OS-T:1365 接触する固体ブロックのNLSTAT解析

本チュートリアルの目的は、弾塑性材料、接触、前の非線形荷重ケースに引き続く非線形解を含む、OptiStructの非線形陰的微小変位解析の実行を示すことにあります。

Figure 1は、本チュートリアルに使用される構造モデルを示します。2つの四角い固体ブロックは、弾塑性スチール材料から成っています。ブロックの寸法と材料パラメータは、Figure 1のとおりです。

最初の非線形サブケースで、圧力が上の固体ブロックに作用します。その上部の角は、X方向とY方向が拘束されています。上の固体は下の固体と接触し、その底部の角はX、Y、Z方向が拘束されています。2番目の非線形サブケースは、除荷のシミューレートで、前の載荷のサブケースの非線形解の続きになります。

rd2100_nlstat_model
図 1. モデルと荷重の詳細
単位系
長さ: mm; 時間: s; 質量: Mgg; (Force: N; Stress: MPa)
上のブロック
72 mm x 72 mm
下のブロック
100 mm x 100 mm
ブロックの厚さ
20. mm
材料
スチール、弾塑性:
初期密度( ρ ) 7.90e-9 kg/mm3
ヤング率(E): 210000 MPa
ポワソン比( υ ): 0.3
降伏応力( σ 0): 850.0 MPa
作用圧力
1000.0 MPa、上のブロックの中心に作用

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したnlstat.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    nlstat.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

モデルのセットアップ

弾塑性材料の生成

最初に、材料の応力ー塑性ひずみ曲線が定義される必要があります。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにstress-strainと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからTABLES1を選択します。
  5. TABLES1_NUに2(表内の列数)を入力し、Enterを押します。
  6. Data欄の横にあるTableアイコンtable_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウで次の値(xおよびy欄)を入力します。

    os1365_tables1_num
    図 2.
  7. Closeをクリックしてダイアログを閉じます。

今度は弾塑性材料が更新される必要があります。

  1. Modelブラウザで、材料steelをクリックします。
    エンティティエディターが開きます。
  2. MATS1の横のチェックボックスをクリックし、NLSTAT解析の弾塑性材料を定義します。
  3. TIDに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
  4. Select Loadcolダイアログでstress_strain荷重コレクターを選択し、OKをクリックします。
  5. 下に示された値を入力します。
    TYPSTRNの1は、応力 (Y) vs 塑性ひずみ(X).を指定したことを示しています。

    os1365_steel_13
    図 3.

ブロック間の接触の定義

2つのブロックの間の接触面が定義される必要があります。
  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Setを選択します。
  2. Nameにtopと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからSET_ELEMを選択します。
  4. Set Typeスイッチはnon-orderedにセットされたままにしておきます。
  5. Entity IDsに、Unspecified > Propertyをクリックします。
  6. Select Propertiesダイアログで、上の固体ブロックSolid1を選択し、OKをクリックします。

    os1365_top_13
    図 4.
  7. 同様にして、bottomという名称の別のセットを生成します。
  8. 手順3.から6.を繰り返し、下のブロックに下のソリッドSolid2を選択します。

次に、インターフェースが定義される必要があります。

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Contactを選択します。
  2. NameにSOLID_CONTACTと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからCONTACTを選択します。
  5. MSID(メイン面)に、拡張選択メニューからSetを選択します。
  6. 黄色のSetパネルをクリックしてポップアップウィンドウから下のブロックbottomを選択し、OKをクリックします。
  7. 同様に、SSID(セカンダリ面)にtopセットを選択します。
  8. TYPEにドロップダウンメニューからSLIDEを選択します。
  9. MORIENTにドロップダウンメニューからNORM を選択します。

    os1365_solid_contact
    図 5.

NLPARM荷重コレクターの作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにNLPARMと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからNLPARMを選択します。
  5. 下に示した値を入力します。

    os1365_nlparm_13
    図 6.

1つ目の非線形荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
  2. Nameにloadingと入力します。
  3. Analysis typeをクリックし、ドロップダウンメニューからNonlinear quasi-staticを選択します。
  4. SPCにUnspecified > Loadcolをクリックします。
  5. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからSPCを選択し、OKをクリックします。
  6. LOADにUnspecified > Loadcolをクリックします。
  7. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからpressureを選択し、OKをクリックします。
  8. NLPARMにUnspecified > Loadcolをクリックします。
  9. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからnlparmを選択し、OKをクリックします。

    os1365_loading_13
    図 7.

2つ目の非線形荷重ステップの作成

  1. Nameにunloadと入力します。
  2. Analysis typeはここでも、ドロップダウンメニューからNonlinear quasi-staticを選択しなくてはなりません。
  3. SPCに、荷重コレクターのリストからSPCを選択します。
  4. NLPARMに、荷重コレクターのリストからnlparmを選択します。

    チェックポイント:除荷サブケース(unload)には、サブケースの載荷(loading)中に適用されるpressure荷重が含まれていません。


    os1365_unload_13
    図 8.

出力コントロールパラメータの定義

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  3. CONTF、DISPLACEMENT、STRAIN、STRESSの下で、OptionをYesに設定します。
  4. STRAINの下で、TYPE(1) にPLASTICをセットします。
  5. returnを2回クリックし、メインメニューに進みます。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 9. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてnlstat_completeと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、nlstat_complete.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、nlstat_complete.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

HyperViewを用いて、最初の(載荷)ステップの終了時の変位、von Mises応力、塑性ひずみ、接触圧力のコンターをプロットします。

rd2100_displacement_1
図 10. 荷重によるブロックの変位コンター

rd2100_von_mises
図 11. 荷重によるブロックのvon Mises応力コンター

rd2100_plastic_strain
図 12. 荷重によるブロックの塑性ひずみコンター

os1365_contact_pressure
図 13. 最初の(載荷)サブケースの後のブロックのインターフェースの接触圧力コンター

次に、サブケースを2、即ち除荷サブケースに変更し、変位コンターをプロとして除荷によるブロックに変位の変化を確認します。


rd2100_displacement_2
図 14. 2番目のサブケースの除荷によるブロックの変位コンター