、Ply3、Ply5、Ply5について定義されていながら、パネル内で選択されたデータタイプはZ1層およびZ2層のStressである場合、無効なフィルターのアイコンが表示され、そのデータタイプについての層の全てが表示されます:


図 2.

壊れたフィルターを再度有効にするには、単に元のデータタイプ、もしくは同じ完全なリストを有するデータタイプ(例えばComposite StressとComposite Strain)を有する新しいデータタイプに戻すと、正常なフィルターのアイコンが復元されます。

レジェンド

コンター / アイソプロットのレジェンドは、レイヤー集計の横にフィルターの名称を表示します:


図 3.
注: アクティブなフィルターが無効なフィルターである場合、レジェンドはフィルター名を表示しません。

一般的な注意事項

  • フィルターはアクティブなモデルについてのみ定義され、オーバーレイされたモデルや、セッション内の他のポストウィンドウでは(明示的に定義されていない限り)使用できません。
  • パネル(Contour/Iso/Vector/Tensor)のうちの1つで定義されたフィルターは、そのウィンドウ内のすべてのパネルで使用可能です。
  • セッションファイル / レポートテンプレートは、復元または比較のためにフィルター定義を保存します。レポートテンプレートのインスタンス化によって発生した無効なフィルターは、Filter Validityセクションで定義されたのと同じ方法で処理されます(フィルターはONとして表示されますが、実際には影響を及ぼしません)。
  • H3Dは定義されたとおりフィルターをエクスポートしますが、いくつの層がH3Dに含まれるかに依存し、読み戻す際にフィルターが無効となることもあります。例えば、スカラー最大フォンミーゼスがフルテンソルに代わってエクスポートされる場合、H3Dには1つの層の情報のみが書き出されます。ファイルを読み戻す際、フィルターは無効になります。
  • ウィンドウまたはパネル間で切り替えを行うと、フィルターの状態は、その時点で適用されているコンター / アイソ /ベクトル / テンソルプロットについて有効な状態にリセットされます。