OS-T:1395 RADSNDを使用したスピーカーの音場解析

本チュートリアルでは、RADSND法を用いて2.1スピーカーの音場解析を行う方法について説明します。

この手法は、節点を離散音源と仮定することにより放射音を測定します。


図 1. FEモデル

このモデルについて周波数応答解析が行われ、マイクポイントにおける音圧レベルを測定します。Figure 1では、2.1スピーカーは、各節点にそれらが振動するよう調和変位が付与されたシェル要素によって示されています。スピーカーの振動は、マイクポイントで測定される音波を生み出します。結果、変位と音圧レベルは、HyperViewで確認されます。

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. OptiStruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したspeaker_RADSND.femファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    speaker_RADSND.femデータベースは現在のHyperMeshセッションに読み込まれ、既存データは置き換えられます。

モデルのセットアップ

本ステップでは、材料とプロパティの作成、およびプロパティの割り当てを行います。

材料の生成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、コンテキストメニューからCreate > Materialを選択します。
  2. NameにAluminumと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからMAT1を選択します。
  5. Eに70E9と入力します。
  6. NUに0.3と入力します。

プロパティの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Propertyを選択します。
  2. NameにShellと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからPSHELLを選択し、確認に対してYesをクリックします。
  5. MaterialにMaterialを選択します。
  6. Select Materialダイアログで、材料のリストからAluminumを選択し、OKをクリックします。
  7. Thicknessに0.01と入力します。

プロパティの割り当て

ModelブラウザComponent > Speakerをクリックし、下の画像に示すとおりデータを入力します。


図 2.

荷重と境界条件の適用

このステップでは、荷重コレクターを作成し、境界条件を設定します。

SPC荷重コレクターの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. NameにSPCと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Analysis panelに切り替え、constraintsオプションを選択します。
  5. スピーカーの節点をすべて選択し、すべての自由度をアクティブにしてそれぞれに0と入力します。
  6. Load TypeにSPCを選択し、returnをクリックします。

SPCD荷重コレクターの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. NameにSPCDと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Analysis panelに切り替え、constraintsオプションを選択します。
  5. スピーカーの節点をすべて選択し、DOF 3をアクティブにして1E-5と入力します。
  6. Load TypeにSPCDを選択し、returnをクリックします。

周波数セットの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFreqと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからFREQiを選択します。
  5. FREQ1オプションにチェックマークを入れ、NUMBER_OF_FREQ1に1と入力します。
  6. 次の情報を入力します:
    1. F1に、0.0と入力します。
    2. DFに、5.0と入力します。
    3. NDFに、15と入力します。
  7. Closeをクリックします。
    これは、0.0から始まり、5.0と15の周波数で増分された周波数のセットを提供します。

周波数範囲の表の生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにtabled1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからTABLED1を選択します。
  5. TABLED1_NUMに値2を入力し、Enterを押します。
  6. TABLED1_NUMの下のTableアイコンをクリックし、以下の値を入力します:
    1. x(1) = 0.0
    2. y(1) = 1.0
    3. x(2) = 100.0
    4. y(2) = 1.0
  7. Closeをクリックします。
    これで、周波数域0.0から100.0まで、この範囲での一定値1.0が設定されました。

周波数依存荷重の作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameに、Rload1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからrolad1を選択します。
  5. EXCITEIDに、Loadcolをクリックします。
  6. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからSPCDを選択し、OKをクリックします。
  7. TDに、tabled1荷重コレクターを選択します。
  8. TYPEにDISPを選択します。
    これは、加振のタイプを与えます。加振のタイプとしては、荷重(力またはモーメント)、強制変位、速度、または加速度が可能です。RLOAD1カードのTYPE欄で荷重のタイプを定義します。タイプはデフォルトでapplied loadにセットされます。

動的荷重の生成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameに、Dloadと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからDLOADを選択します。
  5. Sに1と入力します。
  6. DLOAD_NUM=に1を入力します。
  7. Sに1と入力します。
  8. Lに、RLOADを選択します。

荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameに、DFREQと入力します。
  3. Analysis typeに、ドロップダウンメニューからFreq.resp (direct)を選択します。
  4. SPCに、Select LoadcolダイアログからSPCを選択します。
  5. DLOADに、Select LoadcolダイアログからDloadを選択します。
  6. FREQに、Select LoadcolダイアログからFreqを選択します。

RADSNDパネルのセットアップ

本ステップでは、RADSNDパネルの作成とセットアップを行います。

サーフェス節点セットの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Setを選択します。
  2. Nameに、Surface_Nodesと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからSET_GRIDを選択します。
  4. Entity IDにNodesを選択し、スピーカーの節点をすべて選んでproceedをクリックします。

Mic節点セットの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Setを選択します。
  2. Nameに、Micと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからSET_GRIDを選択します。
  4. Entity IDにNodesを選択し、レシーバーコンポーネントの節点をすべて選んでproceedをクリックします。

PANELGの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Setを選択します。
  2. Nameに、PANELと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからPANELGを選択します。
  4. Typeに、SOUNDを選択します。
  5. GSIDに、セットのリストからSurface_Nodesを選択します。

RADSNDの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Setを選択します。
  2. Nameに、RADSNDと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからRADSNDを選択します。
  4. Entity IDsに、セットのリストからMicを選択します。
  5. RADSND_NUM_PANELに1を入力します。
  6. PIDに、セットのリストからPANELを選択します。

出力コントロールパラメータの定義

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. ACMODLをクリックし、DSKNEPSに対し値5を入力し、returnをクリックします。
  3. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  4. DISPLACEMENTSPLを選択し、returnをクリック します。
  5. GLOBAL_CASE_CONTROLをクリックします。
  6. RADSNDをクリックし、セットのリストからSID = RADSNDを選択します。
  7. コントロールカードページPARAM内の、PARAMの下で、SPLCSPLREFDBおよびSPLRHOを選択し、下の図に示すとおり情報を入力します。


    図 3.
  8. Enterを2回クリックし、メインメニューに戻ります。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。


    図 4.
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてSpeaker_RADSND.femと入力します。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、ジョブをサブミットします。
    ジョブが成功した場合、Speaker_RADSND.outファイルが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、Speaker_RADSND.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
    そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
    Speaker_RADSND.html
    問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
    Speaker_RADSND.out
    シミュレーション開始前のモデルチェック、非線形反復計算履歴、および実行結果のいくつかの基礎的情報を与えるASCIIベースの出力ファイル。
    Speaker_RADSND.h3d
    圧縮されたHyperViewバイナリ結果ファイル。
    Speaker_RADSND.stat
    解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供する、解析のプロセスの要約。

結果の表示

  1. コマンドウィンドウ内にメッセージProcess completed successfullyが表示されたら、HyperViewをクリックします。
  2. 結果を開き、周波数75hzにおける音響圧力をプロットします。
  3. ツールバー上で(Contour)をクリックします。
  4. Result typeの下の2つ目のドロップダウンメニューからSound Pressure Levelを選択し、コンポーネントとしてreceiverを選択します。


    図 5.