OS-T:1392 節点-サーフェス接触とサーフェス-サーフェス接触

本チュートリアルでは、節点-サーフェス接触(N2S)とサーフェス-サーフェス接触(S2S)を使用した2つのパーツ間の接触のセットアップについて学習します。さらに、N2Sの場合は内部的に生成されたCGAPG要素を、S2Sの場合は接触している節点を確認する方法についても説明します。

モデルは、接触する2つの立方体、および構造を圧縮する上部の強制変位から成ります。

os_1392_model
図 1. モデルのイラスト

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したblocks_contact.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

モデルのセットアップ

セットセグメントの作成

読み込まれたモデルには、材料、プロパティ、境界条件および荷重ステップが含まれています。このステップでは、接触サーフェスと接触インターフェースを作成します。
  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Expand Allを選択します。
  2. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Set Segmentを選択して接触サーフェスを作成します。

    os_1392_contact_surface_menu
    図 2. Modelブラウザからのセットセグメントの作成
  3. Nameにbottomと入力します。
  4. ModelブラウザでComponentの下のbottomコンポーネントを右クリックしてIsolate Onlyを選択します。
  5. サーフェスに要素とそのフェイスを追加するために、ModelブラウザのSet Segmentパネル内のbottomサーフェスを選択し、エンティティ状態ブラウザ0 Elementsをクリックします。
  6. Elementをクリックし、パネルから要素を選択します。この接触サーフェスはソリッド要素上にあるため、セレクターをSolid facesに切り替えます。
  7. Elementsをクリックし、構造の下部のパートから全ての要素を選択します。
  8. 上部パートと接触しているサーフェス上の3つの節点を選択します。3つの節点はいずれも1つの要素の一部であることを確認します。
  9. returnをクリックして終了します。
  10. 手順3.から9.までを繰り返し、topパートを作成します。

    os_1392_add_contact_surface
    図 3. セットセグメントの追加

接触インターフェースの作成

2つの接触サーフェスを定義した後、それらがプロパティをもって接触していることを定義する必要があります。接触インターフェースが定義されなければなりません。
  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Contactを選択します。
  2. Nameにtop_to_bottomと入力します。
  3. Modelブラウザで、新たに作成されたContactを選択し、接触のプロパティを変更します。
  4. TYPEにSLIDEを選択します。
    これで、無摩擦接触となります。
  5. セカンダリサーフェスを選択するために、Secondary Entity IDsの横の欄をクリックします。
    セカンダリサーフェスは、より細かな側でなければならず、ここでは、bottomです(ユーザーズガイドを参照のこと)。
  6. Main Entity IDsにtopを選択します。
  7. DISCRETにN2Sを選択します。
  8. 残りの欄については、現時点ではデフォルトの値を保持しておきます。
  9. Modelブラウザ内の任意の場所をクリックし、これらの変更を適用します。

    os_1392_discret_n2s
    図 4. 接触インターフェースの定義

出力リクエストの作成

モデルの準備の最終ステップは、接触に関連した出力CONTFのリクエストです。これで、Contact Force、Contact Deformation、Contact StatusおよびContact Tractionが出力されます。また、作成された接触要素を確認するために、CONTPRM,CONTGAPCONTPRM,CONTGRIDおよびGAPPRM,HMGAPSTが使用されます。
  1. メインメニューからSetup > Create > Control Cardsを選択します。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTCONTFを選択します。

    os_1392_global_output_request
    図 5. Global出力リクエストのセットアップ
  3. 次のパネルでは、下に示すように、接触に関連した出力をリクエストする設定を選択します。

    os_1392_contf
    図 6. 接触に関連した出力のリクエスト
  4. returnをクリックし、カードの定義を完了します。
  5. 上記の手順を繰り返し、図 7に示すようにCONTGAPカードとCONTGRIDカードを作成します。
    それらはCONTPRMコントロールカードの下に用意されています。
  6. UNSUPPORTED_CONTPRMSを選択し、2と入力します。
  7. 続いて、以下のカードを作成します:
    1. CONTPRM,CONTGAP,YES (N2S接触について内部的に生成されたCGAPGを出力)
    2. CONTPRM,CONTGRID,YES(S2S接触内の節点を含んだセットを出力)
  8. returnをクリックします。

    os_1392_contprm
    図 7. CONTPRMカードCONTGAPとCONTGRIDの定義
  9. NextをクリックしてGAPPRMコントロールカードの場所を探し、HMGAPSTをクリックします。
  10. VALUEをYESに設定します。
    CGAPG要素のOpen/Closed(開 / 閉)状態を出力します。

    os_1392_gapprm_hmgapst
    図 8. GAPPRMカードHMGAPSTの定義

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 9. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてContact_N2Sと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、Contact_N2S.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、Contact_N2S.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

S2Sのジョブのサブミット

  1. Modelブラウザで、Groupの下のtop_to_bottomカードを選択します。
  2. DISCRETをS2Sに設定します。
  3. ジョブのサブミットを、新しいファイル名Contact_S2S.femで繰り返します。

結果の表示

Displacements、Element Stresses、Contact Force、Contact Deformation、Contact StatusおよびContact Tractionが計算され、HyperViewContour panelを使ってプロットすることができます。N2SとS2Sの実行におけるContact Tractionのみを比較します。

Contact Tractionの比較

  1. コマンドウィンドウ内にメッセージProcess completed successfullyが表示されたら、をクリックします。
    HyperViewが起動され、S2S実行について結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. 表示されたら、Closeをクリックし、メッセージウィンドウを閉じます。
  3. page window layoutアイコンpageLayout2Vertical-24をクリックし、ページを2つのウィンドウに分割します。
  4. fileImportModel-24をクリックしてcontact_N2S.h3dを選択することにより、新しいウィンドウ内のもう1つのモデルを読み込みます。
  5. 2つのウィンドウのうちの1つでContourツールバーアイコンresultsContour-16をクリックします。
  6. Result typeに、Contact Traction/Normal(s)を選択します。
  7. Applyをクリックします。

    os_1392_contour_plot
    図 10. HyperViewのContour Plotパネル
  8. Modelブラウザで、構造のtopパートの選択を解除します。
    接触サーフェスの結果のみが表示されるようになります。

    os_1392_top_unselect
    図 11. HyperViewでの構造のbottomパートの隔離
  9. コンターを表示しているウィンドウ内を右クリックし、Apply Style > Current Page > All selectedを選択して、両方のモデルについて同じ結果を確認します。
    法線方向の接触力のコンタープロットが、両方の実行について表示されます。最大値と最小値を比較すると、S2S解析の力は、N2S解析のものと比べてより均等になっています。

    os_1392_apply_style_menu
    図 12. 1つのウィンドウの設定をページの残り部分に適用

    os_1392_contour_s2s_n2s
    図 13. S2S(左)およびN2S(右)の法線方向の接触力のコンター

内部的に生成されたCGAPC要素の確認

HyperViewで接触力を確認した後、N2S接触について内部的に生成された接触要素をチェックします。
  1. Step 1の手順1.から4.までを繰り返します。
  2. Step 1の4.で選択されたフォルダーにあるContact_N2S.femファイルを選択します。
  3. contact_N2S.contgap.femファイルをインポートすることにより、内部的に作成されたCGAPG要素をImportで読み込みます。
  4. Modelブラウザで、CONTACT1からコンポーネントGapsを右クリックし、ギャップ要素を確認します。
  5. isolate onlyを選択し、要素をより良く見えるようにします。
  6. icon_abcをクリックし、要素のタグをオンにします。
  7. File > Run > Command Fileをクリックし、実行の最後における要素の開 / 閉状態を識別するために、要素セットを作成します。
  8. ファイルcontact_N2S.HM.gapstat.tclを選択します。
  9. HyperMeshでコマンドファイルを実行し、開いた / 閉じたギャップを含んだセットを作成します。
  10. シミュレーションの最後でどのギャップが開いているか / 閉じているかを確認するために、作成された要素セットを確認します。Modelブラウザ内で選択し、エンティティ状態ブラウザでEntity IDsの横の欄をクリックすることで、セットOS_gaps_sub_001_closedを確認します。
    これは、要素をすべて含み、すべてのギャップが閉じていることを示しています。開いているギャップが存在している場合は、別のセットOS_gaps_sub_001_openが作成されています。

    os_1392_review_closed_gaps
    図 14. 解析の最後での閉じたギャップの確認

節点の確認

S2S接触は、CGAPG要素が内部的に生成されない点で、N2Sとは異なります。これは、Step 8におけるプロセスがS2S接触に適用され得ないことを意味します。しかしながら、S2S接触で使用されているメインおよびセカンダリ節点を確認して、接触が正しく構築されているかを確認することができます。
  1. Step 1の手順1.から4.までを繰り返します。
  2. Step 1の4で選択されたフォルダーにあるContact_S2S.femファイルを選択します。
  3. Importで、ファイルcontact_S2S.contgrid.femを読み込むことにより、S2S接触が構築された節点を表す節点セットをインポートします。
  4. Modelブラウザbottomコンポーネントを右クリックし、isolate onlyを選択して節点を隔離します。
  5. Tools > Set Browserを選択します。
    Setブラウザが開きます。
  6. Setブラウザで、セット^SecondGrids_Contact_#1上をクリックし、Showを選択します。
    期待したとおり、接触が、サーフェス全体上に構築されました。

    os_1392_review_slave_nodes
    図 15. S2S接触のセカンダリ節点の確認
  7. コンポーネントtopおよびセット^MainGrids_Contact_#1について、内部的に生成されたCGAPC要素の確認の手順を繰り返します。

接触状態の確認

モデルに接触結果出力リクエストCONTFが含まれている場合、N2SおよびS2S両方の接触の状態もHyperViewで確認することができます。これを見るには、contour plotとしてContact Status/Normal(s)を選択し、Contact Tractionの比較の手順を繰り返します。

os_1392_contour_plot_hv
図 16. HyperViewでのコンタープロットしての接触状態の確認