HiLock

制約事項: NastranおよびOptiStructで使用できます。

HiLockリアライゼーションタイプは、PSHELLおよびPCOMP要素の並列組み合わせに使用でき、RBARCBARCBUSH要素で構成される1D要素を作成します。

外側の拡張は、外側のシェル要素の厚みを表現します。RBAR要素の内側の節点は、シェル要素と結合され、CBAR要素の内側の節点はシェルの節点と一致します。適切な結合された節点と一致した節点の間に、CBUSH要素が作成されます。外側の各節点は、1つのCBARと1つのRBARを結合します。

各HiLock結合により、HiLockの方向と平行なZ軸を持つそれぞれの座標系が作成されます。関係するすべての節点はこの座標系に割り当てられ、CBAR要素の自由度定義、CBUSH要素の剛性計算、節点自由度の拘束時に参照されます。

このリアライゼーションは、シェル特性と材料(PSHELLまたはPCOMP)、および定義可能なHiLock材料を外側節点の確実な位置とPBUSH要素の剛性の計算に使用します。


図 1.


図 2.

また、このリアライゼーションは、prop_opt_nas_hilock.tclプロパティスクリプトを使用します。

詳細と必要条件

確実なリアライゼーションのためにいくつかの必要条件を満たす必要があります。
  • 複合材の場合、PCOMPカードでlaminateオプションが空白またはSYM (symmetric) が設定されている場合にのみサポートされる。MEM、BEND、SMEAR、およびSMCOREオプションは、HiLockリアライゼーションをサポートしないため、使用した場合はリアライゼーションは正しく行われない。
  • 接合されるシェルはお互いが平行で、平面。
  • 留め具はシェルに対して直角。
  • 要素座標系、材料座標系、留め具の座標系のZ軸はすべて同じ向き。
  • 剛性は、シェルが完全に平面で平行であるという仮定に基づき計算される。小さな面の逸脱は、予想された剛性にはほとんど影響を与えないが、大きな逸脱は座標変換を必要とする。
  • HiLockと節点を共有するシェル要素(各レイヤーで分割)は、同じプロパティ、材料、材料方向、近いサイズであることが必要。投影先の要素属性は、周辺の他の要素と同じであると想定される(Averaging Methodは使用されない)。

剛性計算に必要な属性が存在しない場合、コネクターは作成されず、エラーメッセージがステータスバーに表示されます。

リアライゼーションには、コネクター位置近くの節点が必要となります。十分な節点が利用可能な状態でない場合、作成される要素は同一線上になく、HiLockは問題のある形状となります。

HiLockリアライゼーションの構成と定義

すべてのHiLock要素(RBARCBARCBUSH)が、リアライゼーション実行中に作成され、HiLockという名前のコンポーネントとして構成されます。

以下のpropertyコレクターが作成されます:
HiLock_PBAR_<diameter>
関連するPBARカードと共に作成されます。RBAR要素はこのプロパティを参照します。属性は、リアライゼーション中にSpotパネルで定義される直径に応じて計算されます。
HiLock_PBUSH_<translational stiffness>_<rotational stiffness>
関連するPBUSHカードと共に作成されます。CBUSH要素はこのプロパティを参照します。属性は、選択されたHiLock材料、プロパティ、および結合されたシェルの材料に基づき計算されます(PSHELLまたはPCOMP)。
以下の荷重コレクターが作成されます。
HiLock_SPC6
各HiLock用に作成されたSPCは、ここに移動されます。
以下のシステムコレクターが作成されます。
HiLock
リアライゼーション中に作成された座標系はこのコレクターに移動されます。このコレクターがすでに存在する場合、新規に作成されたすべての座標系は同じコレクターに移動されます。
HiLock材料が選択されていない場合、デフォルトの材料が作成されます。
HiLock_MAT1
この材料は、PBARカードに割り当てられ、インストレーションディレクトリの下の以下のフォルダから探すことができます。[hm_scripts_dir]/connectors/HiLock_Mats.
定義済みの値:
  • set E 1.8+07
  • set G 4.7e+04
  • set NU 0.330
  • set RHO 8.9e-09set A 1.7e-05

HiLock材料オプション

HiLockコネクターを作成する場合、Connector エンティティエディターを使用して個々のコネクターにHiLock Material Optionを選択することができます。

From current model
カレントモデルから既存の材料を選択します。
From search folder(デフォルト)
HiLockリアライゼーションの場合、材料の検索フォルダはHiLock_Matsです。HyperMeshは、このフォルダを特定するため、以下の場所を順番で検索していきます。
  1. インストレーション:[hm_scripts_dir]/connectors/Hilock_Mats
  2. ユーザーディレクトリ:[USER_HOME]/HiLock_Mats
  3. HyperWorksコンフィグレーションパスフォルダ:[HW_CONFIG_PATH]/Hilock_Mats
  4. 現在の作業ディレクトリ:[CURRENTWORKINGDIR]/HiLock_Mats
Connector エンティティエディターでは、HiLock Material Folder欄には、最後に検出されたフォルダの名前が表示されています。このHiLock_Matsフォルダ内のファイルだけが考慮されHiLock Material File欄で選択することができます。
デフォルトでは、フォルダ内の最初のファイルリスト(アルファベット順)が自動的にHiLock Material File欄に表示され、パネルを使用したコネクターのリアライズ時に使用されます。このため、HiLock_Matsフォルダ内には、有効な材料ファイルのみを置くことが重要です。


図 3.
From connector metadata
HiLock Materialオプションの“From Search Folder”でコネクターがリアライズされると、フォルダーとファイル名がコネクターのメタデータとして書き出されます。フォルダデータは関連性を保った状態で保存され、材料が正しいフォルダに保存されていれば、異なる作業環境で全く同じようにしてリアライゼーションを行うことを可能にします。
材料がメタデータとして有効でない場合、リアライゼーションはできず、以下のメッセージが表示されます:Material file/id not found.


図 4.

複合材パートにおける軸受剛性の計算

fastenerコンタクトを持つ複合材プレートの合成された並進軸受剛性
これらの値は接合部のすべての複合材プレート用に定義されます。
各層のベアリング剛性を合計した後 n=複合板の積層数:
S x b t = i = 1 n S i x b t = i = 1 n t i 1 Q 11 ( i ) ¯ + 1 E c f
S y b t = i = 1 n S i y b t = i = 1 n t i 1 Q 22 ( i ) ¯ + 1 E c f
i層のジョイントにおけるXおよびYの並進方向の軸受剛性
S i x b t = 1 C i x b t = t i 1 Q 11 ( i ) ¯ + 1 E c f
S i y b t = 1 C i y b t = t i 1 Q 22 ( i ) ¯ + 1 E c f
層 i における変換後のi層のXおよびY方向の縮退剛性。
Q 11 ( i ) ¯ = Q 11 ( i ) m i 4 + 2 ( Q 12 ( i ) + Q 66 ( i ) ) m i 2 n i 2 + Q 22 ( i ) n i 4
Q 22 ( i ) ¯ = Q 11 ( i ) n i 4 + 2 ( Q 12 ( i ) + Q 66 ( i ) ) m i 2 n i 2 + Q 22 ( i ) m i 4

Where,

m i = cos θ i n i = sin θ i

(theta = angle of orientation for ply i)

層iの縮退剛性マトリックスの0ではない成分
(1)

CQUAD4要素内の層iの繊維方向角度


図 5.
座標系によるCQUAD4の材料方向


図 6.
plate-fastenerコンタクトの回転軸受剛性


図 7.

金属パートにおける軸受剛性の計算

fastenerコンタクトを持つ金属プレートの合成された並進軸受剛性
各層のベアリング剛性を合計した後、n=複合板の積層数:
S xbt = S ybt = t 1 v 2 E + 1 E cf MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaam4uamaaBa aaleaacaWG4bGaamOyaiaadshaaeqaaOGaeyypa0Jaam4uamaaBaaa leaacaWG5bGaamOyaiaadshaaeqaaOGaeyypa0ZaaSaaaeaacaWG0b aabaWaaSaaaeaacaaIXaGaeyOeI0IaamODamaaCaaaleqabaGaaGOm aaaaaOqaaiaadweaaaGaey4kaSYaaSaaaeaacaaIXaaabaGaamyram aaBaaaleaacaWGJbGaamOzaaqabaaaaaaaaaa@49C8@
ここで、
t
金属パートの板厚
E
金属(等方性)パートの圧縮弾性率
v
ポアソン比
fastenerコンタクトを持つ金属プレートの回転軸受剛性
S xbr = S ybr = 1 12 · t 3 1 v 2 E + 1 E cf MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaam4uamaaBa aaleaacaWG4bGaamOyaiaadkhaaeqaaOGaeyypa0Jaam4uamaaBaaa leaacaWG5bGaamOyaiaadkhaaeqaaOGaeyypa0ZaaSaaaeaacaaIXa aabaGaaGymaiaaikdaaaGaeS4JPF2aaSaaaeaacaWG0bWaaWbaaSqa beaacaaIZaaaaaGcbaWaaSaaaeaacaaIXaGaeyOeI0IaamODamaaCa aaleqabaGaaGOmaaaaaOqaaiaadweaaaGaey4kaSYaaSaaaeaacaaI XaaabaGaamyramaaBaaaleaacaWGJbGaamOzaaqabaaaaaaaaaa@4F6A@
ここで、
t
金属パートの板厚
E
金属(等方性)パートの圧縮弾性率
v
ポアソン比